2026年9月3日(木)の米国株式市場は、FRBのクリストファー・ウォラー理事が金利据え置きに前向きな姿勢を示したことを好感し、主要3指数がそろって大幅上昇しました。ナスダック総合は1.40%高、S&P500は1.06%高、ダウ平均は624ドル(1.18%)高となりました。市場では9月の利上げ観測が後退し、投資家心理が改善しました。一方、翌日に発表される8月雇用統計への警戒感は強く、雇用が予想以上に強ければ米国債利回りの上昇を通じて株価の重しになる可能性があります。
以下は、3日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
スノーフレーク(SNOW)
株価変動: +16.58%
詳細: クラウド型データプラットフォームを提供するソフトウェア企業です。第2四半期の売上高と利益が市場予想を大幅に上回ったことが好感され、株価は急騰しました。スリダー・ラマスワミCEOは、同社が来年の損益分岐点到達に向けて順調に進んでいると説明しました。
*関連記事「スノーフレーク株が23%急騰!好決算とAI成長で見えた今後の将来性」
ロビンフッド・マーケッツ(HOOD)
株価変動: +16.57%
詳細: 個人投資家向けの株式や暗号資産取引サービスを提供するフィンテック企業です。この日はS&P500構成銘柄の中で上昇率トップとなりました。ビットコインをはじめとする暗号資産価格の上昇も、暗号資産関連銘柄への買いを後押ししました。
コインベース・グローバル(COIN)
株価変動: +10.14%
詳細: 米国最大級の暗号資産交換業者です。ビットコインが一時81,000ドルを超える水準まで上昇したことに加え、暗号資産市場の規制枠組みを明確化する「Digital Asset Market Clarity Act」を巡る期待が追い風となりました。CEOのブライアン・アームストロング氏が、同法案の上院通過に自信を示したことも投資家心理を改善させました。
ブルーム・エナジー(BE)
株価変動: +8.21%
詳細: 燃料電池を利用したオンサイト発電システムを手掛ける企業です。AIデータセンター向け電力需要の拡大を背景に注目が続くなか、9月のS&P500構成銘柄入れ替えで新規採用される可能性がある有力候補として報じられたことが買い材料となりました。AIデータセンターの電力不足を解決する企業としての成長期待も株価を支えています。
*関連記事「S&P 500の次の採用銘柄は?ブルーム・エナジーなど注目8社を徹底分析」
パランティア・テクノロジーズ(PLTR)
株価変動: +7.71%
詳細: 政府機関や企業向けにAIを活用したデータ分析ソフトウェアを提供する企業です。前日に5.8%下落していましたが、この日はソフトウェア株全体の上昇にも支えられて大きく反発し、S&P500構成銘柄の中で3番目の上昇率となりました。
スペースX(SPCX)
株価変動: +6.42%
詳細: ロケット打ち上げや衛星通信サービス「スターリンク」、AIインフラ事業などを展開する宇宙企業です。株価上昇によって時価総額が約2カ月ぶりに2兆ドルを一時回復しました。アナリストの強気評価に加え、AIインフラ事業への期待や、スターリンクがテスラのサイバーキャブを支える通信基盤になるとの期待も投資家の関心を高めました。
クラウドストライク・ホールディングス(CRWD)
株価変動: +5.68%
詳細: クラウド型サイバーセキュリティ大手です。年次イベント「Fal.Con 2026」で、エヌビディアのNemotronを活用したAIセキュリティシステム「SafeMind」や「Falcon IQ」、AIエージェントを利用した次世代SOC機能などを相次いで発表しました。スノーフレークの好決算をきっかけにソフトウェア株全体が上昇したことも追い風となりました。
テスラ(TSLA)
株価変動: +5.42%
詳細: 電気自動車や自動運転技術を手掛ける企業です。テキサス州オースティンで開催される「サイバーキャブ」イベントへの期待から株価が大幅に上昇しました。サイバーキャブはペダルやステアリングホイールを備えない専用設計のロボタクシーで、テスラの自動運転戦略を象徴する製品です。
ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)
株価変動: +5.03%
詳細: サーバーやネットワーク機器など企業向けITインフラを提供する企業です。第3四半期決算は市場予想を上回りました。AI関連を含む企業向けITインフラ需要への期待もあり、株価は上昇しました。
デル・テクノロジーズ(DELL)
株価変動: +4.82%
詳細: PCやサーバーなどを手掛けるハードウェア大手です。前日に発表した第2四半期決算で売上高が前年同期比59%増の約470億ドルとなり、市場予想を上回りました。AIサーバー売上高は前年同期比約2倍の164億ドルに達し、受注残も950億ドルまで拡大しました。強いAIインフラ需要を背景に、好決算後の買いが続きました。
バーティブ・ホールディングス(VRT)
株価変動: +4.75%
詳細: データセンター向けの電源設備や冷却システムを手掛ける企業です。Utility Innovation Groupを最大26億ドルで買収すると発表したことが好感されました。買収によってAIデータセンター建設で深刻化している電力供給までの時間、いわゆる「タイム・トゥ・パワー」の問題に対応する能力を強化する狙いがあります。
コアウィーブ(CRWV)
株価変動: +4.49%
詳細: エヌビディア製GPUを中心とするAI向けクラウドインフラを提供する企業です。金利上昇への懸念が後退してAI・クラウド関連株に買いが広がったことに加え、ジェフリーズがAI市場の長期的な拡大から恩恵を受ける有力クラウド銘柄の1社としてコアウィーブを挙げました。一方で、同社のCDSは高水準にあり、負債や資金調達への警戒は依然として残っています。
ネビウス・グループ(NBIS)
株価変動: +3.20%
詳細: GPUを活用したAIクラウドインフラを展開する企業です。この日はAI・テクノロジー株全体の上昇が追い風となりました。AIデータセンター投資の長期的な拡大期待も引き続き株価を支えています。
マイクロソフト(MSFT)
株価変動: +2.68%
詳細: ソフトウェア、クラウド、生成AIを幅広く展開する大手テクノロジー企業です。米国債利回りが低下し、FRBによる追加利上げ観測が後退したことで大型テクノロジー株に買いが広がりました。また、AI市場の長期的な成長による恩恵を受ける有力銘柄としての期待も株価を支えました。
エヌビディア(NVDA)
株価変動: +1.80%
詳細: AI向けGPUで世界をリードする半導体企業です。ジェンスン・フアンCEOがAI開発者向けプラットフォームを運営するハギング・フェイスを129億ドルで買収すると発表したことが好感されました。買収により、AIモデル開発者との接点を強化し、GPUだけでなくAIソフトウェアや開発者エコシステムまで影響力を広げる狙いがあります。
*関連記事「エヌビディアはなぜハギングフェイスを129億ドルで買収?AI覇権を狙う全方位戦略」
ファイブ・ビロウ(FIVE)
株価変動: -1.28%
詳細: 若年層を中心に低価格商品を販売するディスカウント小売企業です。第2四半期の売上高が市場予想を上回り、今年2度目となる業績見通しの引き上げを発表しましたが、株価は小幅に下落しました。
ブロードコム(AVGO)
株価変動: -2.74%
詳細: 半導体やインフラソフトウェアを手掛ける大手企業です。第3四半期決算は堅調だったものの、データセンター向け設備投資の資金調達を巡る懸念や、主要顧客グーグルが競合するマーベルと半導体設計で提携していることへの警戒感を払拭できず、株価は下落しました。
*関連記事「ブロードコムはなぜ好決算でも株価が下がる?AI売上高2,300億ドルが示す本当の成長力」
キャンベルズ(CPB)
株価変動: -6.96%
詳細: スープやスナック食品などを展開する食品大手です。同社自身が「受け入れがたい」と表現する低調な業績を発表したことを受け、株価は大幅に下落しました。
タイソン・フーズ(TSN)
株価変動: -7.25%
詳細: 食肉加工を中心とする米食品大手です。売上高の成長見通しを引き下げたことが嫌気され、株価は大幅に下落しました。クラフト・ハインツ、ペプシコ、ホーメル・フーズなど他の食品株にも売りが広がりました。
シエナ(CIEN)
株価変動: -10.88%
詳細: 光通信ネットワーク機器や通信インフラを提供する企業です。四半期決算は市場予想を上回り、AI需要を背景に通期売上高見通しも引き上げましたが、株価は大幅に下落しました。
ヴィクトリアズ・シークレット(VSXY)
株価変動: -13.19%
詳細: ランジェリーや衣料品を販売する小売企業です。第2四半期の利益は市場予想を上回ったものの、売上高が予想に届かなかったことが嫌気されました。既存店売上高は9%増加しましたが、伸び率が前四半期から鈍化したことも懸念材料となりました。
ウルトラジェニクス・ファーマシューティカル(RARE)
株価変動: -44.03%
詳細: 希少疾患向け治療薬の開発を手掛けるバイオ医薬品企業です。開発中の希少疾患治療薬候補が後期臨床試験で主要評価項目を達成できなかったことを受け、複数の証券会社が投資判断を引き下げました。株価は44%急落しましたが、一部のアナリストは依然として同社や治療薬候補に可能性が残っているとの見方を示しています。
*過去記事 株価変動