2026年8月28日(金)の米国株式市場は、FRBのケビン・ウォーシュ議長によるジャクソンホール講演を受けて利上げ観測が強まり、ハイテク株を中心に下落しました。ナスダック総合は0.52%安、S&P500は0.25%安、ダウ平均は0.02%安でした。ウォーシュ議長は9月の利上げを明言しなかったものの、発言を受けて米2年債利回りが上昇し、市場が織り込む9月利上げ確率は57.5%まで上昇しました。半導体株や小型株が売られ、前日に好決算で上昇したエヌビディアも反落しました。市場の次の焦点は、来週発表される8月雇用統計とインフレ指標に移っています。
以下は、28日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
エラスティック(ESTC)
株価変動: +19.36%
詳細: 検索・データ分析ソフトウェアを提供する企業です。第1四半期決算が市場予想を上回り、通期見通しも引き上げました。業績の強さが評価され、株価は大幅に上昇しました。
ギャップ(GAP)
株価変動: +13.08%
詳細: アパレル大手です。第2四半期決算が市場予想を上回ったことに加え、傘下ブランドのオールドネイビーに新CEOを任命しました。業績改善への期待から株価が大幅に上昇しました。
ソルスティス・アドバンスト・マテリアルズ(SOLS)
株価変動: +12.76%
詳細: エレメント・ソリューションズの買収計画を撤回しました。AI関連事業への傾斜を強める買収でしたが、市場では両社が独立したまま事業を続ける方が望ましいとの見方が広がり、株価が上昇しました。
ワークデイ(WDAY)
株価変動: +5.76%
詳細: 人事・財務管理を中心とする企業向けクラウドソフトウェア企業です。第2四半期決算が市場予想を上回り、業績見通しも引き上げました。また、シルバーレイクによる買収観測も株価を押し上げました。
ルルレモン・アスレティカ(LULU)
株価変動: +5.05%
詳細: スポーツ・アスレジャー衣料を展開する企業です。この日はS&P500の上昇率上位銘柄の1つとなり、買いが優勢となりました。
アマゾン(AMZN)
株価変動: +3.97%
詳細: ECとクラウドサービスを展開する大手テクノロジー企業です。AWSとエヌビディアの提携拡大を背景に、AI、ロボティクス、エージェント型AI向けのGPUインフラを大幅に増強するとの期待が高まりました。半導体株が売られる一方、AI投資を収益化するクラウド大手に資金が向かい、株価を押し上げました。
アルファベット(GOOGL)
株価変動: +1.74%
詳細: グーグルを傘下に持つ大手テクノロジー企業です。この日はAI半導体や関連ハードウェア株が下落する一方、アルファベットやアマゾンなど大規模なAIインフラを活用するクラウド大手には買いが入りました。AIへの巨額投資を将来のクラウドや広告事業の成長につなげるとの期待が株価を支えました。
マイクロソフト(MSFT)
株価変動: +1.68%
詳細: クラウドや企業向けソフトウェアを展開する大手テクノロジー企業です。Azureを中心とするクラウド事業の成長やAI需要への期待が引き続き株価を支えました。Microsoft 365 Copilotの有料ユーザー拡大など、AIを実際の売上高につなげる力が評価されています。
オートデスク(ADSK)
株価変動: -3.67%
詳細: 設計・建築向けソフトウェアを提供する企業です。第2四半期決算は市場予想を上回ったものの、今後の業績見通しが期待を下回り、株価は下落しました。
オクタ(OKTA)
株価変動: -3.86%
詳細: ID管理・認証を中心とするサイバーセキュリティ企業です。前日の8月27日には好決算を受けて28.63%急騰し、4年ぶりの高値圏まで上昇していました。8月28日はファンダメンタルズの悪化というより、前日の急騰を受けた利益確定売りが優勢となりました。
クラウドストライク・ホールディングス(CRWD)
株価変動: -4.19%
詳細: エンドポイントセキュリティを中心とするサイバーセキュリティ企業です。前日に好決算を受けて株価が大幅上昇していたため、この日は利益確定売りが優勢となりました。
エヌビディア(NVDA)
株価変動: -4.57%
詳細: AI向けGPU最大手です。前日は好決算を受けて8.7%上昇していましたが、この日は半導体やAIハードウェア関連株全体に利益確定売りが広がりました。マーベル・テクノロジーの急落もAI半導体関連銘柄の投資家心理を冷やしました。
バーティブ・ホールディングス(VRT)
株価変動: -4.59%
詳細: AIデータセンター向けの電力・冷却インフラを提供する企業です。この日はマーベル・テクノロジーの決算をきっかけにAIインフラ関連株全体へ利益確定売りが広がりました。AI関連株の高いバリュエーションに対する警戒感や米国債利回りの上昇も重荷となり、バーティブにも売りが波及しました。
ルメンタム・ホールディングス(LITE)
株価変動: -6.39%
詳細: データセンター向け光通信部品などを手掛ける企業です。マーベル・テクノロジーの決算を受けて、AIデータセンター向けネットワークや光通信関連銘柄へ連想売りが広がりました。ただし、マーベルのデータセンター売上高自体は大きく成長しており、アナリストからはルメンタムなど光通信関連株への売りは過剰反応との見方も出ています。
マーベル・テクノロジー(MRVL)
株価変動: -10.28%
詳細: データセンター向け半導体やネットワーク製品を手掛ける企業です。第2四半期決算は市場予想を上回りましたが、年初から株価が大幅に上昇していたため、市場の高い期待を満たすには不十分と受け止められました。特にアルファベット傘下グーグルとのカスタムチップ事業による本格的な収益貢献が2029年度以降になるとの見方が失望につながりました。
*関連記事「マーベルはなぜ好決算でも急落?AI成長株に起きた「期待と現実のギャップ」」
IREN(IREN)
株価変動: -12.53%
詳細: AIクラウドやデータセンター事業を展開するネオクラウド企業です。決算で利益面が市場予想を下回ったことが嫌気されました。一方、AIクラウドサービス売上高は前四半期比110%増の7,050万ドルとなっており、AI事業そのものは急成長を続けています。
*関連記事「IREN株が決算後に急落、それでも「買い」と評価される理由とは?AIクラウド事業の急成長に注目」
ペイパル(PYPL)
株価変動: -12.71%
詳細: オンライン決済大手です。ストライプと投資会社アドベント・インターナショナルがペイパル買収を断念したと報じられ、買収期待が後退しました。この日はS&P500構成銘柄の中でも大幅な下落となりました。
ルーブリック(RBRK)
株価変動: -13.05%
詳細: クラウドデータセキュリティを提供する企業です。四半期決算は市場予想を上回り、サブスクリプションARRは33%増加し、通期の売上高・利益見通しも引き上げました。ただし、直前まで株価が大きく上昇していたため、好材料出尽くしの売りが優勢となりました。
*過去記事 株価変動
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