2026年5月20日(水)の米国株式市場は、債券利回り上昇への警戒感がいったん後退し、主要3指数がそろって1%超上昇しました。S&P500は1.1%高、ダウ平均は645ドル高の1.3%高、ナスダック総合は1.5%高となり、3日続いた下落に終止符を打ちました。原油価格が大きく下落し、WTI原油は8.8%安の98.26ドルで取引を終えたことも投資家心理を支えました。米国債価格は回復し、10年債利回りは4.569%、30年債利回りは5.114%に低下しました。市場では、今後も長期金利の動向が株価の方向性を左右するとの見方が示されています。
以下は、20日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
イミュノバント(IMVT)
株価変動: +35.26%
詳細: 自己免疫疾患向けの治療薬開発を進めるバイオ医薬品企業です。最新四半期では1株あたり73セントの赤字となり、市場予想の59セント赤字よりも損失は大きくなりました。しかし、自己免疫疾患治療薬候補「IMVT-1402」の16週時点データが良好だったことが重視され、株価は急騰しました。
ナビタス・セミコンダクター(NVTS)
株価変動: +18.32%
詳細: 窒化ガリウム(GaN)やシリコンカーバイド(SiC)を使った次世代パワー半導体を手がける企業です。AIデータセンターではGPUの性能向上に伴い、電力供給の効率化が重要な課題となっており、ナビタスはエヌビディアの800V高電圧直流(HVDC)アーキテクチャ向けに協業している企業として注目されています。AIインフラの電力効率改善に関わる銘柄として買いが入り、株価は大きく上昇しました。
アステラ・ラブズ(ALAB)
株価変動: +17.69%
詳細: AIデータセンターやクラウドインフラ向けの半導体ベース接続製品を手がける企業です。エヌビディアの決算を控え、AIインフラ関連銘柄への期待が高まりました。さらに、同社がテクノロジー・メディア関連カンファレンスで前向きなコメントを示したことも好感され、株価は終値ベースで過去最高値をつけました。
*関連記事「アステラ・ラブズ株が急騰 AIデータセンターの接続性を握る隠れた主役」
AMCエンターテインメント(AMC)
株価変動: +11.76%
詳細: 映画館チェーンを運営する企業で、個人投資家に人気の高いミーム株の一つです。CEOのアダム・アロン氏が前日夜、25万株を追加購入したことを明らかにし、同社への「非常に大きな自信」を示したことが買い材料となりました。
ユナイテッド航空(UAL)
株価変動: +9.99%
詳細: 米国の大手航空会社です。原油価格が下落したことで、燃料費負担への懸念が和らぎ、航空株全体が買われました。イランとの戦争開始以降、ジェット燃料価格の上昇が航空会社の重荷となっていましたが、ホルムズ海峡を3隻の大型タンカーが通過しているとの報道を受け、原油価格が下落したことが追い風となりました。
トール・ブラザーズ(TOL)
株価変動: +9.80%
詳細: 高級住宅を手がける米国の住宅建設会社です。第1四半期決算で利益が市場予想を上回ったことが好感されました。住宅購入コストの上昇により住宅市場全体では慎重な見方が続いているものの、高所得層向けの高級住宅需要は底堅いことが示されました。
デルタ航空(DAL)
株価変動: +9.39%
詳細: 米国を代表する大手航空会社です。ユナイテッド航空と同様に、原油価格の下落を受けて株価が大きく上昇しました。燃料コストの上昇懸念が後退したことで、航空会社の利益率改善への期待が広がりました。
NRGエナジー(NRG)
株価変動: +8.30%
詳細: 米国の電力・エネルギー関連企業です。AIデータセンターの増設によって電力需要が急増し、米国では電力不足が新たな投資テーマとして注目されています。特に、送電網運営機関PJMが電源接続のスケジュール前倒しに動いたことは、供給力不足への危機感を示す材料と受け止められました。発電能力を持つ電力会社への期待が高まり、NRGエナジーにも買いが入りました。
*関連記事「AIブームの次の主役は電力株か データセンター増設で始まる電力争奪戦」
コンステレーション・エナジー(CEG)
株価変動: +7.90%
詳細: 米国最大級の原子力発電事業者で、AIデータセンター向けの安定電源を供給できる企業として注目されています。生成AIの普及により、データセンターは大量かつ安定した電力を必要としており、原子力や既存発電資産を持つ企業の戦略的価値が高まっています。電力需給の逼迫が意識されるなか、AIインフラを支える電力株として買われました。
*関連記事「AIブームの次の主役は電力株か データセンター増設で始まる電力争奪戦」
インテル(INTC)
株価変動: +7.36%
詳細: CPUや半導体製造を手がける米国の大手半導体メーカーです。前日まで5営業日続落していた反動もあり、20日は大きく反発しました。半導体株全体への買い戻しや、AI関連株への注目が高まるなかで、インテルにも資金が向かいました。
ビストラ(VST)
株価変動: +6.90%
詳細: 米国の独立系発電事業者です。AIデータセンターの拡大により、電力需要の増加が長期的な成長テーマとして意識されています。特に、電力供給の逼迫やPJMによる対応の前倒しは、発電資産を持つ企業の収益機会拡大につながるとの見方を強めました。ビストラはAI時代の電力需要増加を受ける銘柄として注目されました。
*関連記事「AIブームの次の主役は電力株か データセンター増設で始まる電力争奪戦」
TJX(TJX)
株価変動: +5.66%
詳細: T.J. MaxxやMarshallsなどを展開するオフプライス小売企業です。通期見通しは保守的だったものの、四半期の利益と売上が市場予想を上回ったことが評価されました。消費者が節約志向を強めるなか、割安商品を提供する同社のビジネスモデルに注目が集まりました。
マイクロン・テクノロジー(MU)
株価変動: +4.76%
詳細: DRAMやNAND型フラッシュメモリを手がける米国の大手メモリ半導体メーカーです。サムスン電子と労働組合の交渉が決裂し、組合側が5月21日から6月7日までストライキを実施する方針を示したことが材料視されました。ジェフリーズのアナリストは、この混乱が世界のメモリチップ生産の約3%に影響し、価格上昇につながる可能性があると見ています。
*関連記事「マイクロン株が上昇 サムスンのストライキ危機でHBM市場の勢力図は変わるのか」
カバ・グループ(CAVA)
株価変動: +3.08%
詳細: 地中海料理を中心とするファストカジュアルレストランチェーンです。第1四半期決算で利益と売上がアナリスト予想を上回ったことが好感されました。過去1年間で92店舗を新規出店し、中西部を中心に新市場への展開を進めたことが成長を押し上げました。
エヌビディア(NVDA)
株価変動: +1.30%
詳細: AI半導体市場をけん引する大手半導体メーカーです。20日の取引終了後に予定されている四半期決算を前に買われました。ファクトセット調査によると、ウォール街では売上が前年同期比79%増の790億ドルに拡大すると予想されており、決算への期待が株価を支えました。
ロウズ(LOW)
株価変動: +1.23%
詳細: 米国の大手ホームセンターチェーンです。第1四半期の調整後利益は1株あたり3.03ドルとなり、市場予想の2.97ドルを上回りました。売上は前年同期の209億ドルから231億ドルに増加し、既存店売上高も0.6%増となりました。朝方は売られる場面もありましたが、最終的には上昇して取引を終えました。
ターゲット(TGT)
株価変動: -3.86%
詳細: 米国の大手小売チェーンです。既存店売上高は5.6%増となり、2022年初め以来で最も強い四半期売上の伸びを記録しました。1株利益も1.71ドルと、市場予想の1.42ドルを大きく上回りましたが、株価は下落しました。好決算にもかかわらず、投資家は今後の消費環境や利益率に慎重な見方を示した可能性があります。
アナログ・デバイセズ(ADI)
株価変動: -3.92%
詳細: アナログ半導体やミックスドシグナル半導体を手がける米国の大手半導体メーカーです。第2四半期決算では市場予想を上回る利益を発表しましたが、株価は下落しました。また、電源チップメーカーのエンパワー・セミコンダクターを15億ドルの現金で買収することで合意したことも発表されました。
ハズブロ(HAS)
株価変動: -8.83%
詳細: 玩具やゲームを手がける米国の大手企業です。第1四半期決算では利益と売上が市場予想を上回りましたが、通期見通しを更新しなかったことが嫌気されました。投資家は業績そのものよりも、今後の成長見通しに対する慎重姿勢を警戒したと見られます。
*過去記事 株価変動
🎧この記事は音声でもお楽しみいただけます。AIホストによる会話形式で、わかりやすく、さらに深く解説しています。ぜひご活用ください👇