米企業の利益見通しが過去最高の強気水準 AIブームが業績を押し上げ

米国企業が今後の利益について、異例ともいえる強気の姿勢を示しています。

マーケットウォッチが2026年10月4日に掲載した記事によると、S&P 500企業のうち、第3四半期の1株利益(EPS)について市場予想を上回る見通しを示した企業数が過去最多となりました。

特に目立つのがテクノロジー企業です。AI向け半導体やデータセンターへの巨額投資が続くなか、関連企業の売上高だけでなく利益見通しにも強さが表れています。

市場予想を上回る利益見通しは過去最多の72社

ファクトセットの集計によると、S&P 500構成企業のうち116社が2026年第3四半期のEPS見通しを公表し、そのうち72社がアナリスト予想を上回る見通しを示しました。

ファクトセットが約20年前にこのデータの集計を始めて以来、最多です。これまでの最高は2021年第2四半期に記録した65社でした。

企業は将来の業績について、市場の期待を過度に高めないよう慎重な見通しを示すことがあります。それにもかかわらず、これだけ多くの企業が市場予想を上回るガイダンスを示している点は注目されます。

企業経営者が今後の需要や収益環境にかなり強い手応えを感じていることを示すデータとも考えられます。

強気見通しをけん引するテクノロジー企業

今回の記録的な強気見通しを支えているのが情報技術セクターです。

マーケットウォッチが紹介したファクトセットのデータによると、情報技術セクターでは44社が市場予想を上回る第3四半期EPS見通しを示しました。

これは同セクターとして過去最多に並ぶ水準です。

その背景にあるのがAI関連投資の拡大です。

エヌビディア(NVDA)やマイクロン・テクノロジー(MU)などの半導体企業は、AIデータセンター向け需要の拡大から恩恵を受けています。

AI向け半導体の一部では需要に対して供給が不足しており、企業側が価格を維持したり引き上げたりしやすい環境も生まれています。

AIブームが単なる販売数量の増加だけではなく、利益率の改善にもつながっている点が重要です。

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AI需要はサーバーや試験装置にも波及

AI投資の恩恵は半導体メーカーだけにとどまりません。

AIサーバーを手掛けるスーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)も、2026年9月30日までの四半期について市場予想を上回るEPS見通しを示しました。

マーケットウォッチの記事では、同社のチャールズ・リアンCEOが8月の決算説明会で、AIやIT製品への需要が非常に強いとの認識を示したことも紹介されています。

AIデータセンターにはGPUだけでなく、サーバー、ネットワーク、電力設備、冷却設備など幅広いインフラが必要です。そのため、AI設備投資が増えるほど関連企業への需要も広がります。

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半導体試験装置などを手掛けるテラダイン(TER)も、市場予想を上回る第3四半期EPS見通しを公表しました。

同社経営陣も、事業の幅広い分野でAI需要が成長を支えているとの認識を示しています。

AI投資の恩恵がGPUやメモリーからサーバー、製造設備、試験装置へと広がっていることが分かります。

S&P 500企業の利益は29.5%増加予想

さらに注目されるのが、S&P 500企業全体の利益成長です。

ファクトセットによると、S&P 500企業の利益は29.5%増加すると予想されています。

米国株市場ではAI関連株を中心に株価が大きく上昇しており、高いバリュエーションに対する警戒感もあります。

一方、今回のデータを見ると、株価上昇だけが先行しているわけではありません。企業利益そのものも大きく拡大していることが分かります。

特にAI関連企業では、データセンターへの巨額投資が実際の売上高や利益に反映され始めています。

今後の米国株市場では、株価上昇を利益成長がどこまで支え続けられるかが重要になります。

第3四半期決算は将来見通しにも注目

これから本格化する第3四半期決算では、売上高やEPSが市場予想を上回ったかだけでなく、企業が今後の需要をどのように見ているかにも注目したいところです。

特にAI関連企業では、データセンター投資の継続性、半導体の需給、販売価格、利益率、設備投資計画などが重要になります。

今回、72社が市場予想を上回る利益見通しを示したという事実は、米企業の経営陣が足元の利益環境をかなり前向きに捉えていることを示しています。

AIブームが期待だけで株価を押し上げる段階から、実際の企業利益を拡大させる段階へ進んでいることも今回のデータから読み取れます。

第3四半期決算では、この強気な見通しが実際の業績によって裏付けられるのかが、米国株市場の大きな焦点になりそうです。

情報ソース: MarketWatch: “Corporate America has never been this upbeat about future profits” (By Bill Peters, Oct. 4, 2026)

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

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