エヌビディア(NVDA)の株価が過去最高値に迫る一方、AI投資を巡って新たな論点が浮上しています。それが、AIサーバーやGPUを何年間使用できるのかという問題です。
エヌビディアはAI半導体の耐久性を強調し、製品の価値が急速に失われるとの見方に反論しています。この議論は単なる会計上の問題ではありません。エヌビディアがAI分野への5,000億ドル規模の資金供給を進めようとするなか、AI半導体が長期間価値を維持できるかどうかは、今後ますます重要になります。
エヌビディア株は過去最高値まであと1.79ドル
10月2日のエヌビディア株は233.95ドルで取引を終え、前日比3.09ドル高、上昇率は1.34%となりました。
過去最高の終値は5月につけた235.74ドルです。10月2日の終値との差はわずか1.79ドルで、最高値まで約0.8%の水準に迫っています。
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株価が最高値圏に戻っているなかで注目されているのが、AI向けGPUを長期的な資産として評価できるのかという議論です。
投資家マイケル・バーリ氏などは、大手テクノロジー企業がエヌビディア製半導体を搭載したサーバーの使用期間を長く見積もりすぎているとの考えを示しています。
減価償却期間を長く設定すれば、取得した資産のコストをより長い期間に分散できます。そのため、AIサーバーを実際に何年間使用できるのかは、AI投資の経済性を見るうえで重要なポイントになります。
メタとグーグルは償却期間を約4年から6年へ
エヌビディアのプロダクトマーケティング担当シニアマネージャー、シュルティ・コパルカー氏は10月1日のブログで、大手事業者がサーバーの減価償却期間を延長してきたと説明しました。
記事によると、メタ・プラットフォームズ(META)やアルファベット(GOOGL)傘下のグーグルでは、AIサーバーの減価償却期間を従来の約4年から6年へ延長しています。
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ここで重要なのは、6年という期間が単なる会計上の数字ではなく、AIインフラ投資の採算性にも関係する点です。
AIサーバーをより長期間活用できれば、大規模な設備投資を長い期間にわたって利用できます。一方、技術革新によって古いGPUの利用価値が急速に低下するなら、長い償却期間を設定することへの疑問が強まります。
つまり、エヌビディアにとって重要なのは新型GPUを販売し続けることだけではありません。過去に販売した製品も十分な価値を維持していることを示す必要があります。
6年前のGPUでもレンタル価値が上昇
バロンズは以前、6年前のエヌビディア製半導体でさえレンタル価格が上昇していると報じています。エヌビディアも9月下旬の投資家向け資料で、同様のデータを示しました。
この事実は、古いGPUが新世代の登場と同時に使えなくなるわけではないことを示す材料になります。
特にエヌビディアが強調しているのがCUDAです。コパルカー氏によると、GPUをプログラムするソフトウェア基盤CUDAは複数世代の製品で動作するため、新しいアーキテクチャが登場しても既存GPUが利用できなくなるわけではありません。
投資家の視点では、これはエヌビディアの重要な強みと考えられます。半導体単体の性能だけでなく、世代をまたいで利用できるソフトウェア環境を持つことで、既存設備の利用期間を延ばせる可能性があるためです。
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バーリ氏は「供給不足による高値」と反論
一方、バーリ氏は10月1日のSNS投稿で、旧型GPUのレンタル価格上昇は半導体そのものが価値を維持しているからではなく、計算能力が不足しているためだとの見方を示しました。
より効率的な新型半導体の供給が増えれば、旧型GPUの価格が大きく下がると主張しています。
この指摘は無視できません。現在の高いレンタル価格が製品の長期的な有用性によるものなのか、それとも計算資源の不足による一時的な現象なのかによって、AI設備の資産価値に対する評価は変わります。
今後、新世代GPUが増えた後でも旧型GPUの需要とレンタル価格が維持されるかが、この論争を判断する重要な材料になります。
5,000億ドルのAI資金計画で耐久性がさらに重要に
この議論が重要性を増している理由として、エヌビディアが8月にウォール街の金融機関と協力し、AI分野を支援するため5,000億ドルの資金を投入する計画を発表したことがあります。
バロンズは、この資金供給ではエヌビディア製AIハードウェアを一部担保とする融資が必要になる可能性があると指摘しています。
その場合、GPUが数年後にどれだけの価値を持つのかは、半導体メーカーだけの問題ではなくなります。AIデータセンターに融資する金融機関にとっても重要です。
エヌビディアがGPUの耐久性や中古市場での価値、CUDAによる世代間の互換性を強調している背景には、AIインフラを金融資産として成立させるうえで、ハードウェアの長期的な価値を示す必要性があると考えられます。
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今後は旧型GPUの資産価値が重要に
今後の重要な確認材料は、新型GPUの供給が増えた後に旧型GPUの市場価値がどう変化するかです。
旧世代でも十分な需要が続けば、AIサーバーを6年間利用するという前提の説得力は高まります。エヌビディアにとっても、最新世代だけでなく過去の製品まで長期間活用されることは、GPUを長期資産として評価する根拠になります。
逆に、新世代への移行によって旧型GPUのレンタル価格が急速に低下すれば、長期の減価償却期間を巡る議論が再び強まる可能性があります。特に計算資源の供給不足が解消した後にも旧型GPUの価値が維持されるかが重要です。
投資家はGPUの販売数量や新製品の性能だけでなく、すでに販売されたGPUが何年間経済的価値を維持できるのかにも注目する必要があります。
まとめ
今回の重要なポイントは、エヌビディア製GPUの「寿命」がAI投資全体の経済性に関係するテーマになっていることです。
メタやグーグルはAIサーバーの減価償却期間を約4年から6年へ延長しています。さらに、6年前のエヌビディア製半導体のレンタル価値が上昇しているとのデータもあります。CUDAが世代をまたいで利用できることも、既存GPUの価値を支える材料です。
一方で、旧型GPUの高いレンタル価格が計算資源不足による一時的なものなのかという疑問は残ります。
今後は、エヌビディア株が過去最高値を更新できるかに加え、新型GPUの供給拡大後も旧世代の需要と価格が維持されるのか、そして5,000億ドル規模のAI資金計画の中でGPUがどのように評価されるのかが重要な確認材料になります。
情報ソース: Barron’s: “Nvidia Defies Critics—as Its Stock Nears First Record Since May” (By Adam Clark, Oct. 2, 2026)
※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。