ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)の株価が大きく上昇しました。バロンズは10月2日、AIやデータセンター向けインフラ需要の拡大を背景に、同社の成長期待がウォール街で急速に高まっていると報じました。
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HPE株は10月2日の取引で前日比4.75ドル(7.36%)高の69.33ドルで取引を終えました。AIインフラ需要への期待を背景に大幅高となり、2026年に入ってからの株価上昇も際立っています。
今回の株価上昇は、単なる短期的な材料によるものではありません。AIサーバー、ネットワーク、ストレージといったデータセンター関連需要の拡大に加えて、ジュニパーネットワークスの買収効果や大型契約の獲得が成長期待を高めています。
AIインフラ需要の拡大が追い風
HPEは、サーバー、ネットワーク、ストレージなど、データセンターを構成する幅広い製品を手掛けています。
生成AIの普及によって世界各地でデータセンター投資が拡大するなか、AI向け半導体だけでなく、その周辺インフラに対する需要も急増しています。
AIサーバーを大量に導入するためには、高速なネットワークや大容量のストレージが欠かせません。HPEはこうした複数の分野をカバーしているため、AIインフラ投資の拡大から幅広く恩恵を受けられる立場にあります。
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特にネットワーク事業は、今後の成長を左右する重要な分野になっています。AIモデルの学習や推論では大量のデータを高速でやり取りする必要があるため、ネットワーク性能の重要性が一段と高まっています。
ジュニパーネットワークス買収が成長を加速
バロンズが重要な成長材料として取り上げているのが、HPEによるジュニパーネットワークス(JNPR)の買収です。
同社は2025年7月、約140億ドルの現金でジュニパーネットワークスの買収を完了しました。これによりネットワーク事業の規模が大きく拡大し、ルーティングやクラウドネットワーク分野での競争力も強化されています。
ジュニパーネットワークスとの統合によって、データセンターネットワーク事業では50%を超える成長が期待されています。
さらに、両社の統合によるコスト削減効果として約8億ドルのシナジーも見込まれています。売上高の拡大だけでなく、利益率の改善も期待されている点が重要です。
買収によって事業規模を拡大しながら収益性も高めることができれば、HPEの企業価値を押し上げる要因になります。
12億ドルの大型契約を獲得
HPEは、大型契約の獲得でも成果を上げています。
バロンズによると、クラウド事業者のヴァルター向けにアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のHeliosサーバーラックを供給する約12億ドルの契約を獲得しました。これらの設備は米国内のデータセンターに導入される予定です。
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さらに、オラクル(ORCL)のクラウド事業との提携も進んでおり、AIネットワーク関連の受注額は合計30億ドルを超えています。
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こうした契約は、AIインフラ市場におけるHPEの存在感が高まっていることを示しています。
AI投資ではエヌビディア(NVDA)のような半導体企業が注目されることが多いですが、実際のデータセンター建設にはサーバー、ネットワーク、ストレージ、電力、冷却設備など幅広い製品が必要です。
HPEは、その中でもサーバーとネットワークという重要な領域を押さえています。
証券会社も相次いで目標株価を引き上げ
ウォール街でもHPEに対する評価が改善しています。
大和キャピタル・マーケッツは投資判断を「中立」から「アウトパフォーム」に引き上げ、目標株価も65ドルから75ドルへ引き上げました。
サーバー、ネットワーク、ストレージというAIインフラの主要分野を幅広くカバーしている点が評価されています。
また、サスケハナも投資判断は「中立」に据え置いたものの、目標株価を40ドルから70ドルへ大幅に引き上げました。新たに示された業績見通しや大型サーバー契約などが評価されています。
ファクトセットが集計した27人のアナリストによる平均投資判断は「オーバーウェイト」で、平均目標株価は73.11ドルとなっています。
10月2日の終値69.33ドルは、この平均目標株価まで約5.5%の上昇余地がある水準です。一方、株価がすでに大きく上昇しているため、今後は業績が市場の高い期待に応えられるかがより重要になります。
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AI相場の主役がインフラ企業にも広がる
今回の記事で注目したいのは、HPEの株価上昇だけではありません。
AI関連投資の恩恵を受ける企業の範囲が、半導体メーカーからデータセンターインフラ企業へ広がっていることが重要です。
AIサーバーの導入が増えれば、高速ネットワーク、ストレージ、電力、冷却設備などへの投資も同時に増加します。
HPEは、ジュニパーネットワークスの買収によってネットワーク分野を強化し、AIインフラ投資の拡大を取り込む体制を整えつつあります。
10月2日の7.36%高という株価反応からも、投資家がHPEをAIインフラ拡大の恩恵を受ける企業として評価していることが分かります。
一方で、今後は現在の高い期待に対して、売上高や利益が実際にどこまで伸びるのかが重要になります。
ジュニパーネットワークスとの統合が計画どおり進むのか、大型契約が利益成長につながるのか、AIデータセンター投資が今後も高い水準を維持するのかを確認していく必要があります。
AI相場の次の広がりを考えるうえで、HPEは注目しておきたいAIインフラ関連企業の1社です。
情報ソース: Barron’s: “HPE Stock Heads for Record High After AI Infrastructure Boom Powers Big Guidance” (By Mariapaula Gonzalez, Oct. 2, 2026)
※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。