半導体検査装置を手掛けるフォームファクター(FORM)の株価が9月30日の米国市場で大きく上昇しました。
背景にあるのは、ドイツ銀行がフォームファクターの調査を開始し、投資判断を「買い」としたことです。
バロンズの記事では、フォームファクターがエヌビディア(NVDA)のGPU製造を支える重要な半導体検査装置メーカーとして存在感を高めていることが紹介されています。
AI向け半導体市場が拡大するなか、エヌビディアだけではなく、その周辺企業にも成長機会が広がっていることを示す事例として注目されます。
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フォームファクター株は9.6%上昇
9月30日のフォームファクター株は9.6%上昇し、149.31ドルとなりました。
2026年に入ってからの上昇率は約168%、過去1年では約310%に達しています。AI半導体関連銘柄のなかでも非常に強い株価パフォーマンスとなっています。
今回さらに買いが集まったきっかけが、ドイツ銀行による新規カバレッジです。
ドイツ銀行のアナリスト、ジョージ・ブラウン氏は、フォームファクターがエヌビディア向けGPUの検査分野で重要な供給企業になっている点を評価しています。
エヌビディアのGPUはTSMC(TSM)で製造されています。高性能化する半導体では製造工程だけでなく、正常に動作するかを確認する検査工程の重要性も高まっています。
フォームファクターは、こうした半導体テストに使われるプローブカードなどを提供しています。
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エヌビディア向けに5億ドル規模の市場機会
今回の評価で特に注目されるのが、エヌビディアとの取引による市場規模です。
ドイツ銀行は、フォームファクターにとってエヌビディア関連の半導体検査市場が約5億ドル規模になる可能性があるとみています。
これは、フォームファクターの半導体検査装置事業全体の年間売上高に匹敵する規模です。
エヌビディア向け売上は2026年7月から12月の間に始まると予想されており、2028年までに関連市場の最大20%を獲得する可能性があるとされています。
実現すれば、年間売上高を約2億ドル押し上げる可能性があります。
エヌビディアそのものだけではなく、GPUの製造や検査を支える企業にもAI投資拡大の恩恵が広がっていることが分かります。
HBM検査も重要な成長分野
フォームファクターにとって、もう1つ重要なのがHBM(高帯域幅メモリー)の検査市場です。
HBMはAIアクセラレーターに欠かせないメモリーで、AI向け半導体の需要拡大に伴って市場が急成長しています。
ドイツ銀行は、フォームファクターがHBM検査分野で強い競争力を持っていると評価しています。
一方、競合するテクノプローブ(THNBY)が市場シェアを拡大する可能性も指摘されています。テクノプローブについては、ゴールドマン・サックスが過去にエヌビディア向け半導体検査技術の供給企業と指摘しています。
それでもHBM市場そのものが拡大すると予想されているため、ドイツ銀行はフォームファクターのHBM検査関連売上高が将来的に約4億ドルまで成長する可能性があるとみています。
AI向けGPUとHBMという2つの成長市場の双方に関わっている点が、フォームファクターの特徴です。
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2028年度の利益予想は市場予想を約25%上回る
ドイツ銀行が強気の投資判断を示した理由は、売上高の成長だけではありません。
フォームファクターの2028年度の1株利益について、ドイツ銀行は6.30ドルまで成長すると予想しています。
ファクトセットが集計したウォール街の市場予想は5.03ドルで、ドイツ銀行の予想はこれを約25%上回ります。
エヌビディア向けGPU検査とHBM検査という2つの事業が想定通りに成長すれば、現在の市場予想を上回る利益成長につながる可能性があります。
一方、ファクトセットが集計した9人のアナリストのうち、4人が「買い」、4人が「ホールド」としており、市場全体が一様に強気というわけではありません。
AI半導体の成長が周辺企業へ広がる
今回のフォームファクター株上昇から見えてくるのは、AI半導体市場の成長が周辺企業にも広がっていることです。
これまでAI関連株では、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、マイクロン・テクノロジー(MU)など大型半導体企業に注目が集まってきました。
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しかし、GPUの生産量が増え、性能が高度になるにつれて、半導体製造装置や検査装置、冷却設備、電力設備、データセンターなど周辺分野への需要も拡大しています。
フォームファクターは、そのなかでも半導体検査という分野に位置する企業です。
エヌビディア向け売上が本格化すれば、AI半導体市場の拡大を業績に取り込める可能性があります。
ただし、株価はすでに2026年に入ってから大幅に上昇しています。今後は高い成長期待に実際の業績が追いつけるかが重要になります。
特にエヌビディア向け売上の拡大、HBM検査事業の成長、テクノプローブとの競争は確認していきたいポイントです。
エヌビディアを中心としたAI半導体市場では、GPUメーカーだけでなく、その製造と検査を支える企業にも新たな成長機会が生まれています。フォームファクターは、こうしたAI半導体の周辺企業として今後の業績が注目されます。
情報ソース: Barron’s: “Nvidia Supplier FormFactor’s Stock Surges After Deutsche Bank Says It’s a Buy” (By Ty Roush, Sept. 30, 2026)
※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。