AIを巡る安全性への懸念が続くなか、AI関連株の一角が反発しました。バロンズが9月29日午前10時56分(米東部夏時間、日本時間9月29日午後11時56分)に更新した記事時点で、ブルーム・エナジー(BE)は14%上昇し300.13ドルとなりました。
オープンAIが新モデル「GPT-6.1 Astra」の提供を取りやめた一方、ブルーム・エナジーやバーティブ、マイクロンは上昇しました。AI関連株が一括して売られるのではなく、個別企業の需要や設備投資が改めて評価された形です。
ブルーム・エナジー株は前日の約9%安から急反発
ブルーム・エナジーは、データセンター向けを含む電力ソリューションを提供しています。前日は約9%下落し、S&P500構成銘柄で最も低調な値動きとなりましたが、翌29日には14%上昇しました。
上昇材料の1つが、生産能力の拡大です。
同社の製造拠点があるカリフォルニア州フリーモント市は、ブルーム・エナジーが事業拡大に向けて158,000平方フィートの施設を購入したとLinkedInで明らかにしました。
モルガン・スタンレーのアナリスト、デービッド・アルカロ氏は、この動きを強い需要が続いていることを示す材料と評価しています。
AIというテーマだけでなく、実際の生産設備拡大という具体的な動きが株価を支えた点が重要です。
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アメレンの電源計画に500MWの燃料電池
もう1つの材料が、米国の公益事業会社アメレン(AEE)です。
アメレンは電力や天然ガスを供給する公益事業を傘下に持ち、子会社のアメレン・ミズーリがミズーリ州で電力・天然ガス事業を運営しています。
アメレン・ミズーリは将来の電力需要に備える長期電源計画に、2030年までに天然ガスを使う燃料電池500MWを追加する方針を盛り込みました。
アルカロ氏は、この計画がブルーム・エナジーにとって事業機会になる可能性があるとの見方を示しています。
ブルーム・エナジーは燃料電池による電力供給を手掛けているため、500MWという規模の燃料電池が大手電力会社の長期計画に盛り込まれたことは注目材料です。
ただし、ブルーム・エナジーへの発注が決まったわけではありません。今後、計画が具体化し、実際の受注につながるかを確認する必要があります。
オープンAIの安全問題でもAI関連株は反発
一方、AI市場には不透明要因もあります。
オープンAIは「GPT-6.1 Astra」の提供を取りやめました。同社の安全システム責任者であるサーチ・ジェイン氏によると、このモデルは許可された範囲内での動作やユーザーへの情報伝達について、同社が求める基準を十分に満たしませんでした。
オープンAIは、それ以前にも最新AIモデルのトレーニングを一時停止しています。
それでも9月29日の記事時点では、AIインフラを手掛けるバーティブ・ホールディングス(VRT)が3.5%上昇し、メモリー半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)も2.5%上昇しました。ナスダック総合指数も0.2%上昇していました。
この値動きからは、AIモデル開発の安全問題と、データセンターや電力設備、半導体への需要が必ずしも同じ材料として評価されていないことがうかがえます。
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AI相場では具体的な需要がより重要に
AIモデルの開発が遅れれば、AIインフラへの期待にも影響する可能性があります。ただし、安全問題が発生したからといって、進行中のデータセンター投資や電力需要が直ちに消えるわけではありません。
ブルーム・エナジーでは158,000平方フィートの施設取得が進み、アメレン・ミズーリの長期電源計画には500MWの燃料電池が盛り込まれました。
投資家にとって重要なのは、「AI関連」というだけで判断するのではなく、各企業に具体的な需要や設備投資、受注機会があるかを確認することです。
バーティブやマイクロンも上昇したことから、AIインフラを支える企業への期待は依然として残っていると考えられます。
安全性はAI成長の新たな制約に
一方、オープンAIが安全基準を理由に新モデルの提供を取りやめたことは、AI開発が性能だけで進むものではないことも示しています。
安全性や利用範囲の管理によって開発ペースが変化すれば、将来的にはデータセンター、電力設備、半導体への投資にも影響する可能性があります。
オープンAIは、安全基準を満たす別の新モデルを近く投入するとしています。今後は新モデルの性能や安全性に加え、AIインフラ需要が引き続き拡大するかが焦点になります。
まとめ
ブルーム・エナジー株は9月29日午前の時点で14%上昇し、300.13ドルとなりました。背景には、158,000平方フィートの施設取得による生産拡大と、アメレン・ミズーリが長期電源計画に500MWの燃料電池を盛り込んだことがあります。
ただし、アメレンの計画がブルーム・エナジーの受注につながることはまだ決まっていません。
一方、オープンAIによる「GPT-6.1 Astra」の提供中止は、AI成長に安全性という制約があることを示しました。
今後はAIというテーマだけでなく、ブルーム・エナジーの生産能力拡大や実際の受注など、具体的な需要につながる動きを確認することが重要です。
情報ソース: Barron’s: “Why Bloom Energy and AI Stocks Rise Even as OpenAI Safety Concerns Persist” (By Callum Keown and Kit Norton, Sep. 29, 2026)
※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。