AI向け計算資源を提供するネオクラウド企業への評価が再び高まっています。
ネビウス・グループ(NBIS)とコアウィーブ(CRWV)は9月24日、アナリストによる格上げを受けて株価が上昇しました。今回重要なのは、単にAI需要が強いという話ではありません。AI計算資源の供給能力に加え、「どれだけ高い価格で計算能力を販売できるか」が企業価値を左右する材料として注目されている点です。
ネオクラウドを見るうえでは、データセンターの規模だけでなく、契約期間、販売価格、そして1ワット当たりにどれだけ売上を生み出せるかが重要になりそうです。
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ネビウスとコアウィーブがそろって格上げ
このニュースを報じた9月24日付けのバロンズの記事執筆時点で、ネビウス株は9.5%上昇して248.90ドル、コアウィーブ株は3.8%上昇して90.14ドルとなりました。
2026年に入ってからの上昇率は、ネビウスが193%、コアウィーブが25%です。
JPモルガンのサミック・チャタジー氏は、コアウィーブの投資判断を「中立」から「オーバーウェイト」へ引き上げ、目標株価も120ドルから125ドルへ引き上げました。
BNPパリバ・エクイティ・リサーチのダニエル・ワン氏は、ネビウスの投資判断を「中立」から「アウトパフォーム」に変更し、目標株価を260ドルから399ドルへ大幅に引き上げています。
さらにバンク・オブ・アメリカのタル・リアニ氏は、ネビウスの「買い」評価と310ドルの目標株価を維持しました。
AI計算資源の料金は昨年12月から約33%上昇
今回の評価引き上げで共通して注目されているのが、AI計算資源に対する価格決定力です。
ノースランド・エクイティ・キャピタル・マーケッツの推計では、計算能力の時間当たりレンタル料金は昨年12月から約33%上昇しています。
需要が増えても販売価格が上がらなければ、供給能力を拡大するためのコスト増加が利益を圧迫する可能性があります。しかし、需要の増加と同時に販売単価も上昇しているのであれば、ネオクラウド企業にとって収益性を改善する余地が広がります。
ここで重要なのは、AI市場の成長率だけを見るのでは不十分という点です。実際にどの価格で計算資源を販売できているのかが、今後さらに重要な指標になります。
短期契約ほど高価格を取りやすい構造
コアウィーブについてチャタジー氏は、AI計算需要の強さに加え、同社がプレミアム価格で短期契約を結んでいることが売上高や利益率を支える可能性があると分析しています。
ネビウスにも同様の特徴があります。
リアニ氏によると、ネビウスは長期のハイパースケーラー契約によって安定した利用率を確保する一方、一部の供給能力を1~3年程度の契約向けに確保しています。こうした契約の価格は、ハイパースケーラー向けのおよそ2倍とされています。
さらに同氏は、3~6カ月程度のより短い契約を販売する機会も増えているとみています。
短期契約は長期契約ほど将来の売上を見通しやすくありません。その代わり、需給が逼迫している局面では高い価格を設定しやすくなります。
長期契約で一定の稼働率を確保しながら、一部の能力を高単価の短期契約へ振り向けることができれば、安定性と収益性を組み合わせることが可能になります。
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ネビウスはメタとマイクロソフトの大型契約も材料
ネビウスはメタ・プラットフォームズ(META)とマイクロソフト(MSFT)との大型契約を抱えており、記事では、この2件の契約が来年初めにかけて進展するとされています。
ワン氏は、第2四半期以降に追加される供給能力について、より高価格のAIクラウド契約が反映される比率が高まると分析しています。
投資家の視点では、単純に供給能力が何メガワット増えたかだけで判断するのではなく、その新しい供給能力をどの価格で販売できるかを見る必要があります。
同じ設備容量でも販売価格が高ければ、生み出せる売上高は大きく変わります。リアニ氏が「1メガワット当たりの売上」を重視しているのも、このためです。
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コアウィーブについても、大手テック企業との契約は事業の安定性を考えるうえで重要です。
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最大のリスクは高価格を維持できるか
現在の強みである価格決定力は、AI計算需要が強いことを前提にしています。
短期契約は市場価格の上昇局面では有利ですが、需給環境が変われば、その影響も早く受ける可能性があります。現在の高いレンタル料金が維持できるかどうかは、ネビウスとコアウィーブの収益性を見るうえで重要な確認項目です。
また、両社は供給能力を拡大しています。能力を増やした後も高い利用率と高単価を維持できるかが重要になります。
したがって、今後はAI需要そのものに加えて、短期契約の価格、供給能力の稼働率、1メガワット当たりの売上といった指標を見る必要があります。
まとめ
今回のネビウスとコアウィーブの格上げで最も重要なのは、ネオクラウド企業の評価軸が「どれだけ設備を持っているか」だけではなく、「その設備からどれだけ高い売上を生み出せるか」へ広がっていることです。
AI計算資源のレンタル料金が昨年12月から約33%上昇していることは、現在の需給の強さを示す材料です。特にネビウスは、長期契約で稼働率を確保しながら、高単価の短期契約を組み合わせる戦略が注目されています。
一方、このビジネスモデルの収益性はAI需要と価格環境に左右されます。
今後は株価や目標株価だけでなく、計算資源の販売価格、契約期間、供給能力の拡大、そして1メガワット当たりの売上がどのように変化するかを確認することが重要です。
情報ソース: Barron’s: “CoreWeave and Nebius Score Upgrades” (By Kit Norton, Sep. 24, 2026)
※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。