バークシャー・ハサウェイがレナー株を10%超まで買い増し 住宅株低迷で何を見ているのか

  • 2026年9月23日
  • 2026年9月23日
  • BS余話

バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)が、米住宅建設大手レナー(LEN)への投資を大幅に拡大しています。2026年9月17日、18日、21日の3営業日だけで2億ドルを超えるレナー株を購入し、クラスA株の保有比率は約11%に達しました。

注目したいのは、住宅市場が厳しく、レナーの利益も大きく減少するなかで買い増している点です。バークシャーは、なぜ低迷する住宅株に資金を投じているのでしょうか。

3営業日でレナー株を2億ドル超購入

バークシャーは3営業日でレナーのクラスA株を約260万株購入しました。これにより保有数は2,370万株となり、その価値は18億ドルを超えています。

2026年第2四半期末の保有数は1,310万株、保有比率は約6%でした。その後1,000万株以上を追加し、保有株数は80%以上増加しています。

現在はクラスA株の約11%、クラスB株の約2%を保有し、レナー全体では約10%を保有する大株主となっています。

10%を超える株主は、その後の株式売買を2営業日以内に開示する必要があります。このため、今後バークシャーがさらに買い増すのかも確認しやすくなります。

レナーは年初来約25%安、利益も約半減

レナーのクラスA株は2026年に入ってから約25%下落しています。

8月までの四半期の調整後EPSは1.23ドルで、前年同期の2.29ドルから約50%減少しました。金利上昇や住宅購入者の負担増が住宅市場の逆風となっています。

一方、レナーの株価は9月21日に78.08ドルで取引を終え、9月22日の記事更新時点では82.30ドルでした。

バロンズの試算では、8月31日時点の1株当たり簿価は約90ドル、有形簿価は約76ドルです。株価は簿価を下回る一方、有形簿価は上回っています。

単純に割安と断定することはできませんが、住宅市場と業績への警戒が株価に反映されていると考えられます。

バークシャーはなぜ低迷する住宅株を買っているのか

今回の投資で最も興味深いのは、住宅市場が好調な時期ではなく、レナーの株価と利益がともに落ち込んでいる局面でバークシャーが保有を増やしていることです。

この数字から考えると、バークシャーは現在の利益だけではなく、レナーの資産価値、財務体質、事業規模などを含めて長期的な企業価値を見ている可能性があります。

レナーは米国第2位の住宅建設会社で、純有利子負債も少ない財務状態にあります。業績が弱い局面でも財務余力があることは、住宅市場の低迷を乗り切るうえで重要です。

つまり、住宅市場が弱いから避けるのではなく、その弱さによって株価評価が低下した局面を投資機会として捉えている可能性があります。

バークシャーは3,500億ドルを超える現金・現金同等物を保有しています。そのため、投資後すぐに住宅市場が回復しなくても、長い時間軸で企業価値の回復を待てる余力があります。

もちろん、バークシャーが住宅市場の底を見極めたと断定することはできません。それでも、株価と業績が低迷するなかで保有株数を80%以上増やした事実は、短期的な景気変動より長期的な価値を重視している可能性を示しています。

住宅事業への投資を拡大

今回のレナー株買い増しは、バークシャーの住宅分野への投資全体で見ることも重要です。

バークシャーは7月に住宅建設会社テイラー・モリソン・ホームを80億ドル超で買収しており、製造住宅を手掛けるクレイトン・ホームズも保有しています。

そこにレナー株の大幅な買い増しが加わりました。結果として、住宅関連事業への資金配分が拡大しています。

住宅市場が好調な局面で高値を追うのではなく、金利や住宅購入負担への懸念が強い時期に投資を増やしていることは注目すべきポイントです。

今後は利益回復と追加買いに注目

最大のリスクは、住宅市場の低迷が長引くことです。調整後EPSが約50%減少しているため、利益悪化が続けば株価にも影響します。

また、議決権の強いクラスB株の約70%をスチュアート・ミラー会長兼CEOが保有しており、会社を支配しています。この株式構造もレナーを見るうえで重要です。

今後は住宅需要がどこで安定するのか、利益減少に歯止めがかかるのか、そしてバークシャーが10%超の大株主となった後も買い増しを続けるのかが焦点になります。

まとめ

バークシャーはレナーの保有株数を第2四半期末から80%以上増やし、全体の約10%を保有するまで投資を拡大しました。

レナーは米国第2位の住宅建設会社で、株価は簿価を下回っています。一方、利益は約50%減少しており、住宅市場の厳しさは続いています。

バークシャーが低迷する住宅株を買う背景には、現在の業績だけではなく、資産価値、財務体質、事業規模を長期的に評価している可能性があります。

今後はレナーの利益回復、住宅市場の動向、そしてバークシャーによる追加売買を確認することが重要です。

情報ソース: Barron’s: “Lennar Stock Is Depressed. Why Berkshire Hathaway Is Piling In.” (By Andrew Bary, Sep. 22, 2026)

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

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