オラクル株はまだ上がる?AI需要で15年ぶりの高成長、OCIとマルチクラウド戦略が示す本当の実力

  • 2026年3月11日
  • 2026年3月11日
  • BS余話

長年テクノロジー業界では「レガシー企業」と見なされることもあったオラクル(ORCL)ですが、AIブームの中で劇的な変化を遂げつつあります。

2026年3月10日に発表された同社の2026会計年度第3四半期決算は、市場の予想を上回る内容となり、AI需要が同社の成長を大きく押し上げていることを示しました。

本記事では、この決算内容をもとに、オラクルがなぜAI時代の勝者候補として再評価されているのか、その背景を分析します。

15年ぶりの高成長を記録した決算

今回の決算で最も注目されたのは、売上と利益の力強い成長です。

売上高は前年同期比22%増の172億ドルとなり、市場予想の169億ドルを上回りました。調整後1株当たり利益(EPS)も1.79ドルと、市場予想の1.70ドルを上回っています。

特筆すべきなのは、売上と利益がともに20%以上成長したのが過去15年間で初めてという点です。成熟企業と見られていたオラクルが、再び成長企業としての姿を見せ始めたと言えます。

さらに同社は今後の見通しについても強気な姿勢を示しました。

次の四半期の売上成長率は19%〜21%を見込んでおり、市場のコンセンサスとほぼ一致しています。また、2027会計年度の売上見通しを900億ドルへ引き上げました。これは市場予想の866億ドルを大きく上回る数字です。

AI需要が一時的な特需ではなく、中長期的な成長ドライバーであることを経営陣が強く確信していることがうかがえます。

OCIが急成長、マルチクラウド戦略が成功

今回の決算では、クラウド事業の成長も際立っていました。

オラクルのクラウドインフラであるOCI(Oracle Cloud Infrastructure)の売上は、前年同期比84%増と急成長しています。

さらに注目されたのが、マルチクラウド関連のデータベース製品です。こちらはなんと前年同期比531%増という驚異的な伸びを記録しました。

これは企業がAWSやMicrosoft Azureといった競合クラウドの上で、オラクルのデータベースを利用していることを意味します。

クラウド市場では通常、顧客を自社プラットフォームに囲い込む戦略が取られます。しかしAI時代には、用途に応じて複数のクラウドを使い分ける「マルチクラウド」が主流になりつつあります。

オラクルはこの流れをいち早く受け入れ、「どのクラウドでも使えるデータベース」という立ち位置を確立しました。この柔軟な戦略が、同社の競争力を大きく高めています。

AIインフラの「土管化」を防ぐ収益モデル

AIブームでは、GPUなどの計算資源を提供する企業が「単なるインフラ業者」になってしまうリスクがあります。

しかしオラクルのビジネスモデルは、それとは異なります。

経営陣によると、AIハードウェアのレンタル事業の利益率は30%〜40%程度です。一方、マルチクラウド・データベース事業の利益率は60%〜80%と非常に高い水準となっています。

さらに顧客がAIに1ドル支出すると、ストレージやセキュリティなどの追加サービスに10%〜20%程度の追加支出が発生する傾向があります。

つまり、AIインフラは顧客獲得の入り口として機能し、その後に高利益率のソフトウェアやクラウドサービスが売れる構造になっています。

この仕組みによって、オラクルはAI投資の拡大を利益成長へと効率的に結びつけることが可能になっています。

最大の懸念だった財務リスクが後退

実は決算発表前、オラクル株は年初来で約23%下落していました。

最大の懸念は、AIインフラ投資に伴う巨額の資金調達リスクでした。同社は今年2月、最大500億ドルの資金調達計画を発表していたためです。

しかし今回の決算で、同社は重要な事実を明らかにしました。

新しいAI契約の多くでは、追加の資金調達が不要だというのです。顧客がチップ費用を前払いするか、ハードウェアを自ら調達するケースが増えているためです。

これはオラクルにとって非常に重要なポイントです。

巨額の先行投資を必要とせずにAIインフラ事業を拡大できるため、資本効率の高い成長モデルが成立する可能性が高まっています。

この発表を受けて、オラクル株は時間外取引で8%以上上昇しました。

AI銘柄としての新しい評価が始まる

オラクルはこれまで、クラウド移行の遅れなどから市場の評価が高いとは言えない企業でした。

しかし今回の決算は、同社がAIインフラ時代において強い競争力を持つ可能性を示しました。

・AI需要による売上の急成長
・マルチクラウド戦略による市場拡大
・高利益率のデータベースビジネス
・資本効率の高いAIインフラ投資

これらの要素が組み合わさることで、オラクルは単なるレガシー企業からAI時代の重要プレーヤーへと変わりつつあります。

AI市場の拡大が続く中、オラクルの存在感は今後さらに高まる可能性があります。

同社のAI銘柄としての評価は、まだ始まったばかりと言えるかもしれません。

情報ソース
MarketWatch: “Oracle’s stock rises as AI demand spurs an earnings milestone not seen in 15 years”
(By Christine Ji, March 10, 2026)

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。

*過去記事「オラクル株が最高値から55%暴落!今、格上げに踏み切ったアナリストの勝算とは

🎧この記事は音声でもお楽しみいただけます。AIホストによる会話形式で、わかりやすく、さらに深く解説しています。ぜひご活用ください👇

最新情報をチェックしよう!
>

幸せな生活作りのための米国株投資。
老後資産形成のための試行錯誤の日々を報告していきます。
皆様の参考になれば幸いです。

CTR IMG