オラクル株が最高値から55%暴落!今、格上げに踏み切ったアナリストの勝算とは

  • 2026年2月10日
  • 2026年2月10日
  • BS余話

2025年9月10日に記録した過去最高値の328.33ドルから、わずか数ヶ月で55%もの調整を見せているオラクル(ORCL)。かつてのレガシー企業からAIインフラの主役へと変貌を遂げようとする同社は、現在、投資判断が分かれる大きな転換点を迎えています。

こうした中、D.A.デビッドソンは同社の格付けを「中立」から「買い」へと引き上げました。特筆すべきは、株価が低迷する中でも目標株価を180ドルに据え置いている点です。この強気な判断の背景にある具体的な事実情報を分析します。

割安感の浮上と市場の反応

2月9日午前の取引において、オラクルの株価は9.2%上昇し、155.95ドルに達しました。依然として最高値からは大幅に乖離しているものの、アナリストの格上げをきっかけに市場が「底打ち」を意識し始めたことを示唆しています。

現在の株価水準と目標株価の180ドルを比較すると、依然として上昇余地が残されていると考えられます。投資家の間では、昨年9月の急騰とその後の急落を経て、ようやく適正な評価レンジに収まりつつあるという見方が広がっています。

オープンAIという単一リスクが確実な収益源へ変わる兆し

オラクルの株価を抑制していた最大の要因は、昨年9月に発表された3,000億ドル以上の受注残(履行義務)の不透明さでした。その大半が、いまだ非上場で赤字とされるオープンAI一社によるものだったためです。

しかし、ここに来て事実情報の性質が変わりました。オープンAIは現在400億ドルの手元資金を保有し、さらに最大1,000億ドルの追加調達に動いているとされています。これは、オラクルが進めている大規模なデータセンター構築費用が、確実に回収されるフェーズに入ったことを示しています。支払能力への疑念が晴れることは、同社のAI事業における評価の再考につながります。

ティックトックUSAという隠れたキャッシュフロー

AIの陰に隠れがちですが、ティックトックUSAとの提携も無視できない収益基盤です。オラクルは新会社の株式15%を保有し、昨年は同社から約8億ドルの収益を得たと推計されています。

JD・バンス副大統領が言及した140億ドルという評価額は、投資家の期待値より低い数値ですが、オラクルにとっては割安で食い込んだ優良顧客といえます。ティックトックUSAをクラウド顧客として固定し続けることで、AI以外の安定した収益柱を確保できている点は、変動の激しいハイテク業界において大きな強みとなります。

巨額債務を成長で相殺できるか

一方で、冷静に見るべきはバランスシートの重さです。オラクルは約1,300億ドルの負債と、2,480億ドルに及ぶリース債務という巨大な負荷を背負っています。

今後の焦点は、オープンAIなどの顧客から得られる収益が、これら負債の利払いと設備投資をどの程度上回るかという点に集約されます。現在の150ドル台という株価は、市場がこれらの負債リスクを過剰なほど反映した結果とも捉えられます。

結論:3月9日の決算が答え合わせの場に

オラクルは、AIのトップランナーであるオープンAIと、ソーシャルの巨大プラットフォームであるティックトックUSAという、現代のデジタル経済における二大動脈を顧客に持っています。

次回の決算発表は2026年3月9日です。ここでオープンAI向けのデータセンター稼働状況や、具体的な収益化の進捗が示されれば、目標株価である180ドルへの回復は現実味を帯びてきます。最高値から55%下落した今の水準が、将来的に「絶好の買い場」であったと振り返ることになるのか、その答えはまもなく示されます。

情報ソース: Barron’s: “Oracle’s Bets on OpenAI, TikTok Will Pay Off. Buy the Stock, This Analyst Says.” (By Nate Wolf, Feb. 09, 2026)

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

*過去記事「オラクルは「AI時代の公益インフラ」へ脱皮するか? 独自のBYOCモデルがもたらす破壊的パラダイムシフト

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