スペースX、11月13日に歴史的なスターシップ試験へ!ロケット2段同時回収が株価を左右する理由

✨ この記事でわかること

  • 11月13日に予定されるスターシップ第15回飛行試験の内容と、史上初となるロケット2段回収への挑戦
  • スターシップの完全再利用がスターリンク事業や宇宙AIデータセンター構想に与える影響
  • 11月6日に8.62%反発したスペースX株の動向と、今後の投資判断で注目すべきポイント

スペースX(SPCX)が、ロケット開発の歴史を変える可能性がある重要な試験に挑みます。

同社は、巨大ロケット「スターシップ」の第15回飛行試験を11月13日(金)に実施する予定です。

今回の最大の注目点は、ロケットの第1段「スーパーヘビー」と第2段「スターシップ」の両方を、発射塔の巨大な機械アームで回収する計画です。

バロンズは、今回の試験がスペースXの完全再利用型ロケット構想にとって重要な節目になると報じています。

技術的な成功は、打ち上げコストの削減だけでなく、スターリンク衛星の大量配備や宇宙AIデータセンターの実現にもつながります。

また、スペースX株は11月5日に9.05%急落した後、翌6日には8.62%反発しました。株価がIPO価格をわずかに下回るなか、今回の試験結果が投資家の評価にどのような影響を与えるのかにも注目が集まります。

11月13日の試験で何が行われるのか

今回の第15回飛行試験では、テキサス州のスターベースにある発射施設「Pad 2」から、スターシップV3が打ち上げられる予定です。

打ち上げ情報サイトによると、現在の予定は米中部時間11月13日午後4時45分、日本時間では11月14日午前7時45分となっています。

ただし、この時刻は変更される可能性があり、最終的な打ち上げは規制当局の承認や気象条件などに左右されます。

今回の試験では、主に次の3つが注目されます。

試験項目予定される内容
第1段ブースター発射塔への帰還と機械アームによる回収
第2段スターシップ軌道飛行後に地球へ帰還し、発射塔で回収
スターリンク衛星次世代V3衛星26基の軌道投入

特に重要なのが、第2段スターシップの回収です。

第1段については、過去の試験で発射塔による回収に成功した実績があります。しかし、第2段のスターシップを同じ方法で回収する試みは今回が初めてとなります。

計画では、第1段は打ち上げから約6分半後に発射場へ帰還します。

一方、第2段は衛星を軌道へ投入した後、約22時間の飛行を経て帰還を試みます。

ただし、安全上の条件が満たされない場合には、発射場への帰還を実施しない可能性もあります。

なぜロケットの2段回収が重要なのか

現在の商業宇宙輸送では、スペースXのファルコン9が再利用技術を大きく前進させてきました。

しかし、ファルコン9では主に第1段を再利用し、第2段は通常、使い捨てとなっています。

スターシップが目指すのは、ロケットの両段を回収し、整備後に繰り返し飛行させる仕組みです。

これが実現すれば、高価な機体を毎回製造する必要が減り、打ち上げ1回当たりのコストを引き下げられる可能性があります。

さらに、スターシップは地球低軌道へ約100トンの貨物を運ぶことを目指して設計されています。

ファルコン9を大幅に上回る輸送能力と完全再利用が両立すれば、衛星打ち上げの経済性が大きく変わります。

ただし、今回の回収試験が成功しても、直ちに低コストでの商業運航が実現するわけではありません。

機体の点検・整備に必要な時間、再飛行までの期間、運航の信頼性なども確認する必要があります。

スターリンクと宇宙AI事業にも大きな意味

スターシップの開発は、単なるロケット事業にとどまりません。

スペースXの成長戦略の中核にあるスターリンク事業とも密接に結びついています。

同社は9月28日の第14回飛行で、スターシップによる初の軌道到達と次世代スターリンクV3衛星26基の軌道投入を達成しました。

今回も26基の衛星を投入する計画で、衛星通信ネットワークの拡大に向けた輸送能力を検証します。

大型衛星を大量に打ち上げられるようになれば、通信容量の拡大やサービス品質の改善につながる可能性があります。

さらにスペースXは、宇宙空間でAI計算処理を行う「Starmind」構想も掲げています。

宇宙AIデータセンターでは、計算設備や関連機器を軌道上へ輸送する能力が重要になります。

スターシップの輸送コストが下がれば、こうした計画の経済性を改善できる可能性があります。

もっとも、宇宙空間での電力供給、冷却、通信、設備保守などには技術的な課題が残っています。ロケットの完全再利用が実現することと、宇宙AI事業が商業的に成功することは別の問題です。

スペースX株は11月6日に8.62%反発、IPO価格に接近

スペースXの株価は、事業の成長期待とは対照的に不安定な動きを続けています。

同社は2026年6月12日にナスダック市場へ上場しました。IPO価格は135ドルです。

10月30日の終値は134.72ドルとなり、IPO価格を下回りました。

さらに11月5日には株価が前日比9.05%下落し、123.62ドルで取引を終えています。

しかし、翌11月6日には買い戻しが入り、株価は前日比10.65ドル高(+8.62%)の134.27ドルまで反発しました。

この反発によって前日の下落分の大部分を取り戻しましたが、依然としてIPO価格の135ドルを0.73ドル(約0.54%)下回っています。

株価の重荷となっているのは、AI関連株全体への売りや、IPO後のロックアップ解除に伴う株式需給への警戒感などです。

一方、11月6日の大幅反発は、急落後の買い戻しが進んだ可能性を示しています。ただし、この反発が持続的な上昇につながるかは、今後の市場環境や個別材料に左右されます。

10月20日に発表された2026年第3四半期決算では、売上高が前年同期比161%増の146億ドル、純利益が44億ドルとなりました。

今回のスターシップ試験が成功すれば、将来の事業拡大に必要な技術の進展として評価される可能性があります。

ただし、技術的な成功が直ちに株価上昇へ結びつくとは限りません。投資家は、事業の成長性だけでなく、株式需給や市場全体の投資環境も見極める必要があります。

関連記事:スペースX株がIPO価格割れ!好決算でも下落した背景に13億株の売却解禁

投資家が確認したい今後の3つのポイント

まず、11月13日の打ち上げが予定どおり実施されるかどうかです。

続いて、第1段と第2段の回収結果が重要になります。特に第2段は、軌道飛行からの再突入を経て発射塔へ正確に帰還する必要があり、技術的な難易度が高くなっています。

最後に注目したいのが、回収した機体を実際に再使用できるかどうかです。

完全再利用型ロケットの経済性を判断するには、機体を回収するだけでなく、短い整備期間で安全に再打ち上げできることが重要になります。

スペースXはスターシップの本格的な運用を2027年後半までに実現することを目指していますが、試験結果によっては計画の見直しも考えられます。

株式市場の観点では、11月6日の大幅反発後にIPO価格の135ドルを回復できるかも注目点です。

もっとも、IPO価格は投資家心理を測る一つの目安にすぎず、企業価値を判断する絶対的な基準ではありません。スターシップの技術開発状況と事業収益への貢献を継続して確認する必要があります。

まとめ

11月13日に予定されるスターシップ第15回飛行試験は、スペースXの長期的な成長戦略を評価するうえで重要なイベントです。

第1段と第2段の両方を発射塔で回収できれば、完全再利用型ロケットの実用化に向けて大きな前進となります。

その成果は、スターリンクの通信能力拡大だけでなく、将来の宇宙AIデータセンター構想にも影響する可能性があります。

株価については、11月5日の9.05%急落から翌6日に8.62%反発し、IPO価格の135ドルに再び接近しています。

今回の試験が成功すれば、技術面での前進が投資家心理を改善させる材料となる可能性があります。

一方、技術開発には失敗や遅延のリスクが伴い、回収成功だけで事業の収益性が保証されるわけではありません。

中長期的には、スターシップの実際の再利用実績と、それがスターリンクや新規事業の収益拡大にどこまで貢献するかが重要になります。

情報ソース

企業公式資料・一次情報

報道・市場情報

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

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