10月23日の米国市場で注目された大きく動いた銘柄


2026年10月23日(金)の米国株式市場は、前日に急落したハイテク株の売りが一服したものの、主要3指数はそろって下落しました。ダウ平均は652.82ドル安(-1.23%)の52,215.16ドル、S&P500は0.52%安の7,623.68、ナスダック総合指数は0.21%安の25,955.34で取引を終えました。
半導体株には買い戻しが入り、フィラデルフィア半導体指数は0.44%上昇しましたが、AI投資の収益性や巨額の設備投資に伴う資金調達コストへの懸念は根強く残っています。来週はアルファベット、アマゾン、マイクロソフトの決算発表に加え、FRBの政策金利決定が予定されており、市場の重要な転換点となる可能性があります。

以下は、23日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。

ロバート・ハーフ(RHI)

株価変動: +21.82%
詳細: 会計、金融、ITなどの専門職人材派遣や経営コンサルティングを手がける米国企業です。22日に発表した2026年第3四半期決算で特に注目されたのは、人材ソリューション事業の売上高が調整後ベースで前年同期比2%増となり、2022年以来初めてプラス成長に転じたことです。米国のホワイトカラー雇用市場が低迷するなか、専門人材への需要回復が確認されたことが強い買い材料となりました。

クラウン・キャッスル(CCI)

株価変動: +9.11%
詳細: 米国内で携帯電話基地局や通信インフラを保有・運営する不動産投資信託(REIT)です。スペースXが全米約8万カ所の携帯電話基地局を確保する交渉を進めているとの報道を受け、株価が急上昇しました。スペースXが独自の携帯通信網を構築する場合、既存の通信インフラを所有する企業に新たな賃貸需要が生まれる可能性があります。投資家は、衛星通信事業の拡大が基地局運営会社の収益機会につながると評価しました。
*関連記事:スペースX、米国に第4の携帯通信会社を構築へ!基地局8万カ所確保で通信大手3社に迫る脅威

クラウドフレア(NET)

株価変動: +7.37%
詳細: 世界的なクラウドネットワーク、サイバーセキュリティー、エッジコンピューティングサービスを提供する企業です。23日はオッペンハイマーによる目標株価430ドルへの引き上げが好感されました。AIアプリケーションの普及によってネットワークの安全性と高速処理の重要性が高まっており、投資家は同社の中長期的な成長機会を評価しました。企業のWebサイトやネットワークを保護するサービスへの需要拡大も期待されています。

SLB(SLB)

株価変動: +7.06%
詳細: 石油・天然ガスの探査、生産設備、デジタル技術などを提供する世界的なエネルギーサービス企業です。発表した第3四半期決算では、売上高が前年同期比6%増の94億5,000万ドルとなり、特別項目を除く1株当たり利益は0.64ドルでした。中東事業の緩やかな回復に加え、AIデータセンター向けの事業拡大も注目されました。原油価格の上昇と予想を上回る業績が好感され、株価は大幅に上昇しました。

リングセントラル(RNG)

株価変動: +5.00%
詳細: クラウド型ビジネス通信、コンタクトセンター、AI音声サービスを提供する企業です。22日に発表した第3四半期決算では、売上高が前年同期比5.9%増の6億7,600万ドルとなり、市場予想を上回りました。調整後1株当たり利益も1.33ドルと予想の1.28ドルを上回り、非GAAP営業利益率は24.7%に改善しました。さらに、2026年通期の売上高や利益見通しを引き上げたことが好感されました。AIを活用した音声サービスや顧客対応の自動化が新たな成長分野となっており、収益性の改善とAI関連事業の拡大期待が株価を押し上げました。

SKハイニックス(SKHY)

株価変動: +4.05%
詳細: DRAMやNAND型フラッシュメモリー、高帯域幅メモリー(HBM)などを製造する韓国の大手半導体メーカーです。傘下のメモリー事業会社ソリダイムについて、計画していた米国市場での新規株式公開(IPO)を取りやめる方針が伝えられました。IPO中止によってグループ内の事業構造や資金調達戦略に変化が生じる可能性があり、市場はこの決定を好意的に受け止めました。前日に半導体関連株が大幅に下落していたこともあり、買い戻しの動きが株価を押し上げました。

スペースX(SPCX)

株価変動: +1.89%
詳細: ロケット打ち上げ、衛星通信サービスのスターリンクなどを展開する宇宙開発企業です。米国内で約8万カ所の携帯電話基地局を確保する交渉を進めていると報じられ、既存の通信大手と直接競争する可能性が注目されました。スターリンクの衛星通信網と地上の基地局を組み合わせることで、全国規模の携帯通信サービスを展開する構想とみられています。ただし、基地局の確保やサービス開始時期は確定しておらず、事業化には多額の設備投資や規制対応が必要となる可能性があります。新たな成長市場への参入期待から株価が上昇しました。
*関連記事:スペースX、米国に第4の携帯通信会社を構築へ!基地局8万カ所確保で通信大手3社に迫る脅威

モデルナ(MRNA)

株価変動: +1.25%
詳細: メッセンジャーRNA(mRNA)技術を活用したワクチンや治療薬の開発を進めるバイオ医薬品企業です。前日の22日は、メルクと共同開発しているがんワクチン候補を巡る臨床試験データの漏えいが伝えられ、株価が約18%急落しました。23日は前日の大幅下落を受けて一時的に買い戻しが入りました。ただし、開発中のがんワクチンの有効性や承認可能性については、今後の正式な臨床試験結果を確認する必要があります。
*関連記事:モデルナ株が10月22日に急落!がんワクチン再発リスク42%減でも市場が失望した理由

アメリカン・エキスプレス(AXP)

株価変動: -3.72%
詳細: クレジットカード事業や決済サービスを世界的に展開する大手金融企業です。第3四半期決算では売上高がアナリスト予想をわずかに下回りました。また、世界全体の従業員の約5%を削減する計画を発表したことも注目されました。通期の調整後利益見通しのレンジを縮小したことに加え、消費環境や今後の収益性に対する懸念が強まり、株価は下落しました。

デッカーズ・アウトドア(DECK)

株価変動: -4.97%
詳細: UGGやHOKAなどの人気ブランドを展開する米国の大手履物メーカーです。22日の通常取引終了後に発表した決算で、売上高の見通しを引き下げたことが嫌気されました。ブランド力への評価は高いものの、今後の売上高成長が従来の期待を下回る可能性が意識されました。消費者の購買動向や小売市場の競争環境が不透明ななか、業績見通しの下方修正が株価の下落につながりました。

インフォシス(INFY)

株価変動: -6.88%
詳細: インドを本拠地とし、世界各国でITコンサルティングやシステム開発、デジタル変革支援などを提供する大手ITサービス企業です。発表した第2四半期決算では、1株当たり利益が市場予想をわずかに下回りました。さらに、2027年度の売上高見通しを引き下げたことが嫌気されました。企業のIT投資やシステム開発需要の先行きに対する不透明感が意識され、株価が大幅に下落しました。

TモバイルUS(TMUS)

株価変動: -7.71%
詳細: 米国で携帯電話通信サービスを展開する大手通信事業者です。AT&Tやベライゾンと同様に、スペースXが約8万カ所の携帯電話基地局を確保する交渉を進めているとの報道が売り材料となりました。スペースXがスターリンクの衛星通信網と地上基地局を組み合わせて全国規模の携帯通信サービスを開始すれば、既存事業者の料金体系や顧客獲得競争に大きな影響を与える可能性があります。特に、低価格サービスや地方・通信圏外地域での競争が激化するとの懸念が強まり、株価は大幅に下落しました。ただし、スペースXによる通信網構築の具体的な条件や開始時期は確定していません。
*関連記事:スペースX、米国に第4の携帯通信会社を構築へ!基地局8万カ所確保で通信大手3社に迫る脅威

AT&T(T)

株価変動: -7.94%
詳細: 米国で携帯電話、光ファイバー通信、法人向け通信サービスなどを展開する大手通信企業です。スペースXが約8万カ所の携帯電話基地局を確保する交渉を進めているとの報道を受け、既存の通信大手との競争が激化するとの懸念が広がりました。特にスペースXがスターリンクの衛星通信サービスと地上の携帯通信インフラを組み合わせ、全国規模の通信事業者として参入する可能性が警戒されています。新規参入による料金競争や顧客流出が、中長期的な収益性に影響するとの見方から株価は大幅に下落しました。
*関連記事:スペースX、米国に第4の携帯通信会社を構築へ!基地局8万カ所確保で通信大手3社に迫る脅威

コンフォート・システムズUSA(FIX)

株価変動: -9.33%
詳細: 商業施設や工場、データセンター向けに空調、電気設備、配管などの設計・施工サービスを提供する企業です。22日に発表した第3四半期決算では、売上高が前年同期比約54%増の37億7,000万ドルとなり、1株当たり利益も13.91ドルと市場予想を上回りました。受注残高も前年同期の約93億ドルから178億1,000万ドルへ拡大しました。しかし、売上総利益率が前四半期の25.9%から24.8%に低下したことや、AIデータセンター建設投資の持続性に対する懸念が株価の重荷となりました。好決算にもかかわらず売られたことは、AIインフラ関連企業に対する市場の評価が厳しくなっていることを示しています。

クレド・テクノロジー(CRDO)

株価変動: -9.51%
詳細: AIデータセンター向けの高速データ通信技術やアクティブ電気ケーブル(AEC)を開発する半導体関連企業です。23日は競合企業による市場参入の動きや業界調査が売り材料となりました。マックスリニアの経営陣は、クレドがAEC市場で推定93〜99%の高いシェアを占めているとの見方を示す一方、今後は競争が拡大すると説明しました。特に次世代の1.6T通信市場で競合企業がシェア獲得を目指していることから、クレドの高い市場占有率と収益性が将来も維持できるかが懸念されました。AIデータセンターの高速通信需要は拡大していますが、競争環境の変化が株価に影響しました。

ブルーム・エナジー(BE)

株価変動: -11.33%
詳細: 固体酸化物形燃料電池(SOFC)を活用した分散型発電システムを開発・販売する企業です。AIデータセンター向けの電力需要拡大を背景に成長期待が高まっていますが、第3四半期決算ではフリーキャッシュフローがマイナスとなりました。同社は2026年通期の1株当たり利益見通しを引き上げたものの、事業拡大に必要な資金負担への懸念が強まりました。AIデータセンター関連の電力需要が拡大する一方、成長投資とキャッシュ創出のバランスが重要な課題となっており、株価は大幅に下落しました。
*関連記事:ブルーム・エナジー決算、売上138%増でも株価下落!AI電力需要の急拡大と投資家が警戒するキャッシュフロー

コーセプト・セラピューティクス(CORT)

株価変動: -20.32%
詳細: ホルモン受容体を標的とした治療薬の開発・販売を手がけるバイオ医薬品企業です。23日は競合のジェンマブが、プラチナ製剤抵抗性卵巣がんを対象とした治療薬候補リナタバート・セスツカンの第3相試験で良好な結果を報告したことが売り材料となりました。この治療分野ではコーセプトの治療薬Lifyorliも競合するため、将来的な市場シェアや売上高成長に対する懸念が強まりました。さらに、今後の決算発表を控えた利益確定売りも重なり、株価は大幅に下落しました。新薬の承認後であっても、競合薬の開発状況によって企業価値が大きく変動するというバイオ医薬品投資特有のリスクが意識されました。

LKQ(LKQ)

株価変動: -22.47%
詳細: 自動車の補修部品、リサイクル部品、アフターマーケット製品などを販売する米国の大手自動車部品流通企業です。23日に公表した第3四半期の暫定決算では、売上高が前年同期の35億ドルから33億2,000万ドルに減少する見通しとなりました。調整後1株当たり利益も0.47〜0.53ドルと、市場予想の0.69ドルを大幅に下回りました。特に欧州事業では部品・サービスの既存事業売上高が9.8%減少し、ドイツでの基幹業務システム導入に伴う混乱などが業績を圧迫しました。同社は2026年通期の業績見通しを撤回するとともに経営陣の刷新も発表しました。業績悪化と経営体制の変更が同時に表面化したことで、投資家の信頼感が低下し、株価は20%を超える急落となりました。


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