2026年10月19日(月)の米国株式市場は、前週に大きく売られたAI(人工知能)関連株を中心に買い戻しが広がり、ナスダック総合指数は1.11%高の26,430.89、S&P500種指数は0.41%高の7,690.73となりました。一方、ダウ工業株30種平均は0.07%安の51,966.03で取引を終えました。
メモリー関連株、光通信関連株が上昇を主導しました。ただし、S&P500構成銘柄の過半数は下落しており、上昇は一部の大型ハイテク株に集中しました。市場関係者はAI関連株の調整が終了したと判断するのは時期尚早と指摘しており、今週発表される企業決算が反発の持続性を見極める重要な材料となります。
以下は、19日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
サイレンス・セラピューティクス(SLN)
株価変動: +125.58%
詳細: RNA干渉技術を活用した医薬品の開発を手掛ける英国のバイオテクノロジー企業です。ドイツの製薬大手メルクKGaAが同社を約13億ドルで買収することで合意したと発表し、株価が急騰しました。買収価格は米国預託証券(ADS)1株当たり20ドルで、前週末の終値に対して約130%のプレミアムが付いています。買収の背景には、希少血液がんの一種である真性多血症を対象に開発中の治療薬「Divesiran」への期待があります。買収は2027年第1四半期に完了する見通しです。
ディスク・メディシン(IRON)
株価変動: +38.86%
詳細: 希少な血液疾患の治療薬開発に取り組む米国のバイオテクノロジー企業です。開発中の治療薬「Bitopertin」が、赤血球生成性プロトポルフィリン症(EPP)などを対象とする第3相臨床試験で、主要評価項目と副次評価項目のすべてを達成したと発表しました。この疾患は日光への曝露によって強い痛みなどが生じる遺伝性の代謝疾患です。臨床試験の成功によって新薬承認への期待が高まり、株価が大幅に上昇しました。
クリーブランド・クリフス(CLF)
株価変動: +16.42%
詳細: 米国の大手鉄鋼メーカーです。2027年の調整後EBITDAが40億ドルを超えるとの業績見通しを示し、ウォール街の予想である25億ドルを大幅に上回りました。同社のCEOは、輸入鉄鋼に対する50%の関税が国内鉄鋼価格の上昇と輸入減少につながり、米国鉄鋼業界を支えていると説明しました。予想を上回る業績見通しが好感され、株価は急騰しました。
アプライド・デジタル(APLD)
株価変動: +6.65%
詳細: AI向けデータセンターの開発・運営を手掛ける米国のインフラ企業です。前週はAIインフラ投資に伴う巨額の資金調達や債務負担への懸念から、関連銘柄が大幅に下落しました。しかし、10月19日は米国債利回りや原油価格が低下し、AIデータセンター企業の資金調達負担に対する警戒感がやや和らぎました。同社株もAIインフラ関連銘柄への買い戻しを受けて大幅に反発しました。
サンディスク(SNDK)
株価変動: +5.53%
詳細: NAND型フラッシュメモリーやデータストレージ製品を手掛ける半導体関連企業です。前週に大幅下落したAI関連銘柄に買い戻しが広がる中、同社株も上昇しました。S&P500構成銘柄の中でも上昇率上位に入り、半導体関連株の反発を象徴する銘柄の1つとなりました。
データドッグ(DDOG)
株価変動: +5.36%
詳細: クラウドシステムの監視やセキュリティ分析サービスを提供するソフトウェア企業です。バーンスタインが投資判断を「マーケットパフォーム」から「アウトパフォーム」に引き上げ、目標株価を237ドルから350ドルに引き上げました。AI関連顧客の需要拡大が業績を押し上げるとの期待から買いが集まり、S&P500構成銘柄の中でも上昇率上位に入りました。
*関連記事「データドッグ株はまだ上がる?年初来94%急騰でも目標株価350ドルの理由」
アマゾン(AMZN)
株価変動: +4.98%
詳細: 世界最大級の電子商取引事業とクラウドサービス「AWS」を展開する企業です。モルガン・スタンレーが目標株価を335ドルから350ドルに引き上げ、同社株を最有力投資候補の1つに選定しました。メタ・プラットフォームズの消費者向けAIエージェント「ミューズ」が従来のネット通販事業に脅威となる可能性がある一方、アマゾンはAI普及の主要な恩恵を受ける企業と評価されています。
*関連記事「アマゾン株に目標350ドル!AI株急落でもモルガン・スタンレーが強気の理由」
パランティア・テクノロジーズ(PLTR)
株価変動: +4.36%
詳細: AIを活用したデータ分析プラットフォームを政府機関や民間企業に提供する米国のソフトウェア企業です。政府向けクラウドサービスを手掛けるKnox Systemsとの提携が発表され、米国政府機関におけるAIソフトウェア導入の拡大期待が高まりました。この提携では、厳格なセキュリティ認証が必要な政府機関へのソフトウェア導入を迅速化することを目指しています。前週のAI関連株の下落を受けた買い戻しも重なり、株価が上昇しました。
マーベル・テクノロジー(MRVL)
株価変動: +4.06%
詳細: データセンターやAI向けのカスタム半導体、ネットワーク関連半導体を開発する米国の半導体企業です。前週にはAI関連銘柄が大幅に売られましたが、10月19日は半導体株全般に買い戻しが広がりました。同社はAIデータセンター向けの高速データ通信やカスタムチップの需要拡大が期待される企業であり、市場全体の反発とともに株価が上昇しました。
テスラ(TSLA)
株価変動: +3.76%
詳細: 電気自動車、蓄電池、AI、自動運転技術を手掛ける企業です。前週末にはAI関連銘柄への売り圧力を受けて2.1%下落していましたが、週明けは市場全体の反発とともに上昇しました。同社は10月21日の米国市場終了後に2026年第3四半期決算を発表する予定であり、業績や今後の事業見通しに投資家の注目が集まっています。
マイクロン・テクノロジー(MU)
株価変動: +2.97%
詳細: DRAMやNAND型フラッシュメモリーなどを製造する米国の大手半導体メーカーです。AIデータセンター向けに需要が拡大している広帯域メモリー(HBM)の主要メーカーの1つです。前週はAI関連投資の先行きや中国メーカーとの競争に対する懸念から、メモリー半導体株に売りが広がりました。10月19日は半導体関連銘柄への買い戻しが進み、同社株も反発しました。AIサーバー向けメモリー需要の持続性が今後の重要な注目点となっています。
ネビウス・グループ(NBIS)
株価変動: +2.88%
詳細: AI開発向けのGPUクラウドサービスやデータセンターインフラを提供する企業です。前週はAIインフラ投資に伴う巨額の設備投資や資金調達コストへの懸念から、AIクラウド関連企業の株価が下落しました。10月19日は米国債利回りの低下などを背景に投資家心理が改善し、同社株も買い戻されました。AI計算能力の需要拡大が期待される一方、データセンターの建設費用や資金調達負担が引き続き注目されています。
IREN(IREN)
株価変動: +2.74%
詳細: 再生可能エネルギーを活用したデータセンターを運営し、AIクラウドサービスやGPUインフラ事業を展開する企業です。前週はAIインフラ企業の資金調達負担や巨額の設備投資に対する懸念が強まり、関連銘柄が売られました。10月19日は米国債利回りの低下などを背景にAIインフラ関連株への買い戻しが広がり、同社株も反発しました。投資家は今後のGPU設備の拡張やAIクラウド事業の収益性に注目しています。
インテル(INTC)
株価変動: +2.43%
詳細: パソコンやデータセンター向けの半導体を開発・製造する米国の大手半導体メーカーです。JPモルガンが投資判断を弱気の「アンダーウェイト」相当から「ニュートラル」に引き上げました。目標株価は85ドルに据え置いたものの、前週に株価が14%以上下落したことで、投資リスクと期待リターンのバランスが改善したと評価されました。
スペースX(SPCX)
株価変動: +1.32%
詳細: ロケット打ち上げ、衛星通信サービス「スターリンク」などを展開する宇宙開発企業です。イーロン・マスク氏が、来年に米国のすべての子どもへ同社株を1株ずつ贈る意向をXで表明したことが注目されました。同社は10月20日の米国市場終了後に決算発表を予定しており、テスラとの将来的な統合をめぐる思惑も投資家の関心を集めています。
コアウィーブ(CRWV)
株価変動: -0.44%
詳細: AI開発向けのGPUクラウドインフラを提供する企業です。前週には社債利回りの急上昇を背景に株価が25%急落しました。ゴールドマン・サックスは投資判断を「ニュートラル」から「買い」に引き上げましたが、目標株価は139ドルから106ドルに引き下げました。AI計算能力の提供事業には競争力があると評価されたものの、資金調達に対する投資家の警戒感が続き、株価は一時上昇した後に下落しました。
NRGエナジー(NRG)
株価変動: -4.18%
詳細: 米国で発電事業や電力・天然ガスの小売事業を展開するエネルギー企業です。10月19日の取引では売りが優勢となり、S&P500構成銘柄の中で下落率が最も大きい銘柄の1つとなりました。ただ、この日の下落について個別の具体的な材料は示されていません。
モザイク(MOS)
株価変動: -4.89%
詳細: リン酸肥料やカリ肥料を中心とする農業用肥料の世界的メーカーです。10月19日の取引では株価が4.89%下落し、S&P500構成銘柄の中で下落率が大きい銘柄の1つとなりました。ただ、この日の株価下落につながった具体的な企業ニュースは示されていません。
アイポイント・ファーマシューティカルズ(EYPT)
株価変動: -85.28%
詳細: 眼科疾患向けの医薬品開発を手掛ける米国のバイオテクノロジー企業です。加齢黄斑変性症の一種である滲出型加齢黄斑変性症を対象に開発していた治療薬「DURAVYU」が、臨床試験で主要評価項目を達成できなかったことが明らかになりました。同社は後期臨床試験の早期終了と従業員の約53%削減を発表しました。主力開発品の事業化に対する期待が大きく後退したことで、株価が急落しました。
*過去記事 株価変動