エヌビディア株が最高値更新 それでも「割安」と言われる理由

この記事を読むことでわかる重要ポイント

  • エヌビディア(NVDA)株は約4カ月ぶりに最高値を更新し、時価総額は約5.8兆ドルという巨大な規模に達しました。
  • 約70%の成長が見込まれる一方、次の会計年度の予想1株利益ベースのPERは20倍未満とされ、成長力に対する株価評価が注目されています。
  • BNPパリバは目標株価を345ドルに引き上げ、10月5日の終値238.90ドルから約44%の上昇余地を見込んでいます。AIインフラでのエヌビディアの強さを高く評価しています。

エヌビディア株が約4カ月ぶりに終値ベースの最高値を更新しました。

時価総額が5兆ドルを大きく超える巨大企業となった現在も、ウォール街では株価にさらなる上昇余地があるとの見方が出ています。

マーケットウォッチが2026年10月5日に掲載した記事では、エヌビディアの高い利益成長率に対して株価の評価が必ずしも割高ではないことや、AIインフラにおける同社の強い立場が紹介されています。

約4カ月ぶりに最高値を更新

エヌビディア株は10月5日の取引を238.90ドルで終え、前日比4.95ドル高、2.12%上昇しました。

終値ベースでは約4カ月ぶりの最高値更新となり、時価総額は約5.8兆ドルという水準に達しています。

これほど巨大な企業を「割安」と表現するのは、一見すると違和感があります。しかし、株価が高いか安いかを考える際には、企業規模だけではなく、今後どれだけ利益を伸ばせるかとの比較が重要になります。

今回、アナリストが注目しているのもこの点です。

関連記事:エヌビディア株が最高値目前 AIサーバー「6年償却」が焦点に

約70%成長でもPERは20倍未満

ウェドブッシュのアナリスト、マット・ブライソン氏は、エヌビディアの成長見通しと現在の株価評価の間に大きな差があると見ています。

マーケットウォッチによると、エヌビディアには約70%の成長が見込まれています。一方、次の会計年度の予想1株利益を基準としたPERは20倍未満とされています。

一般的に、高い成長が期待される企業ほど高いPERで評価される傾向があります。そのため、約70%という成長期待に対してPERが20倍を下回る水準は、利益成長が実現することを前提にすれば割高とは言い切れないという見方につながっています。

ただし、この評価が成り立つためには、エヌビディアが市場の高い業績予想を実際に達成していく必要があります。

AI関連需要の拡大を売上高と利益の伸びにつなげ続けられるかが、今後の株価を考えるうえで重要になります。

巨額のキャッシュも株価を支える材料

エヌビディアの強みは成長率だけではありません。巨額のキャッシュを生み出している点も評価されています。

ブライソン氏は、同社が生み出した資金の相当部分を自社株買いに活用する姿勢にも注目しています。

自社株買いによって発行済み株式数が減れば、利益が同じでも1株当たり利益を押し上げる要因になります。

AI向け半導体で事業を拡大しながら、豊富なキャッシュを株主還元にも振り向けられることは、エヌビディアの株価を支える材料の1つです。

マイクロンのメモリー価格も注目材料

マーケットウォッチの記事では、半導体業界全体の動きにも触れています。

エラザール・アドバイザーズのチャイム・シーゲル氏は、マイクロン・テクノロジー(MU)のメモリー価格が想定より底堅く推移している点を指摘しています。

AIサーバーではGPUだけでなく、高性能メモリーも重要な役割を担います。そのため、メモリー価格の強さはAI関連の半導体需要を考えるうえでも注目材料となります。

エヌビディアだけでなく、AIデータセンターを構成する周辺半導体にも需要の強さが広がっているかがポイントになります。

関連記事:マイクロン株は「勝負どころ」へ AIメモリー需要は2027年も続くのか

BNPパリバは目標株価345ドル

より強気な見方を示しているのがBNPパリバです。

アナリストのカール・アッカーマン氏は、エヌビディアの目標株価を345ドルに引き上げました。

10月5日の終値238.90ドルから計算すると、約44%の上昇余地を見込んでいることになります。

同氏が高く評価しているのは、エヌビディアが単なるGPUメーカーではないことです。

同社はAI向けハードウェアだけでなく、ソフトウェアを含む幅広い製品群を展開しています。こうした総合力によって、AIインフラの中心的な立場を築いています。

特にAIエージェントの利用が広がれば、より多くの計算能力が必要になる可能性があります。その過程で、エヌビディアのハードウェアとソフトウェアの重要性がさらに高まるとの見方が示されています。

最高値更新後も利益成長が焦点

エヌビディアを取り巻く競争は激しくなっています。

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などの半導体メーカーだけでなく、アルファベット(GOOGL)、アマゾン(AMZN)、マイクロソフト(MSFT)などもAI向け半導体を強化しています。

AMDはAIアクセラレーターだけでなく、CPUやネットワーク製品を組み合わせ、AIデータセンター全体でエヌビディアを追う戦略を進めています。

関連記事:AMD株は「次のエヌビディア」になれるか?AI時代の新たな成長シナリオを徹底分析

アルファベットも独自のTPUを活用し、AIモデルを支える計算基盤の強化を進めています。

関連記事:グーグルのAI競争力はなぜ強いのか TPUと計算資源で見るアルファベット株の将来性

アマゾンはAWSで独自AIチップ「Trainium」を展開し、エヌビディア製GPUへの依存を抑える選択肢を広げようとしています。

関連記事:アマゾンがAIチップ外販へ AWS発のTrainiumはエヌビディア対抗の切り札になるか

マイクロソフトも巨額のAIインフラ投資を進める一方、AIを事業全体の成長につなげる戦略を強化しています。

関連記事:マイクロソフト株が2026年最高値 AI戦略が再評価される理由

こうした競争が激しくなる中でもアナリストがエヌビディアに強気の見方を維持している背景には、同社がAIインフラ全体で強い立場を確保していることがあります。

時価総額が5兆ドルを超えたからといって、それだけで株価が割高とは判断できません。重要なのは、今後の利益成長に対して現在の株価がどの程度評価されているかです。

約70%という成長期待を実際の業績につなげられるか、AIエージェントを含む新たな需要を取り込めるか、そして競争が激しくなる中でもAIインフラの中心であり続けられるかが今後の注目点です。

最高値を更新した後もエヌビディア株の評価を左右するのは、株価そのものの高さではなく、期待されている利益成長をどこまで実現できるかという点になりそうです。

情報ソース: MarketWatch: “The case for Nvidia’s stock to march even higher after clinching its first record high in months” (By Hannah Pedone, Oct. 5, 2026)

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

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