アマゾン株は今が買い場か?AI懸念で急落したインターネット関連株の将来性を徹底分析

2025年末から2026年にかけて、米国株市場ではインターネット関連銘柄の調整が目立っています。とくに、インターネットセクター全体に連動するインベスコ・ナスダック・インターネットETFが高値から大きく下落したことで、「インターネット株の時代は終わったのではないか」「AIが既存ビジネスを破壊するのではないか」といった不安の声も強まっています。

しかし、株価の下落がそのまま企業の本質的な価値低下を意味するとは限りません。むしろ今回の下落局面は、ファンダメンタルズの悪化ではなく、市場心理の悪化によって生まれた一時的な歪みである可能性があります。

本記事では、インターネットセクター全体の動きと、代表銘柄であるアマゾン・ドット・コム(AMZN)の具体的な数値をもとに、足元の下落をどう見るべきか、そして今後の将来性をどう考えるべきかを整理していきます。

市場は悲観しているが、マクロ環境はむしろ改善方向

まず注目したいのは、株価とマクロ環境の間にギャップがある点です。

インベスコ・ナスダック・インターネットETFは、2025年末の高値から17%下落しています。この数字だけを見ると、投資家がインターネットセクター全体に対してかなり慎重になっていることがわかります。実際、AIの進化が検索、広告、EC、配車、予約サービスなど、従来のネット企業の収益モデルを揺さぶるのではないかという見方が広がっています。

ただし、マクロ経済の前提は必ずしも悪くありません。FRBはすでに利下げを実施しており、2月のインフレ率も落ち着いた内容となっています。一般的に、金利低下はグロース株のバリュエーションを支えやすく、インフレの沈静化は個人消費や企業の広告出稿意欲にもプラスに働きます。

つまり、本来であればインターネット関連企業にとって追い風となりやすい環境が整いつつあるにもかかわらず、株価は大きく売られているのです。この構図を見ると、現在の下落は実体経済の悪化を反映したものというより、AIによる破壊的イノベーションへの警戒や中東情勢などを背景としたリスク回避姿勢が先行した結果と見る方が自然です。

アマゾン株の調整で割高感はかなり薄れた

こうした局面で注目したいのが、セクターを代表するアマゾン・ドット・コム(AMZN)です。

同社の株価は2025年11月の高値から16%下落しており、これによってバリュエーションにも大きな変化が起きています。今後12カ月の予想PERは、ピーク時のおよそ33倍から約26倍まで低下しました。S&P500全体の予想PERが21倍強であることを考えると、アマゾンには依然としてプレミアムが付いています。

ただ、そのプレミアムは過大とは言えません。なぜなら、アマゾンは単なる大型株ではなく、圧倒的な流通基盤、強い広告事業、高収益のクラウド事業という複数の成長源を持つ企業だからです。市場の期待だけで買われていた局面とは異なり、現在は過熱感がかなり落ち着き、利益成長を前提とした評価に近づいてきています。

言い換えれば、株価に乗っていた「期待先行の泡」がある程度はがれ落ちたことで、投資家にとっては以前よりも入りやすい価格帯になってきたと考えられます。

アマゾンの強さは「安定収益」と「高成長」の両立にある

アマゾンの魅力は、巨大企業でありながら成長の柱が複数あることです。

市場予想では、同社の年間売上高は約8,050億ドルに達する見通しです。その中核を担っているのが、ECと広告を中心とする基盤事業です。この分野はすでに売上全体の3分の2超を占める巨大事業ですが、それでも今後5年間で年10%台前半の成長が見込まれています。成熟した企業でここまでの成長が続く見通しは、決して軽視できません。

特に注目したいのは広告事業です。アマゾンはECプラットフォーム上での購買データを生かし、高い精度で広告を配信できる強みを持っています。広告は利益率が高く、ECの物流コストを補う役割も果たすため、同社全体の収益性改善に大きく寄与しています。

そして、もう一つの成長エンジンがアマゾン・ウェブ・サービス、つまりAWSです。AWSは今後5年間で年率21%前後の成長が見込まれており、依然としてアマゾンの利益成長を支える最重要部門といえます。

AIは脅威ではなく、むしろ大手ネット企業の追い風になりうる

現在の市場では「AIが既存のインターネット企業を破壊する」という見方が広がっていますが、少なくとも巨大IT企業に関しては、必ずしもその見方が当てはまるとは限りません。

むしろ、AIを最も効果的に活用できるのは、膨大な顧客基盤、データ、資本、インフラを持つ大手企業です。たとえば、オラクル(ORCL)などもAIを自社製品の強化に活用していますが、アマゾンも同様にAIを社内効率化、広告精度向上、物流最適化、クラウド需要拡大に結びつけることができます。

とくにAWSにとってAI需要の拡大は大きな恩恵です。生成AIやAIエージェントの普及が進めば進むほど、学習や推論を支えるクラウド基盤への需要も高まります。つまりAIはアマゾンの既存事業を壊す存在というより、AWSを中心に成長を加速させる材料として機能する可能性が高いのです。

今回の下落は悲観しすぎる必要がない可能性

足元のインターネット関連株の下落は、見た目以上にセンチメント主導の側面が強いと考えられます。マクロ環境はむしろ改善方向にあり、主要企業の業績基盤も大きく崩れていません。

その中でも、アマゾン・ドット・コム(AMZN)は、安定したEC・広告事業と、高成長を続けるAWSという強力な二本柱を持っています。予想PERが26倍まで低下した現在の水準は、かつてよりもリスクとリターンのバランスが改善していると見ることもできます。

もちろん、AI競争の激化や地政学リスクなど、今後も株価の変動要因は残ります。ただ、今回の調整を単なるネガティブ材料として見るのではなく、優良企業を適正価格に近い水準で見直す機会として捉える視点も重要です。

インターネットセクター全体が悲観で売られている今だからこそ、本当にファンダメンタルズが崩れているのか、それとも市場が過剰に反応しているだけなのかを冷静に見極めることが求められます。

情報ソース: Barron’s: “ Amazon, Uber, and Other Internet Stocks Look Too Cheap After AI and Iran Worries” (By Jacob Sonenshine, March 11, 2026)

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

*過去記事はこちら アマゾン AMZN

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