2025年10月9日(木)の米国株式市場は、好調な決算報告にもかかわらず下落しました。ダウ平均は243ポイント(0.5%)安、S&P500は0.3%安、ナスダックは0.1%安でした。デルタ航空やペプシコの好決算が伝えられたものの、投資家心理の過熱を警戒する声が強まりました。政府閉鎖は9日目に入り、市場には不安要素が残る一方、VIX指数は20を下回り低ボラティリティが続いています。
以下は、9日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
サーブ・ロボティクス (SERV)
株価変動: +28.63%
詳細:AI技術を活用した自律走行型の配達ロボットを開発する企業です。ドアダッシュとの複数年にわたる戦略的提携を発表し、全米でのサービス拡大を計画。AIによる効率化と都市型物流インフラへの貢献が期待され、株価は大幅上昇しました。
アケロ・セラピューティクス (AKRO)
株価変動: +16.33%
詳細:米国のバイオテクノロジー企業で、NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)などの代謝性肝疾患向け治療薬を開発しています。ノボ・ノルディスクが最大60ドルで買収する方針を発表し、買収期待が高まったことで株価が急騰しました。中核開発品「Efruxifermin」への期待が高まっています。
デルタ航空 (DAL)
株価変動: +4.29%
詳細:米国の主要航空会社で、国内外の旅客・貨物輸送を手がけています。第3四半期決算で予想を上回る利益と売上を発表し、通期利益予想も上方修正しました。旅行需要の回復と業績改善が評価され、株価は上昇しました。
ペプシコ (PEP)
株価変動: +4.23%
詳細:飲料やスナック菓子を展開する米国のグローバル食品企業です。第3四半期決算では、調整後利益と売上が市場予想を上回り、好調な業績を示しました。新たにCFOとしてウォルマートから経営幹部を迎えたことも投資家の信頼感につながりました。
コストコ (COST)
株価変動: +3.07%
詳細:会員制倉庫型小売業を展開する企業で、食品や日用品を中心に取り扱っています。直近5週間の売上が前年比8%増加し、eコマース売上は26%増と高成長を示しました。安定した消費とインフレ耐性のあるビジネスモデルが評価されています。
オクロ (OKLO)
株価変動: +2.49%
詳細:次世代小型原子炉(SMR)を開発するエネルギー・スタートアップです。Canaccord Genuityが「買い」評価と175ドルの目標株価を提示したことが材料視されました。今後のAI電力需要の高まりと脱炭素エネルギーへの期待が、同社の成長ストーリーを後押ししています。
MPマテリアルズ (MP)
株価変動: +2.41%
詳細:米国に拠点を置く希土類(レアアース)採掘会社で、電気自動車やハイテク機器に使われる重要資源を供給しています。米国防総省による4億ドルの支援と、中国の輸出規制強化報道を背景に、資源供給の戦略的重要性が意識され株価が上昇しました。
エヌビディア (NVDA)
株価変動: +1.82%
詳細: エヌビディアは、AI向けGPUで業界をリードする半導体メーカーです。アラブ首長国連邦(UAE)への数十億ドル規模のチップ輸出を米政府から承認されたとの報道がきっかけで株価が上昇。TSMCの決算報告やフアンCEOの強気発言も後押しとなり、史上最高値を更新しています。
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テスラ (TSLA)
株価変動: -0.72%
詳細:電気自動車(EV)や再生可能エネルギー関連製品を製造・販売する大手企業です。自動運転支援技術「FSD」について、国家道路交通安全局が安全性に関する調査を開始したことで、短期的な規制リスクが意識され、株価は小幅下落しました。
フェラーリ (RACE)
株価変動: -14.99%
詳細:イタリアの高級スポーツカーメーカーで、デザイン性と高性能を両立した自動車を製造しています。2030年のEV比率目標を40%から20%に下方修正し、成長期待が後退。長期見通しも市場予想を下回り、大幅な株価下落となりました。
*過去記事 株価変動
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