投資情報サイト、マーケットウォッチが比較的安全に高配当が期待できる銘柄をリストアップしていますので、ご紹介します。
株式の高配当利回りには注意が必要です。高利回りは、投資家が減配を予期して株価が下落した結果である可能性があるからです。
こうした銘柄を避け、配当支払い能力を維持し、できれば配当を増やすことが期待できる銘柄を見つけるためには、推定されるフリーキャッシュフロー利回りを見ることが一つの方法です。フリーキャッシュフロー（FCF）は、資本支出後の残りのキャッシュフローです。このお金は、配当の支払い、株式の買い戻し、企業の買収、有機的な拡大、その他の企業目的に使用されます。
FCFを基準に安全に高配当が期待できる銘柄をスクリーニングする方法としてマーケットウォッチは、S&Pコンポジット1500指数の構成銘柄から、以下の条件でリストを絞り込んでいます。
- 年間配当利回りが少なくとも5%。
- 少なくとも5人のアナリストによるカバレッジ。
- 2024年の推定フリーキャッシュフロー利回りが現在の配当利回りの少なくとも2倍。
ヘッドルーム（現在の配当利回りと推定2024年FCF利回りとの差）が2倍あることが、安全に配当を担保する目安になるとマーケットウォッチは考えています。
ファクトセットの調べでは、S&P1500のうち、5人以上のアナリストがカバーしている銘柄は1,244あり、このうち配当利回りが5.00%以上なのは99銘柄。
この中で、FCFの推定値が入手できない金融会社（EPSを使用）、およびエクイティREIT（AFFOを使用）を除けば、7社のFCFの推定値が入手できなかったため、最終的にリストは91銘柄に絞りこまれています。
その中でヘッドルームが少なくとも2倍と推定されるのが以下の11社です。
＊会社概要はティッカーのリンク先でご覧ください。
| 会社名 | ティッカー | 現在の配当利回り | 推定2024年「FCF利回り」 | 推定ヘッドルーム | 計算方法 |
| ユニティ・グループ | UNIT | 10.79% | 26.52% | 15.72% | AFFO |
| シビタス・リソーシズ | CIVI | 10.69% | 22.08% | 11.39% | FCF |
| オルガノン | OGN | 7.93% | 32.13% | 24.20% | FCF |
| AT&T | T | 6.70% | 14.24% | 7.54% | FCF |
| リンカーン・ナショナル | LNC | 6.59% | 26.09% | 19.49% | EPS |
| ワールプール | WHR | 5.75% | 11.84% | 6.09% | FCF |
| クリアウェイ・エナジー | CWEN | 5.46% | 18.30% | 12.84% | FCF |
| コロンビア・バンキング・システム | COLB | 5.34% | 11.53% | 6.19% | EPS |
| コメリカ | CMA | 5.05% | 10.14% | 5.10% | EPS |
| シチズンズ・ファイナンシャル・グループ | CFG | 5.01% | 10.09% | 5.08% | EPS |
| ゲス | GES | 5.01% | 11.23% | 6.22% | FCF |
＊過去記事 配当株