米国のテクノロジー大手、マイクロソフト（MSFT）は11月15日、自社製のAI半導体「Azure Maia AI Accelerator」の展開を発表しました。この新しいAI半導体は、大規模な言語モデルのトレーニングやAIモデルからの推論プロセスなど、生成AIやその他のAIワークロードに特化しています。
【技術的詳細】
Azure Maia AI Acceleratorは、5ナノメートルプロセスで製造され、1050億トランジスタを搭載しています。これまで、マイクロソフトのAzureクラウドプラットフォームでは、エヌビディア（NVDA）のプロセッサーが主に使用されていました。エヌビディアのH100 GPUは、80億トランジスタを有しており、AIアプリケーションにおいて高い評価を得ています。
【マイクロソフトの戦略とAI半導体の展開】
マイクロソフトは、新しい半導体の具体的な性能詳細を明らかにしていませんが、半導体の配備後にベンチマーク結果を公開する予定です。Maiaは2024年初めにマイクロソフトのデータセンターで展開され、Bing、Microsoft 365、Azure OpenAIサービスなどに搭載される見込みです。
【競合他社との比較】
自社でAIチップを開発しているのはマイクロソフトだけではありません。アルファベット（GOOGL）のクラウド部門はTensor Processing Unit（TPU）を、アマゾン（AMZN）のアマゾン・ウェブ・サービスはTrainiumアクセラレーターを提供しています。
【エヌビディアとの競争】
一方、エヌビディアは最近、新製品H200 Tensor Core GPUを発表しました。これは、既存のH100に比べて最大90％の性能向上を約束しており、2024年第2四半期に発売される予定です。マイクロソフトの新AI半導体がエヌビディアの地位にどの程度影響を及ぼすかは、現時点では不明です。
【まとめ】
この動きは、マイクロソフトがAI技術において更なる革新を目指し、そのインフラを強化していることを示しています。AI分野での競争は激しさを増しており、企業間の技術開発競争が今後も続くことが予想されます。この進展は、投資家やテクノロジー業界の関係者にとって注目すべきニュースです。
＊過去記事 マイクロソフト MSFT