トゥイリオ 成長への懸念を払拭し株価上昇

2月9日に発表された、来年から営業ベースで黒字化するという見通しに加え、強気の売上予測とアナリストの予想を上回る第4四半期の業績により、トゥイリオ(TWLO)の株価は10日の市場で一時、前日比16%増まで上昇しました。利上げ加速懸念により市場全体が大きく下げたため、終値は1.93%増の205.91ドルでした。
*「トゥイリオ 予想を上回る決算で20%上昇

ジェフ・ローソン最高経営責任者(CEO)は、トゥイリオを企業と消費者間のコミュニケーションツールの有力なプロバイダーから、顧客体験の最適化を支援するソフトウェアを販売する、推定市場規模790億ドルの企業へと成長させました。

ローソン氏は、トゥイリオの既存技術を補完するために一連の買収を行い、アドビ(ADBE)やセールスフォース(CRM)といった強力なライバル企業との競争に備えています。しかし、投資家にとっては、収益の向上が課題となっています。

それに対し、トゥイリオは2023年に「非GAAPベースの営業利益の計上」を開始するとしており、これは多くのソフトウェアベンダーの売上を加速させたパンデミックのブームがなくても、トゥイリオが成功し続けることを示しています。ただし、この見通しには、今後の買収による影響は含まれていません。

ローソン氏は、インタビューに応じて次のように述べています。「30億ドルを超えるランレートと成長率を誇る現在の規模は、長期的な収益性に焦点を当て始めるのに適した時期です」。

収益性向上への取り組みと並行して、同社は9日に、買収による収入を除いた「有機的収入」が今後3年間にわたり30%以上の成長を続けるとの見通しを発表しました。

「これは非常に大きな数字です。ソフトウェア業界では、当社のような売上規模の企業は他になく、そのような企業を見つけるのは難しいでしょう」とローソン氏は述べています。

しかし、投資家が心配するような指標もあります。有機的成長はジェットコースターのようになっています。

第4四半期には調整後ベースで39%増加しました。これは前四半期とほぼ同じですが、2020年末の最高水準である54%を大きく下回っています。そして今期、トゥイリオは有機的成長を前年同期比で34%増で見込んでいます。

ウォールストリートのアナリストたちは、トゥイリオの将来性について依然として強気の見方をしています。

その楽観的な見方の多くは、トゥイリオが2020年に32億ドルで買収した顧客データプラットフォームプロバイダーであるSegmentに集約されています。これは、同社のこれまでの最大の買収であり、投資家から最も注目されていました。

Segmentが加わったことで、トゥイリオの製品ポートフォリオの大部分が強化されることが期待されます。

Segmentは、継続的に更新されるファーストパーティの顧客情報のリポジトリとして機能し、企業がマーケティングやサポートの改善に活用することで、ロイヤリティの向上と売上の拡大を最終的に目指しています。

例えば、お気に入りのデパートのウェブサイトで新しいシャツを探している顧客と、その顧客に直後に送られてくるセールの宣伝メッセージをつなぐ役割を果たしています。

アップルがデータ・プライバシーに関する規制を強化し、グーグルがウェブ・トラッキング・ソフトウェアの使用方法を調整していることを考えると、この買収のタイミングは好都合でした。

同時に、Segmentの買収により、トゥイリオはセールスフォースやアドビといった大規模なベンダーとの競争に突入しました。トゥイリオと競合他社との大きな違いは、企業内の開発者が同社のベースツールの上に、より簡単にカスタマイズされたプログラムを構築できる点にあります。

「お客様から見てどのように差別化を図り、競合他社とは異なるカスタマーエクスペリエンスを構築するのか。これは、企業が構築しなければ、お客様が離れていってしまう分野です」とローソンCEOは語っています。

また、トゥイリオには、成長を阻害したり、事業の見直しを余儀なくされたりするような小さな逆風も吹いています。例えば、欧州連合(EU)などの地域ではテキストメッセージの価格が高いため、海外での事業拡大を続けることはコストがかさむとアナリストは指摘しています。

投資家の中には、トゥイリオとアマゾン・ドット・コム(AMZN)との密接な関係に不安を感じている人もいます。

トゥイリオは主にAmazon Web Services上で稼働しています。また、アマゾンのジェフ・ベゾス会長の側近であるリック・ダルゼル氏がトゥイリオの取締役に就任しています。

これまでは、このようなパートナーシップはあまり問題になりませんでした。しかし、AWSは、コールセンターソフトウェア「Connect」などの製品で、徐々にトゥイリオの直接的な競合相手になりつつあります。

しかし、ローソンCEOは、電子商取引の大手企業と距離を置く必要はないと考えています。「テクノロジーの世界では、誰もが友人であり、パートナーであり、ライバルでもあります。それがテクノロジーの世界の本質なのです」。

*過去記事はこちら「トゥイリオ TWLO

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