クラウドソフトウェア関連銘柄にとって過去最悪の1日

アトラシアン(TEAM)やトゥイリオ(TWLO)の投資家にとって11月4日は最悪の1日になりました。両社はともに1日だけで時価総額の約3分の1を失っています。そして下落はこの2社にとどまらずクラウドソフトウェア株全般に広がりました。

アトラシアン株は10月31日始まった1週間で38.4%下落し、2022年1月の第1週の20.4%下落というそれまでのワースト記録を上回りました。3日の決算説明会でアトラシアン幹部は、顧客がフリーミアム版から有料サブスクリプションに転換するペースが遅くなっていると述べています。

決算発表直前に格付けが2段階引き下げされたことで決算が注目されたトゥイリオは、年間売上成長率30%という以前の目標を撤回し、15%〜25%の成長目標に下方修正したことが株価下落の大きな要因となりました。

クラウドソフトウェアは、レガシーソフトウェアのコストを削減し、組織内の効率性を高めることができるため、アトラシアンやトゥイリオといった企業は不況期に向けて有力な投資先と考えられていました。

レイモンド・ジェームズのアナリストであるAdam Tindle氏は、アトラシアンの報告書を読み解く中で、アトラシアンの結果は、「最も多様で、低コストで、目に見える成長モデル(クラウド移行)であっても、この過酷なマクロ環境から免れることはできず、それに応じて株価は下落することを示唆している」と書き、ウォール街のアナリストのクラウドソフトウェア株への見方が大きく変わりつつあることを示しています。

Tindle氏は「マーケットパフォーム」の格付けを維持しながらも、クラウドへの移行は「もし」ではなく「いつ」の問題であり、「既存顧客をクラウドに移行させるための価格インセンティブが更新時の高揚感を生むと見ているが、クラウド顧客の70%が経済的苦境が続けば簡単に止められる月額プランであることに懸念を持っている」と述べています。

アナリスト、デリック・ウッド氏もアトラシアンのマーケットパフォーム」の格付けを維持しましたが、「テクノロジー業界全体でレイオフや雇用凍結が行われる中、開発者の雇用が減少しているため、大手顧客のキャパシティが拡大することはない」とTindle氏とは別の懸念材料を指摘しています。

11月4日はクラウドソフトウェアの大手企業の株価が軒並み大きく下落しました。セールスフォース(CRM)は4.48%下落し、サービスナウ(NOW)6.18%下落、モンゴDB(MDB)7.53%下落、オクタ(OKTA)10.23%下落、スノーフレーク(SNOW)に至っては12%下落となっています。

一方、サイバーセキュリティーのクラウドフレア(NET)は3日に第3四半期決算を発表したあと4日に18.42%も下落。「不況下でも成長が期待できる3つのセキュリティソフトウェア関連株」と期待されていた3社も、パロアルトネットワークス(PANW)5%下落、Zスケーラー(ZS)7.68%下落、クラウドストライク(CRWD)9.87%下落と大きく値を下げています。

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