危険だとは知りつつ、その魅力にひかれてしまう新興のX線装置メーカー、ナノックス（NNOX）。
X線が登場して120年以上経ちますが、世界の人口の3分の2がいまだに医療用画像処理技術を利用できていないことを知ったら、ショックを受けるかもしれません。なぜいまだにそうなのか？それは、従来の医療用画像処理システムがあまりにも高価で、大きすぎ、複雑すぎるからです。
Embed from Getty Imagesナノックスは、この状況を変えたいと考えています。ナノックス・イメージングは、医療用画像処理のコストを桁違いに下げることができる新しいX線技術を開発しました。
同社は、この技術によって製造コストを大幅に削減できると考えており、顧客がスキャンを行うたびに少額の料金を請求するシステムを構想しています。規制当局の承認を得られれば、ナノックスの技術は、世界に医療用画像処理技術をもたらす、極めて破壊的な技術となることが期待されます。
しかし、その実現ためには多くの不確実性がつきまといます。
ナノックスは、その技術の重要な部分についてはFDAの認可を得ているものの、商用システムについてはまだFDAの認可を得ていないため、この技術が日の目を見るという保証はありません。FDAクリアランスを取得するかどうかは、2021年末までには判明することになっています。
経営陣は、2021年の第1四半期までにユニットの出荷を開始し、2024年末までに15,000台のシステムを稼働させることができると考えています。
ナノックスの技術とビジネスモデルが成功すれば、そのパイはどれほど大きくなるのでしょうか。確かなことは言えないものの、この会社の現時点での評価額が15億ドルあまりであることを考えると、10倍以上のリターンは十分に可能だと考えられます。
ただ、投資するにあたって肝に銘じるべきことは、現時点でナノックスは極めて投機的な企業であるということです。
投資家にものすごいリターンをもたらすかもしれませんが、その一方で破滅的な損害を与えるかもしれない、ハイリスク・ハイリターンな銘柄です。
それでも同社が注目を集めているのは、うまく行けば10倍株や億り人株になることも夢ではないその可能性です。
そこに魅力を感じるのであれば、危険性を考慮しつつポートフォリオのごく一部に限定的に加えることが現実的な投資方法かと思われます。
現に私もそうしてほんの少しだけ購入して、夢を見させてもらって楽しんでいます。