新興のX線装置メーカーであるナノックス（NNOX）の株価が6月17日、前日比+9%の30.5ドルと急騰しました。
これは同社が6月17日朝、マルチソースNanox.ARC 3-Dデジタルトモシンセシスシステム の販売許可を米国食品医薬品局（FDA）に申請したと発表したからです。
すでにナノクッスは4月2日にFDAから1本のX線管で行う同社のX線装置「Nanox.ARC」の市販前通知許可を得ており、今回の申請はそれに続くものです。
量産を予定しているNanox.ARCには複数のX線管が搭載されているため、今回はその形式の装置の販売許可を得るために申請されました。
すでに最初の申請が許可されているため、今回の申請が却下される可能性は低いと思われます。
というのは、X線は古い技術ですから、X線の仕組みについてすでにわかっている知識で判断できます。4月の許可もこのため得られたものと思われますし、今回についても同様の結果になると推定されるからです。これまでに使われたことのないまったく新しい医療機器の承認には困難を伴いますが、120年という古い歴史を持つX線装置であるため判断がしやすいと思われます。
今回の申請が持つ意味については、過去の記事で述べたとおりです。
「億り人が狙えるとってもリスキーなヘルスケア株」
「億り人が狙えるとってもリスキーな株、買ってみました」
現在市販されているMRI（磁気共鳴画像装置）やCAT（コンピュータ断層撮影装置）に対抗するために同社が開発したマルチソースX線装置の販売がFDAからのお墨付きを得ることは、製品出荷を実現するための重要なマイルストーン。今回の申請はそういった意味を持つため、6月17日に市場は敏感に反応したと思われます。
このニュースを知って6月17日の市場が始まる前の時間外でほんの少しだけ買い増しを行いました。その時は前日比で+15%近く跳ね上がっていたのですが、日中の取引ではそれほどでもなく、明らかに先走りだったようです(^^;)。18日は1.6%減の30ドルで終了。市場は次の展開を見守っているようです。