バリューとグロースの二分法は意味がない

  • 2021年1月21日
  • 2021年1月21日
  • BS余話

1月18日の日経に掲載された記事「もうPBRには頼らない 進化するバリュー投資家」は最近読んだ中では最も共鳴した内容でした。

「バリュー株は死んだのか、それとも、今年こそ歴史的な復活を遂げるのか」という刺激的な言葉から始まるこの記事。

「世界的な株高の中で負け続けてきたバリュー株の逆襲(リバーサル)の可能性をめぐる論争」が繰り広げられている様が書かれています。

この記事の中で最も印象に残ったのが、筋金入りのバリュー投資家として知られる米オークツリー・キャピタル・マネジメントのハワード・マークス共同会長のこの言葉。

世界の変化がはやい現在は、バリューとグロースの伝統的な二分法は意味がない。
かつては容易に観察可能なデータや基礎的な分析に基づいて掘り出し物を拾うのが可能だったが、今ではそのような機会が顕在化すると考えるのは愚かだ。
市場が効率的になった現在では、株価には誰もが簡単に手に入れられる企業の財務諸価値はすでに織り込まれているはずだ。
そんな効率的な市場でPBRやPERといったバリュエーションが低く放置されているのであれば、株価が低いそれなりの理由が存在していることになる。表面上の指標だけをみて割安な株を買っても、いつまでたっても上がらない、いわゆる「バリュー・トラップ(割安のわな)」にはまってしまうだけだ。

効率的になった市場でバリュー投資家がすべきことはなにか。

グロース株の典型と思われてきた「GAFAM」のようなテック企業をバリュー投資家もちゃんと分析すべきだ。
(表面上のPERが高いからといって投資対象から自動的に外さず)無形資産に対する依存の高さや、遠い将来における成長可能性も徹底的に分析する必要がある。

ここで言う無形資産とは、顧客データや人的資産、市場支配力などバランスシートには記載されていない資産。その価値をしっかりと計算できれば、その価値を下回るバリュー株として買うことができるという意味です。

70歳半ばを迎えたというマークス氏が1月11日に投資家向けに送ったというこのメモにはこんなエピソードが紹介されていたそうです。

20年前、赤字ながら急成長するアマゾンを保有していた著名なバリュー投資家に「なぜ保有できるのか」とたずねたところ、「私にとってバリューと感じられるからだ」という答えが返ってきたとのこと。

「バリューとはその投資家が見つけたところに存在する」という言葉でメモは締めくくられていたそうです。

いやあ、すごく共感します。まさに現在の私の投資哲学も同じ。そこに本源的な価値があると考えるから投資する。だから、20年前には買えませんでしたが(正確には買ったけど持ち続けられなかった(^^;))、6年前にはアマゾンが買えました。記載されていないものを見るのは難しくて判断を誤ることもたくさんですが、そこんところは変えずに行きたいと思っています。

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