アップル決算は予想超えでも株価急落!iPhone売上17%増の裏で浮上した新たなリスク

✨ この記事でわかること

  • アップルの2026年度第4四半期決算は売上高1,145億ドル、EPS2.10ドルと市場予想を上回りました。
  • iPhone売上高は前年同期比約17%増加しましたが、メモリー価格の高騰によって利益率に下押し圧力がかかっています。
  • 次四半期の売上高見通しも市場予想を上回ったものの、株価が下落した背景と今後の注目点を解説します。

アップル(AAPL)が11月2日に発表した2026年度第4四半期決算(2026年7〜9月期)は、売上高と1株利益(EPS)がともに市場予想を上回る好決算となりました。

特にiPhone事業は前年同期比約17%の増収を記録し、Mac事業も力強く成長しました。

しかし、決算発表後の時間外取引では株価が一時約4%下落しました。会社が示した年末商戦期の売上高見通しも市場予想を上回っていたにもかかわらず、投資家の反応は厳しいものでした。

背景には、すでに高まっていた業績期待に加え、AI需要の拡大によるメモリー価格の高騰と、利益率への懸念があります。

売上高1,145億ドル、EPS2.10ドルで市場予想を上回る

アップルの2026年度第4四半期決算は、売上高が前年同期比約12%増の1,145億ドルとなりました。

主な決算数値は次のとおりです。

項目実績市場予想
売上高1,145億ドル1,134億ドル
EPS(希薄化後)2.10ドル1.99ドル
純利益307.1億ドル—
売上総利益率47.9%—

EPSは前年同期から約14%増加し、純利益も約12%増加しました。

アップルは2026年度通期でも約4,790億ドルの売上高を達成し、過去最高を更新しました。

今回の希薄化後EPSは2.10ドルでしたが、関税還付による約0.05ドルの押し上げ効果が含まれています。この一時的な効果を単純に除くと、EPSは約2.05ドルとなります。ただし、これは概算であり、会社が正式に発表したNon-GAAP EPSとは区別する必要があります。

売上高と利益の成長は確かに力強いものの、そのすべてが本業の収益力改善によるものではない点には注意が必要です。

iPhone売上高は17%増、Macも24%成長

今回の決算で最も重要な数字は、iPhone事業の増収率です。

iPhone売上高は約576億ドルとなり、前年同期から約17%増加しました。市場予想の566億ドルも上回っています。

iPhone 18 Proシリーズの販売が好調で、高価格帯モデルへの需要が業績を支えました。

また、Mac売上高は107.9億ドルとなり、前年同期比約24%増加しました。市場予想の98.1億ドルを大きく上回っています。

一方、すべての事業が順調だったわけではありません。

事業売上高市場予想評価
iPhone約576億ドル約566億ドル予想超え
Mac約107.9億ドル約98.1億ドル予想超え
サービス約315.7億ドル約315.9億ドル小幅未達
iPad約62.3億ドル約69.9億ドル予想未達
ウェアラブル等約83億ドル約89.5億ドル予想未達

サービス事業は過去最高の売上高を記録しましたが、市場予想にはわずかに届きませんでした。

iPadは前年同期比約10%減収、ウェアラブル等も約8%減収となりました。

つまり、今回の好決算はiPhoneとMacの成長に大きく依存しており、製品カテゴリー全体に強さが広がっているわけではありません。

関連記事:【アップル新時代】iPhone 18が映すジョン・ターナスCEOの勝算と「AI」という弱点

最大の懸念はメモリー価格の高騰と利益率の低下

今回の決算で投資家が特に警戒したのは、利益率の動向です。

アップルの売上総利益率は47.9%となり、前四半期の50.1%から2.2ポイント低下しました。

しかも、今回の利益率には関税還付による約1ポイントの押し上げ効果が含まれています。

バロンズによると、ジョン・ターナスCEOは決算説明会で、現在のメモリー価格の上昇を前例のないものと説明しました。

AIデータセンターへの投資が急増していることで、メモリーチップの需要が供給能力を上回り、スマートフォンやパソコンに使用される部品の調達コストも上昇しています。

ターナスCEOは、2026年10〜12月期(2027年度第1四半期)にはさらに高いメモリーコストを見込み、その後も調達価格の上昇が続くとの認識を示しました。

アップルは高価格帯製品への販売シフトによってコスト上昇を吸収しようとしていますが、部品価格の上昇が長期化すれば、利益率への影響は避けられません。

AIブームの恩恵を受ける半導体企業とは対照的に、アップルにとってAI投資の拡大が部品コストの上昇という逆風になっている点は重要です。

次四半期の売上高見通しは7〜10%増、それでも市場の期待には届かず

アップルは、年末商戦を含む2027年度第1四半期(2026年10〜12月期)の売上高について、前年同期比7〜10%増を見込んでいます。

市場予想の約5.8%増を上回る見通しです。

それでも投資家が厳しい反応を示した背景には、決算前から高まっていた業績期待があります。

バロンズは、アップル株が2026年に入ってから大きく上昇し、予想PERも歴史的に高い水準にあったことを指摘しています。

こうした状況では、市場予想を上回るだけでは十分ではなく、さらに強い成長見通しが求められます。

今回の決算は、アップルの事業が引き続き堅調であることを示しました。しかし、株価の高い評価をさらに押し上げるほどの材料にはならなかったと考えられます。

関連記事:アップル株に27%下落リスク!AI株急落を回避した勝ち組にアナリストが警告

新型iPhone Duoの需要が今後の成長を左右する

今後のアップルの成長を考えるうえでは、折りたたみ式スマートフォン「iPhone Duo」の販売動向も重要です。

同製品は10月に発売されたため、今回の7〜9月期決算には売上高が含まれていません。

価格は1,999ドルからと高額ですが、発売後の需要は強く、一部では供給制約も発生しています。

アップルは、高価格帯モデルの販売拡大によって平均販売価格を引き上げる戦略を進めています。

この戦略が成功すれば、スマートフォン市場全体の販売台数が大きく伸びなくても、売上高を増加させることが可能です。

ただし、iPhone Duoについては一部ユーザーから画面の破損などの問題も報告されており、製品の品質と供給能力の改善が課題となっています。

関連記事:アップル「iPhone Ultra」は2,000ドル超へ!折りたたみ×AIで狙う次の成長戦略

投資家が今後注目すべき3つのポイント

今回の決算を踏まえると、次の3点がアップルの株価を左右する重要な材料となります。

第一に、年末商戦でのiPhone 18 ProシリーズとiPhone Duoの販売実績です。会社が示した売上高7〜10%増という見通しを達成できるかが注目されます。

第二に、メモリー価格上昇による利益率への影響です。高価格製品への販売シフトで部品コストの上昇をどこまで吸収できるかが、収益性を判断する重要な指標となります。

第三に、現在の高い株価評価を正当化できる成長が続くかです。売上高とEPSの成長が鈍化すれば、投資家が許容するPERが低下する可能性があります。

まとめ:好決算でも株価が下落するアップルの難しさ

今回のアップル決算は、事業そのものの強さを改めて示しました。

iPhone売上高は17%増加し、Macも24%成長しています。サービス事業も過去最高の売上高を記録しました。

一方で、メモリー価格の高騰によって利益率に圧力がかかり、投資家の高い期待を十分に満たすことはできませんでした。

重要なのは、アップルの業績が悪化したから株価が下落したわけではないという点です。

むしろ、好業績を前提として株価がすでに高く評価されていたため、予想を上回る決算でも失望売りにつながったと考えられます。

今後は、iPhoneの販売成長が持続するかに加え、部品コストの上昇を抑えながら利益率を維持できるかが、アップル株の評価を左右することになります。

情報ソース

企業公式資料・一次情報

報道・市場情報

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

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