AIネットワーキング株の本命はどれか 光通信と銅線の勝者を徹底分析

  • 2026年4月13日
  • 2026年4月13日
  • BS余話

AI(人工知能)の進化が止まらない中、投資家の関心は「次にどのハードウェアが覇権を握るのか」という点に集まっています。しかし、AIサーバーの内部やデータセンターを繋ぐ「血流」とも言えるネットワーキング技術において、市場の評価には大きな歪みが生じているようです。

本記事では、最新のアナリストレポートに基づき、AIネットワーキング市場における「銅線(AEC) vs 光コンポーネント(CPO)」の未来と、関連企業の将来性について独自の視点で分析します。

パイの拡大:勝者総取りではない「980億ドルの巨大市場」

多くの投資家は「古い技術である銅線は、いずれ光通信に駆逐される」というゼロサムゲームの罠に陥りがちです。しかし、この見立ては近視眼的だと言わざるを得ません。

米国みずほ証券のアナリスト予測によれば、AIネットワーキング(ケーブルおよびスイッチ)市場は2029年に980億ドル規模、そのうちデータセンターケーブル市場だけでも約220億ドル規模に達するとされています。エヌビディア(NVDA)のジェンスン・フアンCEOも先月のGTCでネットワーキング技術の重要性に言及していますが、これはAIモデルの巨大化に伴い、データ転送のボトルネック解消が急務となっているためです。

結論から言えば、この巨大な市場成長は「短距離の銅線」と「長距離・高効率の光通信」の双方に十分な恩恵をもたらすパイの大きさを持っています。

究極のコントラリアン(逆張り)銘柄:クレド・テクノロジー

今回のデータから読み取れる最も興味深い投資機会は、クレド・テクノロジー(CRDO)にあります。

同社の年初来株価は17%の下落となっており、市場は「光技術の台頭による銅線の衰退」というシナリオに怯え、同社を過小評価しているように見えます。しかし、事業のファンダメンタルズと株価の動きには明らかな乖離があります。

  • 強烈なトップライン成長の予兆: 主要クラウドプロバイダーへのAEC導入が拡大しており、2028年にはAECの収益が2025年比で5〜6倍となる50億〜60億ドルに達する可能性が指摘されています。
  • 単価上昇による利益率の改善: 次世代1.6T銅ケーブルへの移行により、平均販売価格(ASP)が約50%上昇する見込みです。これは、単なる量的な拡大だけでなく、質的(利益率)な飛躍を意味します。
  • エヌビディアのロードマップとの連動: エヌビディアが次世代のルービン・プラットフォームへ移行することは、高速データ転送の需要をさらに押し上げます。

短距離の接続においてコストと信頼性に優れる銅線(AEC)は、今後数年間はデータセンター内で揺るぎない地位を築くと予測されます。現在の株価の下落は、絶好の押し目買いのタイミングを提供していると分析できます。

*過去記事「2026年の最優先推奨銘柄!クレド・テクノロジーがAI株の本命とされる理由

モメンタムに乗る光通信:ルメンタムとコヒレント

一方で、光通信関連銘柄はAIブームの「本命」として、強烈なモメンタム(順張り)を形成しています。

  • ルメンタム・ホールディングス(LITE):年初来で143%の急騰。
  • コヒレント(COHR):年初来で67%上昇。先週の金曜日(4月10日)には株価が8.2%上昇し307.50ドルを付け、J.P. モルガンが新たに設定した目標株価(300ドル)をあっさりと上抜けています。

この株価急騰の背景にあるのは、GPUなどのチップと同じパッケージに光トランシーバーを統合する「CPO(Co-packaged optics)」技術への期待です。AIの計算負荷が指数関数的に増大する中、消費電力の削減と帯域幅の拡大は至上命題です。

ただし、投資戦略としては注意が必要です。コヒレントがアナリストの目標株価をすでに超過している点や、ルメンタムの140%を超える急騰を踏まえると、これらの銘柄にはすでに数年先の成長シナリオが「織り込み済み」である可能性が高いと考えられます。ここからの新規参入は、ボラティリティに対する高い耐性が求められます。

総括:ポートフォリオの最適解

市場は「光」の未来に熱狂するあまり、「銅」の確実なキャッシュフロー創出能力を軽視しています。

成長のモメンタムを狙うならルメンタムやコヒレントなどの光関連ですが、バリュエーションの観点から最もアップサイド(上昇余地)の妙味があるのは、悲観論に沈みながらも数倍の収益成長シナリオを秘めたクレド・テクノロジーであると言えます。次世代AIインフラへの投資は、この両極端な特性を理解した上でアプローチすることが成功の鍵となります。

情報ソース: MarketWatch: “It’s been one of Wall Street’s most heated AI debates — and it may be totally missing the point” (By Britney Nguyen, April 11, 2026)

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

*過去記事「エヌビディアGTC 2026で見えた次の主役 AI株は「チップ」から「インフラ」へ

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