量子コンピューター株の本命はどこ?イオンキュー・リゲッティ・ディーウェーブが挑む「次のAI革命」

  • 2026年3月7日
  • 2026年3月7日
  • BS余話

量子コンピューティング分野は、未来のテクノロジーとして長らく注目を集めていますが、実際のビジネスや技術開発はどの程度進展しているのか気になるところです。

本記事では、米メディアで報じられた最新の事実情報から、上場している量子コンピューティング専業企業であるイオンキュー(IONQ)ディーウェーブ・クオンタム(QBTS)リゲッティ・コンピューティング(RGTI)などの現状を分析し、その将来性を考察します。

イオンキュー:商業化のフロントランナーとしての立ち位置

イオンキューは現在、技術開発だけでなく商業化のフェーズにおいて他社を一歩リードしている印象を受けます。

  • グローバルな顧客獲得能力: 韓国の研究センターへの第5世代マシンTempoの販売実績は、同社の技術がすでに実用的な研究インフラとして国際的に評価されている証左と言えます。
  • 未来への期待値の高さ: スイスのクアンタムバーゼルとの長期提携において、開発中である第6世代マシンへのアクセスが含まれている点は非常に重要です。これは、顧客が現在の製品だけでなく、イオンキューの将来の開発ロードマップに対しても強い信頼と資金を投じていることを意味します。
  • アナリストの評価: アナリストによる目標株価は40ドルから65ドルの間で幅があるものの、レーティングはOverweight(強気)やBuy(買い)が維持されています。一部で目標株価の引き下げ(80ドルから65ドル)が見られるものの、全体としては同社の着実な収益化への道筋がウォール街から高く評価されていると推測されます。

*過去記事「イオンキュー株20%急騰の裏側:売上爆増と7億ドル赤字が示す量子覇権の真実

ディーウェーブ:基盤技術の強化とエコシステム構築

ディーウェーブの直近の動きからは、短期的な業績よりも、長期的なスケーラビリティ(拡張性)の確保と業界標準を狙う戦略が透けて見えます。

  • 課題解決への投資: 第4四半期の業績が事前予測を下回った点は短期的なマイナス材料ですが、同時にクアンタムサーキッツの買収やオンチップ温度制御技術の開発を進めています。量子コンピューターの最大の壁である安定性と拡張性の確保に対して、買収という外部リソースの取り込みも含めてアグレッシブに解決を図っている姿勢は、中長期的な競争力強化に繋がると考えられます。
  • コミュニティの育成: 年次カンファレンスQubits 2026の開催は、単なる技術発表の場にとどまらず、デベロッパーやユーザーのコミュニティを自社主導で構築しようという意欲の表れです。ハードウェアが成熟した際、このエコシステムが強力な参入障壁として機能する可能性があります。

リゲッティ:強靭な開発体制と着実なマイルストーン消化

リゲッティは、ディープテック企業につきものの開発の壁に直面しつつも、それを迅速に乗り越えるエンジニアリング力の高さを示しています。

  • 遅延の最小化と問題解決能力: 新システムCepheus-1-108Qの納入が当初目標(2025年末)から約3ヶ月遅れ、3月末に変更されました。しかし、ハードウェア開発において数ヶ月の遅延は決して珍しくなく、むしろ技術的課題をすでに解決済みである点は高く評価できます。
  • ブレない長期ビジョン: このような短期的な遅延がありながらも、2026年末までにさらに大規模なコンピューターを納入するという長期目標を崩していません。これは、同社の根幹となるアーキテクチャ設計自体には致命的な欠陥がなく、ロードマップに対する経営陣の強い自信の表れと分析できます。

総括:市場に好感される中長期的なポテンシャル

3月6日の米国市場(昼過ぎ時点)において、ディーウェーブが3.13%高、リゲッティが2.74%高、そしてイオンキューが1%高と、量子専業各社は揃って強い上昇を見せています。

これまでハイテク株全体の地合いに左右されがちだった量子専業銘柄ですが、直近の決算発表や着実な技術的進捗が市場に好感され、独自の強い買い意欲を集めていることが伺えます。各社のアプローチや進捗スピードは異なりますが、いずれも着実に技術の壁を越え、商業化の階段を上り始めていることは間違いありません。

情報ソース: Barron’s: “Why Earnings From Quantum Pure-Plays Like IonQ Have Wall Street Salivating So Much” (By Mackenzie Tatananni, March 06, 2026)

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

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