2025年最新版｜S&P500高配当株ランキング：利回り9％超の注目銘柄とは？

2025年4月現在、S&P500構成銘柄の中で高配当を誇る企業の顔ぶれに変化が見られています。特に化学メーカーや伝統的な資産運用会社が上位に名を連ねており、インカム投資家にとって注目すべき動きとなっています。

配当利回りトップはダウとライオンデルバセル

最も高い配当利回りを誇るのは、ダウ（DOW）とライオンデルバセル・インダストリーズ（（LYB）です。いずれも化学メーカーで、ダウの利回りは9.7%、ライオンデルバセルは9.2%と、どちらも10%に迫る高水準です。両社の株価は過去12カ月で大きく下落しており、ダウは約50%減の29ドル、ライオンデルバセルは約40%減の57ドルとなっています。

それにもかかわらず、両社とも2025年第1四半期の決算発表で配当維持に前向きな姿勢を見せる見込みです。ダウのジム・フィッタリングCEOは「業界をリードする配当を含む資本配分の優先事項を実現する自信がある」と述べており、年間配当2.80ドルと2025年予想利益1.25ドルを上回る中でも強気の姿勢を崩していません。

一方、ライオンデルバセルでは、2025年初頭の決算説明会でマイケル・マクマリーCFO（退任済）が「配当成長の実績をさらに伸ばす準備ができている」と述べました。

製薬・通信大手も依然として高利回り

製薬大手のファイザー（PFE）は、現在株価が22ドル前後と低迷していることもあり、配当利回りは7.7%に達しています。2025年第1四半期決算で、デイビッド・デントンCFOは「配当を維持・増加し、2025年末までに負債削減目標を達成することに尽力する」と述べました。

通信企業ではアルトリア・グループ（MO）とベライゾン・コミュニケーションズ（VZ）が引き続き高い配当利回りを維持しています。アルトリアは約10%上昇して57ドル、配当利回りは7%。ベライゾンは7%上昇し43ドル、利回りは6.3%です。一方、AT&T（T）は株価が60%上昇し26ドルになったことで利回りは4%に低下し、上位20銘柄から外れました。

資産運用会社も高配当株として注目

資産運用業界ではインベスコ（IVZ）、フランクリン・リソーシズ（BEN）、T.ロウ・プライス・グループ（TROW）の3社がS&P500の配当利回り上位に名を連ねています。

インベスコは第1四半期に調整後利益が33%増の44セントとなり、株価は13.65ドルへと上昇しました。四半期配当も20.5セントから21セントへ引き上げられ、利回りは6.2%となっています。

T.ロウ・プライスの株価は85ドルと約8年ぶりの低水準で、利回りは6%。CEOのロバート・シャープ氏は「配当維持を最優先事項としつつ、流動性や戦略的投資にも資本を振り向けていく」と説明しました。

フランクリン・リソーシズは利回り7%超で、配当については今年初めの決算説明会では触れられませんでしたが、「収益やその他要因に基づき、定期的な四半期配当の継続を予定している」とSECへの提出書類で明記しています。

配当維持に挑むUPS

ユナイテッド・パーセル・サービス（UPS）の株価は97ドル前後と過去1年間で32%下落しており、配当利回りは約7%に達しています。2025年の配当性向は90%近くと見られており、CEOのキャロル・トメ氏は「50%という目標を上回っているが、配当支払いに十分な流動性がある」と説明しています。

高配当銘柄の今後に注目

2025年に入り、配当利回りの高い企業は一部株価下落による受動的な利回り上昇に起因しているケースもありますが、各社とも配当維持への強い意思を見せています。投資家にとっては、株価水準だけでなくキャッシュフローや配当性向にも注目しながら、インカム収益の安定性を見極めることが重要です。

S&P500高配当株ランキング（2025年4月時点）

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