非上場で60億ドル調達!イーロン・マスク支援のX.AIが描く未来戦略

  • 2024年12月9日
  • 2024年12月9日
  • BS余話

イーロン・マスク氏が支援するX.AIは、チャットGPTの親会社であるOpenAIと競合する企業として注目を集めています。最近、X.AIは非上場のまま97名の投資家から合計60億ドルの資金を調達したことが、提出書類により明らかになりました。今回のラウンドは11月22日に最初の販売が記録され、その後わずか数日で終了したとされています。

IPO減速とX.AIが示すプライベート市場の動向

2021年以降、新規株式公開(IPO)を行う企業は減少している状況です。一方、今年初頭に実施されたレディット(RDDT)のIPOや、低金利、投資家の信頼感回復などが相まって、2025年にIPOが再活発化する可能性が指摘されています。ただし、X.AIのような有望スタートアップが非公開市場で容易に資金を調達できる状況が続くことで、上場を急ぐ必要性は低下しているようです。

スペースXは非上場維持の傾向

X.AIより前には、マスク氏が支援するスペースXが非公開のまま巨額の資金を集め続けている事例もありました。スペースXは民間市場で約3,500億ドル規模の資金調達を計画していると報じられています。非公開市場での投資家需要が高まるなか、X.AIやスペースXのような企業は上場せずとも成長資金を確保する戦略を続けている状況です。

大手テック企業が公開市場を避ける理由

大規模なテクノロジー企業は、上場によって生じる規制コストや、市場全体の売り圧力によって企業独自の業績とは無関係に株価が下落するリスクを避けたいと考えているようです。そのため、非上場での資金調達戦略は、長期的な成長を見据える企業にとって魅力的な選択肢となっているといえます。

X.AIのスーパーコンピューター拡張計画

X.AIは6月に公表した計画を拡大し、メンフィスで「Colossus」と呼ばれるスーパーコンピューター施設をさらに拡張することを発表しました。グレーター・メンフィス商工会議所の声明によれば、X.AIは地域史上最大規模の資本投資として、少なくとも100万台のグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)の構築を目指すとしています。

エヌビディア、デル、スーパーマイクロもメンフィスへ進出

メンフィスは「デジタル・デルタ」と呼ばれており、エヌビディア(NVDA)、デル・テクノロジーズ(DELL)、スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)といった企業が同地域への進出や拠点強化を計画しています。これらの動きにより、メンフィスはテクノロジー分野における重要拠点として存在感を高めているといえます。

X.AIの過去の資金調達と成長

X.AIは今年5月に139人の投資家から50億ドルを調達しており、2023年12月には約1億3,500万ドルを調達した実績があります。こうした資金調達により、X.AIは非上場のままでも多額の資金を確保し、長期的な戦略を見据えた成長路線を着実に進めていると考えられます。

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