AIデータセンターの電力需要増加がもたらす投資チャンス

近年、人工知能(AI)の急速な進化と普及に伴い、AIデータセンターの電力需要が急増しています。バーンスタインのアナリスト、チャド・ディラード氏は、この電力需要の増加が米国の電力インフラに大きな影響を与え、投資の機会を提供すると述べています。

AIデータセンターの電力需要

ディラード氏によると、AIデータセンターは従来のデータセンターに比べてはるかに多くの電力を消費します。同氏は、AIが米国の電力需要の増加率を倍増させ、今後2年間で総消費量が供給量を上回る可能性があると予測しています。この増加は、特に2030年までに世界中で年間5%、米国では年7%の成長が見込まれています。

投資のチャンス:クォンタ・サービシズ

ディラード氏は、電力インフラのアップグレードに関連する企業にとって、この状況は一世一代のチャンスであると指摘しています。その中でも、同氏の「トップ・ピック」はクォンタ・サービシズ(PWR)です。クォンタは大規模な送電、再生可能エネルギー、インフラプロジェクトを手掛けるエンジニアリング・建設会社であり、今後の電力インフラ建設によって2030年までに総収入が90億ドル増加し、その間の売上が10%上昇すると予想されています。

クォンタ・サービシズは、米国の送電網の容量を追加するために必要な労働力と変圧器の容量という2つの主要なボトルネックに対処しているため、最適なポジションにあるとディラード氏は述べています。

クォンタの評価

ディラード氏はクォンタの格付けを「アウトパフォーム」とし、目標株価を287ドルとしています。7月2日の終値は247.61ドルであるため、16%の上昇余地がある目標株価となっています。2023年の売上は209億ドルでしたが、今後の成長が期待されています。

その他の注目企業:キャタピラーとカミンズ

ディラード氏は、エンジンと発電装置の製造で知られるキャタピラー(CAT)カミンズ(CMI)も電力インフラ拡大の恩恵を受けると予想しています。これらの企業は、それぞれ2030年までに50億ドル以上の増収が見込まれています。

キャタピラーとカミンズの評価

キャタピラーは2023年の売上高が671億ドル、カミンズは341億ドルでした。ディラード氏は、両社を「マーケット・パフォーム」と評価し、目標株価をそれぞれ299ドルと321ドルとしています。

まとめ

AIデータセンターの電力需要の増加は、電力インフラのアップグレードを必要とし、関連企業にとって大きな投資チャンスを提供しています。クォンタ・サービシズ、キャタピラー、カミンズなどの企業は、この需要増加に対応するためのプロジェクトを進めており、今後の成長が期待されます。

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