エヌビディアのファンCEO直言:AIの現状とAGIへの道のり

米半導体大手エヌビディア(NVDA)のジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)は3月19日、開催中の開発者会議「GTC」における記者会見で以下の問題にコメントしています。

AIの「ハルシネーション」問題に対する解決策

ファンCEOは、AIが時として質問に対して不正確な回答を提供する傾向、いわゆる「ハルシネーション」の問題についてコメントしました。同氏はこの問題を「非常に解決可能」とみなしており、解決策として「retrieval augmented generation(RAG)」プロセスを提案しています。このアプローチでは、AIが単に回答するだけでなく、最適な回答を判断するために調査を行うことに重点を置いています。これにより、AIはユーザーのためにデータを要約するリサーチ・アシスタントとして機能することができます。

地政学的関係と中国市場

さらにフアンCEOは、中国市場へのサービス提供において、コンプライアンス(法令遵守)とレジリエンス(回復力)の両方に焦点を当てる必要があると述べました。これは、緊迫した地政学的関係を踏まえたものであり、同社の製品が中国製の部品を多く使用していることから、特に重要な指摘です。

人工知能の未来:AGIの登場

最後に、フアンCEOは5年以内に「汎用人工知能(AGI)」の出現を予想しています。ただし、この予測は「AGI」をどのように定義するかに大きく依存すると同氏は付け加えました。

一般的に多くの人々がAGIを考える際には、自律的に思考する、つまり「自我」を持つソフトウェアというイメージを持ちがちですが、ファンCEOの回答は、AGIの到来を明確に定義することの難しさを示唆しています。

同氏は、AGIに多岐にわたる知識があることを明確にするアプローチを提案しました。AGIを「数学テスト、読解テスト、論理テスト、医学試験、弁護士資格試験、GMAT、SATなど、あらゆるテスト」で、ほとんどの人間を上回る成績を収めることができるものとして定義するならば、コンピューターが5年以内にそれを達成できるかという質問に対しては「おそらくはい」と答えるだろうと述べています。

しかし、単に「汎用知能」という定義に留まる場合、その答えはより不透明であると同氏は付け加えています。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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