「エヌビディアの株価急上昇は不正行為によるもの?」専門家が完全否定

エヌビディア(NVDA)の株価が年初から222%も上昇したことに関連して、「株価を操作しているのでは」といった陰謀説がソーシャルメディアで広まっているそうです。

バーンスタインのアナリスト、ステイシー・ラスゴン氏はこうした陰謀説の主張がほとんど「子供っぽい」ものであり、投資の判断材料をツィッターからランダムに取り入れないよう警告しています。

現在一部で広まっている陰謀説のひとつが、エヌビディアの売上が前年比で2倍以上増加した一方で、売上原価はわずか7%しか増えていないため、「何かがおかしい」という主張です。

しかしラスゴン氏はこれを「ナンセンス」と断言。前年の同期間にエヌビディアは13億4000万ドルの費用を計上しましたが、このうち約12億2000万ドルは在庫引当金として計上されたもので、これが売上原価に影響を与えたと説明しています。この費用を除外すると、売上原価は前年比で約70%増加しており、データセンターの売上が前年同期比で好調であったことを考えると、これは「まったく普通のこと」であったとラスゴン氏は述べています。

もう一つの広まっている陰謀説は、GPUクラウドベンダーのCoreweave Inc.が最近、ブラックストーンとMagnetar Capitalが主導する20億3000万ドルの債務融資の担保としてエヌビディアのAI半導体をリスト化したことに関連しています。

エヌビディアがCoreweaveに投資していることから、インターネットのうわさはどうやら、エヌビディアがこの取引を利用して四半期のデータセンターの売り上げを不正に増加させたと暗示しているようです。

しかし、ラスゴン氏はこれも「ナンセンス」と言い切ります。同氏によれば、エヌビディアは四半期の数字を不正に増加させるためにCoreweave(または他のどんな企業)からの支援は必要なかったし、この負債枠は(四半期が終了した後の)8月3日に発表されたもので、導入はまだ行われていない可能性が高いと指摘しています。

また、エヌビディアがCoreweaveだけでなく、Hugging Face Inc.やActiv Surgical Inc.、AI21 Labs Ltd.、Skydio Inc.、Superluminal Medicines Inc.など他のAIスタートアップにも投資していることを同氏は指摘しています。

こうした陰謀説を元にエヌビディア株の空売りを行おうとの呼びかけがソーシャルメディアで目につくそうですが、「それらは大部分、下らないものだ」とラスゴン氏は述べています。

同氏はエヌビディアの格付けを「アウトパフォーム」とし、目標株価を675ドルに設定しています。ファクトセットによれば、エヌビディアをカバーする51人のアナリストのうち、47人が「買い」、4人が「ホールド」と評価。平均目標株価は649.22ドルとなっており、9月6日の終値470.61ドルから38%の上昇の余地があると見ています。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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