ナスダック100の特別リバランス: ハイテク企業が市場に及ぼす影響とは?

  • 2023年7月11日
  • 2023年7月11日
  • BS余話

ナスダック100はこのところ、特定の大手ハイテク企業、特にアップル(AAPL)やマイクロソフト(MSFT)などが大きすぎる影響を及ぼしているという問題に直面しています。これにより、リバランス(再配分)が必要となってきました。

ハイテク企業がナスダック100にもたらす影響

今年はテクノロジー株が劇的に上昇しましたが、その一部は市場で最も高く評価されているハイテク企業の大きな成長によるものです。これは、ナスダック市場で取引される大手企業100社を追跡するナスダック100株価指数に特別な影響を及ぼしています。これら大手ハイテク企業がナスダック100の指数ウェイトを占める割合が大きいため、その価格動向が指数全体に大きな影響を及ぼしています。

ナスダック100の特別リバランスとは?

ナスダックは、「インデックスの完全性を維持するために必要であると判断される場合には、いつでも特別なリバランスを行うことができる」としていますが、今回、指数の「過集中」に対処するために、ナスダック100のウェイトを特別にリバランスする計画を発表しました。

ナスダック100に連動する投資信託の残高は2021年末現在で3000億ドルを超え、現在その総額はさらに増えていると考えられます。これは、インデクサーが最大構成銘柄の保有株を一部売却し、他の銘柄のポジションを増やす必要があることを示しています。

特別リバランスの影響

ナスダック100種指数は今年37%上昇していますが、その大半は指数を支配する大手企業の株価上昇によるものです。その中でも特にウェイトの大きい銘柄は、マイクロソフト(指数の12.9%)、アップル(12.5%)、アルファベット(7.4%)、エヌビディア(7.0%)、アマゾン(6.9%)、テスラ(4.5%)です。これらの銘柄が過度にウェイトを占めているため、その価格動向が指数全体に大きな影響を与えています。

今後の見通し

ナスダックは過去に2回(1998年12月と2011年5月)特別リバランスを実施しています。ナスダックの規則では、指数に占めるウェイトが4.5%を超えるすべての銘柄が48%を超えた場合、ナスダックは指標のリバランスを行うと定めています。リバランスの過程で、ウェイトが4.5%以上の銘柄の合計ウェイトは40%に設定されます。

よって今回は上記6銘柄すべてのウェイトが調整される可能性が高そうです。特に年初から見ると、アップルが45%、マイクロソフトが38%、アルファベットが32%、アマゾンが51%、エヌビディアが188%、テスラが118%と大幅に上昇しており、これらの銘柄がリバランスの対象になると予想されます。

特別リバランスは7月3日時点の指数と株価に基づいて行われ、詳細は7月14日に発表され、7月24日に有効となります。

ナスダック100の特別リバランスは、市場の健全性を保つための重要な手段であり、大手ハイテク企業の価格動向が指数全体に及ぼす影響を抑制することで、より広範な市場動向を反映することが期待されます。このリバランスの結果とその影響に注目し続けることが、投資家にとって重要となります。

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