一時的な減速が見られる今がクラウドに投資するチャンス

今話題の対話型AI「ChatGPT」にクラウド・コンピューティングの将来について質問したことろ、こんな答えが返ってきました。

クラウド・コンピューティングは、将来においてさらに普及が進み、ビジネスや業務の多くがクラウド上で実行されるようになると考えられています。インターネットの普及や、データの蓄積、複雑化するアプリケーションなどが背景にあります。また、人工知能や機械学習技術も進化し、クラウド上での利用が増えることが予想されています。さらに、クラウド・コンピューティングは、従来の IT インフラを置き換えるとともに、新たなビジネスチャンスを生み出すことが期待されています。

そう、まさにこの答えのとおり、クラウド・コンピューティングの前途は洋洋で不況の影響はあまり受けないと考えられてきました。しかし、そんな見通しに不安材料を与えたのが、1月24日に発表されたマイクロソフト(MSFT)の第2四半期決算でした。

投資家向けの電話会議でマイクロソフトのエイミー・フッドCFOは、Azureを含む同社のインテリジェントクラウド部門の成長率が12月に30%台半ばまで減速したと述べ、3月期にはさらに4~5%ポイントの減速を予想していると述べました。

同部門の成長率はほんの数四半期前まで50%台であったため、それが一気に30%台に落ち込むことを意味するこのコメントは市場の動揺を呼ぶことが懸念されました。

しかし、どうやら市場は冷静にこの見通しを受け止めたようです。使った分だけ使用料を払う消費型の契約をしている顧客は自身のビジネスが減速するにつれて、使用量も減っており、アナリストの予想していた以上に景気の影響を受けるシクリカルな面もクラウド・コンピューティングのビジネスにあることが、マイクロソフトの決算から認識されました。

フランクリン・テクノロジー・ファンドを共同運営するジョナサン・カーティス氏は、このビジネスには1兆ドルのビジネスチャンスがあると考えており、現在その普及率はその4分の1をはるかに下回っていると考えています。

ただ、カーティス氏は、今後発表される決算発表で、すべての企業向け技術ベンダーが顧客に今後の見通しについて明らかにするに連れ、こうした数字は下方修正されるだろうと予想しています。

しかし、だからと言って同氏はクラウド・コンピューティング市場の将来について悲観していません。下方修正後こそ「再び株式選びに着手する好機だ」と同氏は考えており、「デジタルトランスフォーメーション」のトレンドとそこで果たされるクラウド・コンピューティングの役割について強気の姿勢を崩していません。

同氏が運営するファンドはマイクロソフトだけでなく、アマゾン(AMZN)とアルファベット(GOOGL)という他の2つの主要なクラウドベンダーも保有しています。

マイクロソフトがAzureについてコメントしたことから、アマゾンが2月2日に発表する決算発表でもアマゾンのクラウド事業、AWSはいつも以上に厳しい目で見られることになりそうです。

「人々は減速のペースに注目するだろう」とカーティス氏は述べていますが、昨年7月に「アマゾンの未来を牽引するAWSの実力と可能性」でご紹介したレッドバーン・リサーチのアナリスト、アレックス・ハイスル氏は現在もAWSの価値を高く評価しています。

同氏は、市場がまだAWSの価値を過小評価していることを確信しており、成長は再加速し、最近の減速のほとんどは「一時的・循環的」な変化を反映していると最近のメモの中で主張しています。

昨年7月にAWSには3兆ドルの価値があると断言していた同氏は、「その後、成長率とマージンが悪化し、多くのことが起こり、投資家はますます事業の構造的成長に疑問を抱くようになった」と認めているものの、この問題を「構造的な減速」と見るのは間違っているとし、AWSは長期的には3兆ドルの価値があると、今も考えていると述べています。

フランクリン・テクノロジー・ファンドのカーティス氏はクラウドへの賭けを分散させています。同氏のファンドは、クラウドベースのデータベースプロバイダーであるモンゴDB(MDB)、クラウド基盤プロバイダーのクラウドフレア(NET)、分析・AIソフトウェアプロバイダーのスノーフレーク(SNOW)、データストリーミング・プラットフォームのコンフルエント(CFLT)の株式も保有しています。

「従来の IT インフラを置き換えるとともに、新たなビジネスチャンスを生み出す」クラウド・コンピューティングの長期的なトレンドを信じるならば、成長の鈍化が見られる今が、これらの銘柄に投資する絶好のチャンスと言えそうです。

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