スペースX株は底打ちしたのか?ロックアップ解除後の急反発と今後の株価を分析

2026年6月12日の新規株式公開(IPO)以来、スペースX(SPCX)の株価は激しい値動きを続けています。

上場直後には200ドルを突破したものの、その後は急落。一方、8月に入ると市場が警戒していたロックアップ解除をきっかけに、予想とは反対に株価が急反発しました。

スペースX株は本当に底を打ったのでしょうか。

本記事では、IPO後の株価推移や浮動株の変化、ロックアップ解除による需給への影響、さらに今後予定されているイベントを整理しながら、スペースX株の今後を考察します。

上場直後に約30%下落したスペースX株

スペースXは2026年6月12日にIPOを実施しました。

株価は上場直後に買いを集め、6月16日には終値ベースで201.80ドルの最高値を記録しました。しかし、その後は一転して下落基調となり、8月7日の急反発前までに高値からおよそ30%下落しました。

短期間でこれほど株価が下落した背景には、スペースXの事業そのものへの評価だけではなく、株式市場特有の需給問題があったと考えられます。

特に大きかったのが、上場直後の浮動株の少なさです。

当初、公開市場で自由に売買できる株式は、発行済み株式全体の約5%にとどまっていました。

市場に流通する株数が極端に少ない場合、機関投資家がまとまった株数を売買することが難しくなります。また、比較的小規模な売買でも株価が大きく動きやすくなり、ボラティリティが高まります。

スペースX株の上場後の急落は、企業価値の急激な悪化というよりも、こうした特殊な需給環境の影響を強く受けていた可能性があります。

ロックアップ解除後に株価が急反発

市場が次の大きなリスクとして警戒していたのが、8月6日に期限を迎えた最初のロックアップ解除です。

ロックアップとは、IPO前から株式を保有していた経営陣や従業員、既存株主などに対し、上場後一定期間の株式売却を制限する仕組みです。

今回の解除では、約9億1,100万株もの内部者保有株が売却可能になりました。

市場では大量の株式が売却され、株価がさらに下落する可能性が警戒されていました。

ところが実際には反対の動きが起きました。

スペースX株は8月7日に約16%急騰し、続く8月10日も4.2%高の138.74ドルで取引を終えました。

ロックアップ解除による大量売却を警戒していた投資家に対し、実際には想定ほど売りが出なかったことで安心感が広がった可能性があります。

さらに、株価下落を見込んでいた空売り投資家による買い戻しも、上昇を加速させたと考えられます。

浮動株拡大は機関投資家の参入につながるか

もう1つ重要なのが、ロックアップ解除によってスペースX株の流動性が改善したことです。

浮動株は15億株以上まで拡大しました。

これは単なる株式供給の増加ではありません。市場で売買できる株数が増えることで、大口投資家にとってスペースX株を取引しやすい環境が整いつつあります。

浮動株が極端に少ない銘柄では、大量に株式を購入しようとすると自ら株価を押し上げてしまうため、機関投資家は投資しにくくなります。

一方、流動性が高まれば取引コストや価格変動リスクを抑えながら、まとまった資金を投入しやすくなります。

今後、スペースX株の流動性がさらに正常化すれば、これまで様子見を続けていた機関投資家の資金が流入する可能性もあります。

168億ドルのテラファブ計画も株価を支える材料

株価を支えているのは、需給改善だけではありません。

スペースXはテスラ(TSLA)と共同で、テキサス州に168億ドル規模の半導体工場「テラファブ」を建設する計画を発表しました。

巨額の設備投資は短期的には資金負担となりますが、中長期ではスペースXがロケットや衛星通信にとどまらず、AIや半導体を含む巨大なインフラ企業へ発展しようとしていることを示しています。

シティも8月10日のレポートでスペースXの目標株価200ドルを据え置き、2026年と2027年の業績予想を上方修正しました。

8月10日の終値138.74ドルと比較すると、200ドルまでは約44%の上昇余地があります。

もちろん目標株価は将来の株価を保証するものではありませんが、株価が大きく調整した現在でも、ウォール街がスペースXの長期的な成長余地を高く評価している点は注目できます。

次の焦点は8月20日のロックアップ解除

スペースX株がこのまま本格的な上昇トレンドへ移行するかを判断するうえで、次の重要なイベントが8月20日に予定されています。

市場取引開始前に次のロックアップ解除が行われ、従業員やIPO以前からの一般株主が保有する株式の約7%が新たに売却可能になります。

8月6日のロックアップ解除では市場が予想したほど大きな売り圧力は発生しませんでしたが、次回も同じ展開になるとは限りません。

保有株を現金化したい従業員や初期株主による売却が増加すれば、一時的に株価のボラティリティが高まる可能性があります。

一方で、重要なのは株価が下落するかどうかだけではありません。

新たな売りを市場が吸収し、その後も株価が底堅く推移できるかが重要です。

スペースX株はIPO後の急騰と急落を経て、現在は流動性が改善しながら市場が適正な評価を探している段階にあると考えられます。

8月20日のロックアップ解除を大きな混乱なく通過できれば、6月以降続いてきた需給悪化による下落局面が一巡し、本格的な底打ちが意識される可能性があります。

反対に大量の売却によって再び安値を更新するようであれば、需給正常化にはもう少し時間が必要という判断になるでしょう。

今後のスペースX株を見るうえでは、事業成長だけでなく、浮動株の増加と機関投資家の資金流入という「株式市場側の変化」にも注目する必要があります。

情報ソース: Barron’s: “ SpaceX Stock Keeps Rising After Lockup Rally Ahead of the Next Share Unlock” (By Patrick O’Donnell and Anita Hamilton, Aug 10, 2026)

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

*過去記事はこちら スペースX

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