今後に期待したい銘柄:ペイコム・ソフトウェア

ペイコム・ソフトウェア(PAYC)は顧客の人材管理の効率化を支援しています。

HCM(Human Capital Management)プラットフォームには、人材獲得、勤怠管理、給与計算、人事管理などのツールが含まれており、リアルタイムで分析結果にアクセスすることができます。

同社のソフトウェアは、競合他社の製品よりもはるかに効率的であるように作られています。例えば、同社のプラットフォームを利用する人事部門は、従業員の氏名、連絡先、その他のデータをいちいち入力する必要がありません。ペイコムのシステムは、応募者の最初の求人応募からこの情報を取得し、応募者が採用されると、その情報を給与、福利厚生などの各場面で自動的に入力します。

給与計算の管理も同じ方法で行われます。従業員は、ペイコムのセルフサービス型給与計算システムおよびアプリ「Beti」を通じて、各自の時間、手当、税金情報を入力し、給与明細を承認した上で計算が実行されます。Betiは、従業員自身が時間、税金、個人情報を入力・更新するため、雇用主は時間とコストを削減し、より正確な給与計算を行うことができます。

1998年の創業以来、ペイコムは、すべてのサービスが社内のイノベーションに依存するシングルプラットフォームソリューションを提供するというビジョンを堅持しています。一方、オートマティック・データ・プロセッシング(ADP)やペイチェックス(PAYX)などの競合他社は、給与計算やHCMの付帯サービスを提供するために、多数の小規模なサードパーティソフトウェアプロバイダーと提携しています。

現在、多くの企業がHCMのニーズを満たすためにパッチワークのようなソフトウェアに頼っていますが、ペイコムのプラットフォームはオールインワンで機能しており、採用から退職までの従業員のライフサイクルのすべての段階を簡素化するように設計されています。

20年以上にわたって給与計算ソフトウェアのビジネスでシェアを拡大してきたペイコムの財務状況は素晴らしいものです。

直近の四半期では、売上高が前年同期比30%増となり、2022年通年でも30%の成長が見込まれています。ペイコムは非常に収益性の高い企業であり、2022年1月から9月までの売上総利益率は84.7%、純利益率は20%となっています。

将来について2つの点から同社のビジネスが今後も成長を続ける事が予想できます。

その一つは、給与計算ソフト市場が少なくとも2030年まで9%から10%の成長率を維持すると予測されており、ペイコムが2ケタ成長を維持する上での追い風となることです。

そしてもう一つは、給与計算サービス分野全体では同社のシェアがまだ非常に低いことで、ペイコムの年間売上高約14億ドルという額では、同社が参入可能な市場全体のわずか5%しか獲得していないと経営陣は見積もっています。

11月、ペイコムのチャド・リチソンCEOは第3四半期決算説明会で、競合2社の顧客数を合わせると170万社を超えると述べています(約100万社の顧客を持つADPと、約73万社の顧客を持つペイチェックスを指すと思われます)。それに対して、ペイコムの顧客数はわずか3万3,800社に過ぎません。

ペイコムの株価は2022年、年初来で15%近く下落しましたが、それでも1年後の利益の53倍近くというプレミアム付きで取引されています。このプレミアムは、同社の高い売上総利益率と優れた純利益率、そして高い収益成長率に起因しています。割高に見えますが、同社の市場シェアが比較的小さいこと、長期的に競合他社から重要なビジネスを奪う機会があること、そして着実に利益を伸ばしてきた実績を考慮すると、現在のバリュエーションは合理的であると考えられます。

ペイコムのサブスクリプション型の価格モデルは、従業員1人あたりの給与計算に基づくものであるため、不況に突入した場合、米国での給与計算の減少により、同社の収益成長が鈍化する可能性があります。

しかし、より中長期な観点で見た場合、比較的安定した業界環境の中で、健全な成長と幅広い市場機会を持つペイコムのような企業は稀であり、ペイコムへの投資は、市場を驚かせるようなリターンをもたらしてくれることが期待できます。

*過去記事「将来性がありながら見過ごされている、おすすめの成長株2つ

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