「過去10年で最悪の半導体不況に突入」とアナリストが分析、さらに25%下落する可能性も

シティ・リサーチのアナリスト、クリストファー・ダンリー氏は8月30日付けのメモで、「自動車や産業界の最終市場で調整の兆しが見え、景気後退と在庫の積み増しを考えると、ここ10年で最悪の半導体不況に突入したと引き続き考えている」と述べました。

多くのアナリストが、景気後退の懸念からPCやスマートフォンの販売が大幅に冷え込んだことを指摘する一方で、自動車や産業部門が引き続き好調であることを半導体の今後を楽観的に見ることができる理由として挙げていますが、ダンリー氏は、好調なセクターが将来的に弱くなる兆しを見せていると考え、同じようにポジティブな見方をしていません。

同氏は具体例として、マイクロン・テクノロジー(MU)の幹部が自動車や産業界の企業から注文のキャンセルが出ていることを認めたことや、アナログ・デバイセズ(ADI)の幹部がここ数週間で開示した自動車や工業会社からの注文の取り消しなどをあげています。

「生産能力の増強と需要の減退により、自動車や産業用最終市場からのキャンセルを発表する企業がさらに増えると予想される」と同氏は述べています。

自動車や産業用半導体の製造を専門とする企業は、COVID-19の大流行でサプライチェーンが最も大きな打撃を受けたこれらの産業で半導体需要が持続していることから、今年、全体的に良い業績を上げ、その株価もそれほど下がっていません。

しかし、ダンリー氏は「われわれは、あらゆる企業や最終市場は修正されるという信念を持ち続けており、SOX指数は新安値を更新し、さらに25%下落すると予想している」と予想しています。

PHLX半導体指数SOXは過去14年間で最悪の下げ幅を記録する勢いです。今年に入ってからの同指数の下落率は32%で、このまま行けば、年間48%下落した2008年以来の最悪の下落率となります。

現在の約2,700からさらに25%下落すると、SOXは2,020前後となり、2020年7月7日に2,019で取引を終えて以来の安値となります。ファクトセットのデータによると、SOXが最後に過去最高値を記録したのは昨年の12月27日で、4,039.51で取引を終えています。

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