アップル 懸念されるMac販売の減速

キーバンクのアナリスト、トブランドン・ニスペル氏は、7月12日付けのリサーチノートで、アップル(AAPL)ののオーバーウエイトのレーティングを繰り返す一方、目標株価を191ドルから173ドルに引き下げました。

また、通期の売上予想を約40億ドル引き下げて807億ドルにしました。これは現在のアナリストのコンセンサスの826億ドルをはるかに下回るものです。そして、2022年9月期の売上高予測を約100億ドル減の3,885億ドル、2023年9月期は約140億ドル減の4,085億ドルと引き下げています。

ニスペル氏によると、今回の予想引き下げは、ハードウェア、特にMacの低迷を大きく見越したものだとのことです。過去3年間、6月期のハードウェア売上は平均して3月期から前四半期比6%減であり、現在のコンセンサス予想では前四半期比19%減とされていることを同氏は指摘しています。

このことは、コンセンサス予想が低調な四半期を予想していることを示唆していますが、それでも、マクロ環境が厳しくなっていることを考えると、予想はまだ高すぎるかもしれないと同氏は考えています。

アップルのルカ・マエストリ最高財務責任者(CFO)は3月期決算の報告で、6月期には供給制約による売上への影響が40億〜80億ドル、前期の影響より「かなり大きい」と予想していることを投資家に警告していました。また、コロナに関連する中国の操業停止が、同国の顧客需要に何らかの影響を与えているとも述べています。それ以外にも、為替レートの影響により3%ポイント、ロシアでの販売停止により1.5%ポイントのマイナス影響があると同氏はコメントしています。

7月11日には、ガートナーとIDCの両社が、6月期のPC販売について厳しい見方を示しました。IDCは、需要の減少と継続的な供給問題の両方が原因で、同四半期の全世界のPC出荷台数は15.3%減少したと発表しています。ガートナーは、12.6%減とし、過去9年間で最も急激な減少であったと発表しています。

興味深いのは、アップルの第2四半期の出荷台数について、両社の報告書に食い違いがあったことです。ガートナーは、アップルの第2四半期の出荷台数は640万台で、前年同期比9.3%増であると発表しましたが、IDCは、前年同期比22.5%減の480万台としています。アップルは、この2つの推定値についてコメントを控えています。ガートナーはアップルの市場占有率を8.8%とし、IDC社は6.7%と推定しています。

IDCのモバイル機器アナリストであるライアン・リース氏は、この明らかな不一致について質問され、同社はアップルがこの四半期に高い台数を目標としていたが、「ロックダウンと物流悪化のため、その台数は目標を下回った」と聞いていると経済誌バロンズに答えています。さらに、「特に6月は数量が目標を下回り、悪い月となった」と付け加えています。

ガートナーとIDCのデータが違ったのはアップルのみで、デルやHP、レノボなどの他のベンダーについてはデータはほぼ同じだったそうです。

*過去記事はこちら アップル AAPL

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