次に株式分割が期待できるハイテク株3つ

ここ数ヶ月苦戦しているハイテク株ですが、過去10年間の驚異的な成長の結果、かつては低い名目価格で取引されていた多くの銘柄が、今では1株あたり数百ドル、数千ドルの値をつけています。

アマゾン(AMZN)、アルファベット(GOOGL)などはこの問題に対処するため、まもなく1株につき20株の株式分割を実施する予定ですが、同様に名目価格の高さがネックになって、早急に株式分割を実施しなければ、株価によって小口投資家の関心が薄れる可能性があるハイテク株は他にもあります。

次に株式分割が期待できるハイテク株をモトリーフールがピックアップしていますので、ご紹介します。

ASMLホールディング(ASML)

ASMLの株価はこの記事を書いている時点で563ドルあまりで取引されています。株価の高さだけではなく、知名度の点でも同社には課題があります。同社は、最先端の半導体を製造するために不可欠な極端紫外線露光(EUV)装置を半導体のファウンダリーに供給していますが、同社の顧客はこれらのファウンドリーだけであるため、世間にはあまり知られていません。

ASMLはこのEUV装置を製造する唯一のメーカーであるため、需要の増加に対応するために自ら生産能力を拡大しなければなりません。同社の受注残は現在290億ユーロ(約310億ドル)となっています。

第1四半期の売上高は35億ユーロ(38億ドル)、純利益は6億9500万ユーロ(7億4600万ドル)でした。前年同期比で大幅に減少していますが、ASMLは旺盛な需要に対応するため、最終テスト前に一部の装置を出荷しています。同社は最終テストが完了し、顧客が製品を受け入れるまで売上を認識しないため、同社の会計規則では売上認識が一部遅れることになったことがこの減少の原因になっています。

それでもASMLは、2022年に売上高が20%成長すると予測しています。また、株価はピーク時の896ドルから約37%下落していますが、依然として分割の検討を強く促す高い価格のままです。

PER39倍は現在の市場では高く見えるかもしれませんが、今後数年間の業界の成長予測を考慮すると妥当な数字と思われます。単価が下がれば、無名だが必要不可欠な企業として、より多くの投資家を注目を浴びる可能性は高いと思われます。

*過去記事「ASML 売上高の見込みが予想を下回るも株価急騰

ブッキング・ホールディングス(BKNG)

ブッキング・ホールディングスの株価はこの記事を書いている時点で2213ドルあまりで取引されています。今では想像もできませんが、同社の前身である旧プライスラインは、株式分割とは反対の株式併合を行ったことで知られています。株価が1ドルまで下落した後、2003年に1対6の株式併合が承認され、実行されました。

その結果、株価は回復することに成功しました。6月3日に予定されているアマゾンの株式分割が行われた後、同社の株価は市場で4番目に高い銘柄になると予想されています。

旅行業界が回復基調にある今、ブッキングは強力な追い風の恩恵を受ける可能性があります。同社は第1四半期に27億ドルの売上を上げ、前年同期比136%増となりました。前年同期の2億1500万ドルの損失に対し、1億6100万ドルの非GAAPベースの純利益を計上しています。この非GAAPベースの数字には、9億5,500万ドルの持分法による投資損失は含まれていません。

株価は過去1年間で4%下落していますが、ハイテクセクター全般の大きな下落には巻き込まれておらず、S&P500とほぼ同程度のペースで推移しています。また、株価売上高比率が約7と、約2のエクスペディア(EXPE)よりは割高ですがが、12のエアビーアンドビー(ABNB)よりは割安です。

これらの要因から、株式分割による単価の低下と継続的な売上成長の組み合わせにより、ブッキング・ホールディングスの株価のパフォーマンスはより良くなると予想することができます。

メルカドリブレ(MELI)

メルカドリブレの株価はこの記事を書いている時点で744ドルあまりで取引されており、この1年間の最高値からは60%ほど下落しています。

しかし、同社は他のハイテク株のビジネスが減退する物価上昇の環境下で成長モードを維持しています。本業のeコマース事業は成長を続けており、注文処理で地域リーダーに浮上したMercado Enviosなどの関連事業も構築しています。

同社のフィンテック事業であるMercado PagoとMercado Creditoは、間違いなく同社の最も顕著な成功例となっています。同社はセグメント別の売上高を発表していませんが、第1四半期の決済総額253億ドルは、商品総額の77億ドルをはるかに上回っています。

両セグメントとも急成長しており、第1四半期の売上高22億ドルは、前年同期比63%増となりました。この結果、利益は6,500万ドルとなり、前年同期に計上した3,400万ドルの損失から大幅に改善されました。さらに、株価収益率も約5と、2009年以来の低水準になっています。

株式分割により株価が下がれば、この巨大な成長エンジンを持つメルカドリブレを購入するチャンスを広く投資家に提供することになり、買い注文が集まることが予想されます。

*過去記事はこちら メルカドリブレ MELI

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