メルカドリブレ ブラジル情勢を理由とした格下げで急落

ラテンアメリカのeコマースの雄として知られるメルカドリブレ(MELI)が1月7日、急落しました。前日比6.17%減の1085.36ドルで日中の取引を終えています。

これは、投資銀行のジェフリーズが7日朝、メルカドリブレを格下げ。格付けを「買い」から「ホールド」に下げただけでなく、目標株価を2,000ドルから1,250ドルに引き下げたことを発表しました。

特に目立ったのは目標株価の引下げ幅の大きさ。これまで1年後の株価が約2倍になると見ていたものから、約15%の上昇余地ありに変わったため、衝撃を持って受け止められたようです。

アナリストの説明によると、「ブラジルにおけるマクロ的な不確実性の高まり」が格下げの原因だそうです。

ブラジルでは現在、インフレ率が11%と高止まりしているため、政府は事態を沈静化させるために金利を引き上げ、現在は国庫短期証券に12%の金利を支払っています。

このため、メルカドリブレが独自の債券を発行するには、政府の発行する債券に負けない金利を提供する必要があるため、コストが高くなる可能性があります。

同時に、ジェフリーズは、「11月に(メルカドリブレの)電子商取引アプリの利用者数の伸びがかなり緩やかになった」と述べており、これは同社の売上の伸びが鈍化することを予見させるものだと考えています。

さらに、ニューズウィーク誌は、ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ前大統領が今年中に大統領に返り咲く可能性があると報じており、これにより「国家による経済介入が強まる」時代が到来し、民間部門の成長が鈍化する可能性があるとしています。

メルカドリブレは、アルゼンチンを本拠地としていますが、ビジネスの60%はブラジルで行っているため、このような事態の変化は同社の業績に大きな影響を与える可能性があります。

メルカドリブレは、この地域が過去10年間のように急速な成長を続けるという予想を前提に、今後5年間の売上の複利効果は年率50%以上、営業利益の成長率は20%近くになるとして支持されて来た銘柄です。

もし今年、一時的にでも成長が鈍化するようなことがあれば、この銘柄に対する熱狂的な支持は失われる可能性があります。このような状況では、「マクロ的な不確実性が解消されるまで」傍観するというジェフリーズの判断は正しいのかもしれません。

*過去記事はこちら メルカドリブレ MELI

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