エヌビディア 中国とロシアの問題でダウングレード

エヌビディア(NVDA)の株価は、ロシアへの禁輸措置によって悪化した消費者需要の減速を懸念したベアードのアナリストによって格下げされ、4月11日に下落しています。

エヌビディア の株価は、11日に5営業日連続で下落し、5.92%減の217.50ドルで取引されています(12:39PM米国東部時間)。この5営業日で19%以上、今年に入ってからは25%も株価を下げています。ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによると、これほどの下落は2020年3月16日に19.9%下落して以来です。

アナリストのトリスタン・ゲラ氏は、同社の格付けを「アウトパフォーム」から「ニュートラル」に引き下げ、目標株価を360ドルから225ドルに引き下げました。

同氏は11日付けのリサーチノートで、「最近、コンシューマー向けGPUで注文の取り消しが始まったと考えている」と書いています。

このキャンセルは、西ヨーロッパとアジアにおけるGPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット)の過剰と、特に中国における消費者需要の減速が組み合わさったものであると同氏は述べています。GPUに対する消費者需要の鈍化は、グラフィックスカードの価格の継続的な引き下げに表れているとのことです。

マクロ分野もエヌビディアにとっては複雑であるとゲラ氏は述べています。1つは、最近の中国でのコロナ関連のロックダウンが、同社のサプライチェーンにさらなる物流問題を引き起こす可能性があること。

2つ目は、ロシア向けが「ゲーマーとマイニングの両方によって牽引され、コンシューマ向けGPUの割合がコンセンサスビューよりも大きい可能性が高く」、ウクライナ侵攻に伴う最近の対ロ貿易の禁輸措置は、エヌビディアの販売を弱める可能性があることをあげています。

その結果、GPUの需要低迷が2022年後半の売上に影響を与える可能性があるとして、ゲラ氏は売上予想を引き下げたそうです。また、ゲームの売上高の見込みも引き下げたということです。

ゲラ氏の新たな目標株価は、エヌビディアが新たな2025年の1株当たり利益予想の25倍で取引されることを前提にしているとのことです。

先週、トゥルイストのアナリスト、ウィリアム・スタイン氏は、エヌビディア、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、インテル(INTC)などの大手半導体メーカー数社の目標株価を引き下げました。スタイン氏は、半導体の「需要シグナルにネガティブな変化が訪れる」可能性があることを指摘しました。

しかし、すべてのアナリストがエヌビディアに慎重なわけではありません。シティのアナリスト、アティフ・マリク氏は、台湾での新製品発表前の端境期の販売データを反映し、2022年上半期のゲームの売上予想を引き下げたものの、同銘柄の「買い」の格付けは維持しました。

マリク氏はリサーチノートに「株価の倍率はデータセンターの成長に支えられていると引き続き考えており、9月の新製品発売がゲーム市場の次の起爆剤になると予想している」と書いています。

ファクトセットの調べでは、44人のアナリストのうち、36人が「買い」または「アウトパフォーム」と評価し、7人が「ホールド」、1人が「買い」と評価しています。数週間前、Tigress Financial Partnersのアナリスト、Ivan Feinseth氏は、エヌビディアの目標株価をウォール街の最高値に引き上げ、同社の人工知能における継続的な進歩について楽観的であると述べています。

ダウングレードを発表したゲラ氏もエヌビディアの長期的なファンダメンタルズに前向きな姿勢を崩してはいません。

「今年、消費者向けGPUの需要が不調に終わるとしても、RTXのアップグレードがAIやソフトウェアの販売機会を生み出すとともに、中期的に継続的な触媒となると予想している」と同氏は付け加えています。
*RTX(リアルタイム・レイトレーシング)は、エヌビディアのハイエンドプロフェッショナルGPUで、ゲームや人工知能処理に使用されています。

また、エヌビディアのデータセンターの売上見通しも、引き続き堅調であるともゲラ氏は述べています。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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