今後10年で10倍の可能性を持つファイバー

企業とフリーランサーをつなぐファイバー(FVRR)の株価はこの1年間、大きく下落しました。最高値からは70%も下落して現在に至っています。

しかし、株価がここまで落ちたにもかかわらず以前の成功が偶然ではなかったことを示すファンダメンタルズをファイバーは有したままです。それを活かすことができれば、今後10年間で大きな成功を収める可能性を持っています。

ファイバーは、コピーライティングからグラフィックデザインまで、フリーランサーが自分のサービスを販売できるマーケットプレイスを運営しています。ファイバーのプラットフォームは、買い手と売り手がコミュニケーションし、サービスを交換し、支払いをするためのすべてのフレームワークを提供します。ファイバーは、取引額の何割かを得ることを収益源としています。

ファイバーの月間訪問者数は5,000万人以上。これほどまでの露出を得ることはフリーランサー単独ではとても実現できるものではありません。プラットフォーム自体も成長しており、アクティブなバイヤーは2019年に240万人、2020年に340万人、2021年に420万人と増えています。

同社は、より多くの買い手をプラットフォームに呼び込むだけでなく、企業のような大口顧客にも魅力を広げるための投資を行っています。企業は、ファイバーを利用することで、よりコストのかかる正社員の雇用に投資する代わりに、タスクに特化した人材を雇うことができます。

2021年末、ファイバーは現金9,500万ドルを支払って、企業にフリーランスの人材向けディレクトリを構築・整理させるStoke Talentを買収しました。ファイバーの企業への注力の度合いは、同社の購入者1人当たりの支出額にも表れており、2019年の170ドルから2021年には242ドルに増加しています。

この戦略転換は、すでに堅調である売上成長にさらに勢いを与えました。ファイバーの売上は2021年に前年比57%増の2億9,800万ドルとなりました。非常に細分化された巨大なフリーランス業界の市場規模について、経営陣は米国だけで1,150億ドルと見積もっており、ファイバーには大きな成長の余地があります。

ファイバーはすでに非GAAPベースで黒字であり、これだけの成長を遂げている企業としては素晴らしい業績を残しています。同社は2021年に0.60ドルの1株当たり利益(EPS)を生み出しましたが、アナリストは、今年はそれが前年比24%増の0.75ドルになると予想しています。

同社の研究開発費、営業・マーケティング費、一般管理費といった経費は、2019年から2021年にかけて、売上高に占める割合が小さくなっています。つまり、ファイバーの売上は支出よりも速く伸びており、それが利益につながっているのです。

黒字の会社は、事業を運営するためにさらに現金を調達する必要がないので、株式を増やして投資家の持ち株を希薄化させることもないと思われます。大規模な買収が行われる場合にこの予想が覆される可能性はありますが、会社自体は財務的に健全です。

ファイバーの収益性は、バランスシートに現金を追加できることを意味し、同社は自社株買いを開始したり、ビジネスをさらに成長させるために買収に費やすことが可能になります。これらはすべて、株主の利益につながります。

ファイバーは規模が小さいため、他の多くの優良銘柄とは一線を画しています。時価総額はわずか30億ドルであり、今後数年にわたり成長する余地があります。

2021年初頭に売上高株価指数(P/S)レシオによるファイバーの評価は45を大きく超えました。しかし、それを頂点に株価は下落を続け、ファイバーの評価額は現在、P/Sが10で、パンデミック前の水準とほぼ同程度になっています。この控えめなバリュエーションは、今後期待されるファイバーの長期的な成長のほとんどが株価に反映されること、株価の大きな上昇が期待できることを意味します。

ファイバーが今後10年間、年平均30%の売上成長を遂げた場合、10年目には約40億ドルの売上高を達成することになります。P/Sレシオ10が維持されれば、ファイバーの時価総額は400億ドルになり、現在の評価額の10倍以上になります。

実現できるかどうかの保証はありませんが、ファイバーのような小さな会社が成長するのは、すでに数兆ドル規模の株式を持っているアップルよりははるかに容易です。

その道のりは険しいかもしれませんが、小型株は長期的に大きなリターンを得るためのチャンスを提供してくれます。ファイバーは、成長の余地があり、財務が健全で、規模が小さいため、2020年代に大化けすることが期待できます。

*過去記事はこちら ファイバー FVRR

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