IPO アンプリチュードが直接上場し、株価は10%上昇

データ分析企業のアンプリチュード(AMPL)は、9月28日にナスダックで取引を開始し、その株は基準価格の35ドルから約57%も急騰しました。

同社の株価は、50ドルでスタートし、最高値は54.90ドルでした。28日の終値は54.80ドルで、取引開始時から9.6%の上昇となりました。この結果、アンプリチュードは、1億2,950万株の発行済み株式をベースに71億ドル近い評価額で初日の取引を終えました。

2012年に設立されたアンプリチュードのデータ分析ソフトウェアは、企業に顧客の行動に関する洞察を与えます。顧客は1,200社を超え、ウォルマート(WMT)、NBC、バーガーキング、フォード(F)、ツイッター(TWTR)、ドロップボックス(DBDX)、ペイパル・ホールディングス(PYPL)などが名を連ねています。

同社のソフトウェアは、企業が自社の製品を顧客に合わせて調整するのに役立ちます。例えば、長年の顧客であるペロトン・インタラクティブ(PTON)は、アンプリチュードのソフトウェアを使用して、ソーシャルエンゲージメントがあれば、顧客が運動を習慣化する可能性が高いことを知ったと、アンプリチュードのCEO兼共同設立者のスペンサー・スケイツ氏は述べています。

これを受けて、ペロトンはハイタッチやリーダーボードを作成したそうです。「私たちはこれらの洞察を、NBCやバーガーキングなど、協力しているすべての企業に提供しています。NBCでもバーガーキングでも、チーフプロダクトオフィサーにインサイトを提供しています」とスケイツ氏は語っています。

最高製品責任者は「十分なサービスを受けていない」という同氏は「製品を作る方法を変えるチャンスがあり、我々はそのお手伝いをしたい」と述べています。そうした例として、アドビ(ADBE)のチーフ・マーケティング・オフィサーやセールフォース(CRM)のセールス・エグゼクティブにデータを提供していることをあげています。

アンプリチュードは、今年、上場に当たって、ダイレクト・リスティングを採用した5社目の企業となりました。眼鏡ブランドのワービー・パーカーは、9月29日にデビューする際にこの手法を使用する6番目の企業となります。

このほか、ロブロックス(RBLX)、コインベース・グローバル(COIN)、スクエアスペース(SQSP)、ジップリクルーター(ZIP)などが直接上場を行っています。

ダイレクト・リスティングは、従来のIPOとは異なり、案件を担当する投資銀行が財務アドバイザーを務め、株式の引受を行わないという特徴があります。また、ダイレクト・リスティングを利用する企業は、新たな資金を調達しません。代わりに、株主が株式を売却することになります。

目論見書によると、アンプリチュードの株主は、クラスAの株式3,540万株を転売するために提供しているとのことです。

9月28日の午後の多くの時間、アンプリチュードの株式は52ドルから54ドルの範囲で取引されていました。アンプリチュードの株式公開の成功は、消費者向けの大企業でなくても直接上場できることを証明している、とスケイツ氏は述べています。

「私たちはすべてB2Bです。コンシューマー向けには販売していません。多くのB2B企業が我々を見て、これは我々にとっても素晴らしい道だと思ってくれています」と語っています。

アンプリチュードは、IPOにありがちなボラティリティ(変動性)を持たずに株式を提供しました。レストランソフトウェアを提供するトースト(TOST)は、先週上場し、取引初日に56%以上の株価上昇を記録しました。

2020年に行われた従来のIPOでは、平均して株の価格が50%近く低く設定されており、スケイツ氏は「1ドルを50セントで売るようなものだ」と述べています。「私はIPOで会社を公開することはありません。IPOは時代遅れだと思います」と同氏は語っています。

アンプリチュードは、株式公開のためにSPACとの合併を一時的に検討したことがあることもスケイツ氏は明かしています。

SPACのプロセスは、「SEC規則を回避するための最終手段」だそうで、SPACとの合併に関わる企業は、従来のIPOや直接上場に適用される情報開示ルールに縛られることがないそうです。

このルールは、公開市場の投資家を保護するために存在するものにもかかわらず、縛られることがないことを同氏は指摘し、「SPACの人々は、ありとあらゆるおかしなことを言います。もしあなたの会社が良質な企業であれば、絶対に直接上場するべきです」と述べています。

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