「億り人が狙えるとってもリスキーなヘルスケア株」でご紹介しました、投資家にものすごいリターンをもたらすかもしれないが、その一方で破滅的な損害を与えるかもしれない、ハイリスク・ハイリターン株のナノックス・イメージング(NNOX)。
5月11日に発表された同社の第1四半期決算は以下のようなものでした。
同社は第1四半期に売上を上げることができませんでした。一般に公正妥当と認められた会計原則(GAAP)に基づき、1,270万ドルの純損失(1株当たり0.27ドル)を計上しています。前年同期は740万ドル(1株当たり0.26ドル)の純損失を計上していました。
当四半期の調整後純損失は710万ドル(1株当たり0.15ドル)でした。前年同期は260万ドル(1株当たり0.09ドル)の調整後純損失を計上しています。アナリスト予想では、調整後の純損失は1株当たり0.25ドルとされていました。
第1四半期の現金および現金同等物の残高は2億1,930万ドル。これは、2020年12月31日時点での同社の現金備蓄額2億1,350万ドルからわずかに増加しています。
ラン・ポリアキネCEOは、ナノックスがX線デバイスの鍵となるシリコンMEMsチップを生産するために、韓国子会社への日本からの技術移転が「確実に進んでいる」と述べました。また、韓国で新工場の建設も進めています。
ナノックスは、4月にシングルソースのNanox Cart X-Ray Systemが米国食品医薬品局(FDA)の認可を取得しました。これは、同社が広く商品化を希望しているマルチソース装置のFDAクリアランスを取得するための重要なマイルストーンであると考えられています。
同社は以前、2022年の第1四半期までに1,000台のマルチソース装置を出荷し、2024年末までに1万5,000台のシステムを納入する予定だと発表していました。後者の目標はまだ達成の可能性がありますが、前者はそうではありません。
同社は決算の説明会で、当初のスケジュール内に1,000台のマルチソースユニットを出荷できる見込みはないと述べています。同社の革新的なX線装置の中核部品である高出力セラミック管を供給するサードパーティとの間で遅延が発生したとのことです。これらの遅延は、パンデミックによる影響を多く受けているそうです。
これらの問題のため、ナノックスは現在、2つの代替サプライヤーと協力しています。同社は、2022年中に1,000個のマルチソースユニットを出荷することができ、場合によってはそれ以上の出荷も可能であると考えています。この目標を達成するためには、FDAの認可や他の国の規制機関からマルチソース装置の同様の認可を受けることが条件となります。
ナノックスにとって最も重要なマイルストーンは、マルチソースデバイスのFDAへの510(k)市販前通知の提出であり、ポリアキネ氏は、この申請を2021年に提出する予定であると述べています。
ナノックスはこのような内容の決算を5月11日の市場が開く前に発表しましたが、開場前の時間外取引で同社株は21%も暴落しました。
発表の前の数ヶ月の間に、投資家はこの医療用画像処理技術企業に対する強気の姿勢を強めていただけに、失望は大きかったようです。
売上ゼロ、損失という数字は予想されていたものの、「2022年の第1四半期までに1,000台のマルチソースNanoxユニットを出荷するという以前に発表したマイルストーンを達成する見込みはない」という知らせが失望売りを最も呼んだものと思われます。
決算発表のあと、空売りをしていたMuddy Waters Researchが、ナノックスは詐欺以外の何物でもないとする簡潔なツイートをして売りを重ねたことも、株価の下落幅を大きくしました。
こんな最近の事例を見ても、ナノックスがいかにリスキーかが、わかります。彼らの壮大な目標、魅力的なビジネスプランを知るとそれに賭けたくなるのですが、果たしてそれが本当に実行可能か、という不安が常につきまといます。
でも、彼らのホームページの記事やビデオ、ネットにある以前の記事などもろもろ見て、まずはほんの少し買ってみました。ウォッチリストに載せているだけでは物足りないほど魅力があるんですよね、知れば知るほど。株主となって様子を見ながら、さらにポジションを増やすかどうか考えていきたいと思います。
原資は遊び半分で買っていたコインベース(COIN)。1株だけ買っていたのを売って10株買いました。ビットコインよりはこちらが好みです。
ナノックスの重要な基礎技術は実は10年以上前にソニーが開発したものだそうです ソニーが開発したのは電界放出型ディスプレイと呼ばれるもので、テレビやモニターに使われる予定のものでしたが、ソニーはその技術を利用していなかったので、他の会社に売却し、ナノックスがそれを購入しました。そして、この技術をもとに8年間も秘密裏に開発を続け、この技術を完成させたという経緯があるそうです。
こんな事実も買うことの後押しになりました。本当っぽいじゃないですか(^^;)