半導体市場は2030年に3.2兆ドルへ BofAが注目する4銘柄とは

AI開発の減速を警戒する声が広がる一方、半導体市場の中長期的な成長余地は依然として大きいとの見方が出ています。

マーケットウォッチは9月15日、バンク・オブ・アメリカのアナリスト、ビベック・アリヤ氏による半導体市場の最新見通しを紹介しました。

アリヤ氏は、世界の半導体市場のTAM(獲得可能な最大市場規模)が2030年までに3.2兆ドルへ拡大すると予想しています。2026年の1.7兆ドルから約4年間で大幅に成長する計算です。

成長をけん引するとみられているのが、AIデータセンター、メモリー半導体、半導体製造装置です。

AI投資に明確な減速は見られない

半導体株を巡っては最近、アンソロピックやオープンAIなどがAIモデルの開発速度を抑えた場合、GPUやサーバー、データセンターへの設備投資も鈍化するのではないかとの警戒感が浮上しています。

しかし、バンク・オブ・アメリカは実際の需要には明確な減速が確認されていないとみています。

顧客からの注文、長期契約、供給契約、半導体価格などを分析すると、需要の勢いは依然として強いとの判断です。

特に2027年については、コンピューティング、ネットワーク、メモリー関連の供給能力の多くがすでに契約済みとなっており、2028年も需給が引き締まった状態が続く可能性があります。

AIを巡る市場心理が変化している一方で、半導体サプライチェーンでは数年先まで需要が確保されているという点は重要です。

成長の中心はメモリーとデータセンター

今後の半導体市場拡大を支える重要な分野の1つがメモリーです。

生成AIでは大量のデータを高速で処理する必要があるため、高性能DRAMやHBMの需要が増加しています。メモリーの供給不足が続き、価格が上昇すれば、関連メーカーの売上高や利益を押し上げる要因になります。

さらにAIインフラへの投資はGPUだけで完結しません。

メモリー、ネットワーク機器、サーバー、ストレージなど幅広い半導体や周辺機器が必要となるため、AIデータセンターの増設は半導体産業全体へ波及します。

バンク・オブ・アメリカはAIサーバーに加え、従来型サーバーについても需要見通しが改善しているとみています。

注目される4つの半導体株

半導体株が再び上昇局面に入った場合、バンク・オブ・アメリカが有力候補として挙げているのが、マイクロン・テクノロジー(MU)、インテル(INTC)、ラム・リサーチ(LRCX)、アプライド・マテリアルズ(AMAT)の4社です。

マイクロン・テクノロジーはDRAMやNAND型フラッシュメモリーを手掛けており、AI向けHBM需要の拡大とメモリー価格上昇の恩恵を受ける可能性があります。

*関連記事:「マイクロン株の本当の論点 短期調整より重要なメモリ供給不足の行方」

インテルはPCやサーバー向けCPUに加え、半導体受託製造事業を強化しています。製造技術の改善やファウンドリー事業の成長が進めば、半導体市場拡大の恩恵を受ける余地があります。

*関連記事:「AI半導体覇権の行方 TSMC一極集中からインテル復活のシナリオ」

ラム・リサーチはメモリー半導体の製造工程で使用される装置に強みを持っています。メモリーメーカーによる設備投資拡大は、同社の装置需要に直結します。

*関連記事:「テラファブ計画の本命はテスラではない 恩恵を受ける半導体製造装置株を徹底分析」

アプライド・マテリアルズはロジック半導体、メモリー、先端パッケージなど幅広い製造工程に装置を供給しています。世界的な半導体設備投資の拡大を幅広く取り込める点が特徴です。

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半導体製造装置市場も急拡大へ

バンク・オブ・アメリカは、半導体製造装置市場についても強気の見通しを示しています。

ウェハー製造装置市場は2026年の1,560億ドルから2027年には2,100億ドルへ拡大すると予想しています。さらに2030年頃には関連市場の売上高が3,600億ドル規模に達する可能性があります。

背景にあるのが、半導体の微細化や次世代製造技術への移行です。

AI向け半導体では、より高性能なチップやメモリーが必要になるため、製造工程も複雑になります。半導体メーカーが新しい工場やクリーンルームを増設すれば、製造装置メーカーにとって大きな商機となります。

半導体株は成長力との比較で割高ではない

PHLX半導体株指数(SOX)は2026年に約58%上昇しています。

これだけ上昇すると高値警戒感も出てきますが、バンク・オブ・アメリカは利益成長率を考慮すれば、半導体株のバリュエーションには依然として魅力があると分析しています。

半導体企業はS&P500企業全体を上回る利益成長が予想される一方、株価評価はその成長力と比較して極端に高くないという見方です。

ただし短期的には、米国の中間選挙や金利、景気動向などが重荷となり、半導体株が一定のレンジ内で推移する可能性も指摘されています。

AI相場の次の焦点は供給能力へ

今回の記事で注目したいのは、AIに対する市場の期待が変化しても、実際の半導体需要は数年先まで強い可能性がある点です。

AI開発の速度や巨額の設備投資を巡る懸念が株価を揺らす一方、半導体メーカーやデータセンター事業者は長期契約や設備投資をすでに進めています。

2030年に半導体市場が3.2兆ドルへ拡大するという予想が実現するかは、AI投資や世界景気に左右されます。ただ、メモリー、データセンター、半導体製造装置が中長期的な成長テーマであることに変わりはありません。

今回名前が挙がった4社についても、単なるAI関連株ではなく、半導体産業全体の設備投資サイクルという視点から注目する必要があります。

情報ソース: MarketWatch: “These 4 stocks could benefit most from a $3.2 trillion semiconductor opportunity” (By Britney Nguyen, Sept. 15, 2026)

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

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