エヌビディア(NVDA)の成長は、いったいどこまで続くのでしょうか。
マーケットウォッチは2026年8月27日、「Is Nvidia heading for $1 trillion in annual revenue? One analyst now thinks that’s possible.」と題した記事を掲載し、最新決算を受けてウォール街で浮上している「年間売上高1兆ドル」という驚くべき成長シナリオを紹介しています。
今回の決算では売上高や次四半期の見通しが市場予想を上回りました。しかし、投資家がより注目したのは、エヌビディアが示した2028年1月期に向けた中期的な成長見通しです。
2028年1月期に70%超の売上高成長を示唆
マーケットウォッチによると、エヌビディアは決算説明会で、2028年1月期の売上高について70%を超える成長が可能との見方を示しました。
これは従来の市場予想を大幅に上回ります。ファクトセットのコンセンサス予想では、それまで約45%の増収が想定されていました。
さらに重要なのは、会社側がこの70%という成長率に供給制約を織り込んでいる点です。半導体や関連部品を十分に確保できれば、売上高の成長率はさらに高くなる可能性があります。
TDカウエンのアナリスト、ジョシュア・ブハルター氏は、この見通しをエヌビディアが将来の需要に強い確信を持っていることを示すものと評価しています。
次世代ルービンが新たな成長エンジンに
今後の成長を支える重要な製品が、ブラックウェルの後継となる次世代AI半導体プラットフォーム「ベラ・ルービン」です。
バーンスタインのステイシー・ラスゴン氏は、ルービンについてエヌビディア史上最大級の製品サイクルになる可能性を指摘しています。
AI市場では生成AIモデルの大型化に加え、学習だけでなく推論向けの計算需要も急速に増えています。ブラックウェルからルービンへと新しい製品世代への移行が続けば、クラウド大手やAI企業によるデータセンター投資も長期間継続する可能性があります。
エヌビディアの成長を考えるうえでは、単純なGPU販売数量だけでなく、この製品更新サイクルがどこまで続くかが重要になります。
2029年1月期に売上高1兆ドルの可能性
今回の記事で最も注目されるのが、レイモンド・ジェームズのアナリスト、サイモン・レオポルド氏の見方です。
同氏は、2029年1月期にエヌビディアの年間売上高が1兆ドルに達することも可能との見方を示しています。
ファクトセットによると、2029年1月期の市場予想はこれまで7,500億ドル未満にとどまっていました。また、今期にあたる2027年1月期の売上高については、4,035億ドルが見込まれています。
つまり、1兆ドルを実現するには、すでに巨大企業となったエヌビディアが今後も非常に高い成長率を維持する必要があります。
それでもウォール街のアナリストが1兆ドルという数字を現実的な可能性として議論し始めたことは、AIインフラ市場の規模が従来の想定以上に拡大していることを示しています。
データセンター不足が成長のボトルネック
現在のエヌビディアにとって大きな問題は、需要不足ではなく供給能力です。
ゴールドマン・サックスのジェームズ・シュナイダー氏は、エヌビディアがテクノロジー企業と協力しながらデータセンターの建設を支援し、需要と供給の差を縮小できれば、2028年1月期の見通しを上回る可能性があると指摘しています。
GPUを生産できても、それを設置するデータセンターや電力、ネットワーク、メモリなどが不足すれば稼働させることはできません。
そのためエヌビディアは、単なる半導体メーカーから、AIインフラ全体の拡大を支える企業へと役割を広げています。
粗利益率72~73%を維持できるか
一方で、今後の利益率については注意も必要です。
メモリ価格の上昇や、クラウド大手による独自AI半導体の開発が進めば、エヌビディアの利益率に下押し圧力がかかる可能性があります。
会社側は次年度の粗利益率について72~73%程度を見込んでいます。直近のピークと比べれば低いものの、売上高が急増するなかで70%を超える粗利益率を維持できれば、依然として極めて高い収益力です。
TDカウエンのブハルター氏も、この水準は市場が懸念していた悲観的なシナリオより良好だと評価しています。
巨大な財務力もエヌビディアの競争優位に
マーケットウォッチの記事では、エヌビディアの財務力にも注目しています。
バーンスタインのラスゴン氏は、同社の強固なバランスシートそのものが、技術力と並ぶ競争上の強みになりつつあると指摘しました。
エヌビディアはAI関連企業への出資や提携を積極化しています。AI企業やデータセンター事業者の成長を支援することは、最終的には自社GPUや関連製品への需要拡大につながります。
巨額の利益を研究開発だけでなくAI産業全体のエコシステム拡大に再投資できることは、競合企業にとって簡単には真似できない強みです。
「年商1兆ドル」は可能性として注目
もちろん、エヌビディアが2029年1月期に必ず売上高1兆ドルを達成するという意味ではありません。
AI設備投資の減速、独自AI半導体との競争、データセンター建設の遅れ、電力不足、利益率低下など、今後の成長を左右するリスクは数多くあります。
それでも、数年前には想像しにくかった「年間売上高1兆ドル」という規模を、ウォール街のアナリストが議論する段階に入った点は重要です。
今後のエヌビディア株を見るうえでは、四半期ごとの決算だけでなく、ブラックウェルからルービンへ続く製品サイクル、AIインフラ投資の継続性、そして高い利益率を維持できるかが重要なポイントになります。
情報ソース:MarketWatch:「Is Nvidia heading for $1 trillion in annual revenue? One analyst now thinks that’s possible.」(By Nora Redmond、Britney Nguyen)
※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA
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