エヌビディア決算は驚異の成長継続!2028年度「70%成長」が示すAI覇者の将来性

米半導体大手エヌビディア(NVDA)は、8月26日の米国市場取引終了後に第2四半期決算を発表しました。売上高と利益はいずれも前年同期から大幅に拡大し、第3四半期の売上高見通しも市場予想を上回りました。

さらに注目されたのが、2028年度について約70%という非常に高い売上高成長率を会社側が示したことです。一方、メモリ価格上昇による粗利益率低下や、将来の供給を確保するための巨額コミットメントなど、新たなリスクも浮かび上がっています。

今回は決算内容を整理したうえで、エヌビディアの成長力が今後も維持できるのかを考えます。

第2四半期は売上高962億ドル、EPSは2倍超へ

第2四半期の売上高は962億ドルとなり、前年同期の467億ドルから約2倍に拡大しました。調整後1株当たり利益(EPS)も前年同期の1.05ドルから2.22ドルへ増加しています。

売上高だけでなく収益性も非常に高い水準を維持しています。粗利益率は75%となり、営業利益率は前年同期の64.5%から66.5%へ上昇しました。

AI向け半導体に対する需要が急増するなかでも、高い利益率を維持しながら売上高を倍増させている点は、エヌビディアの競争力の高さを象徴しています。

第3四半期の売上高についても1,080億ドル(±2%)を見込み、市場予想の1,050億ドルを上回りました。単なる好決算だけではなく、成長が次の四半期にも続くことを示した内容です。

データセンター売上高890億ドル、顧客層にも広がり

最大の成長エンジンであるデータセンター部門の売上高は890億ドルに達しました。前年同期の410億ドルから急拡大し、全社売上高の約93%を占めています。

注目したいのは顧客構成です。ハイパースケーラー向け売上高は前年同期比102%増でしたが、それ以外の顧客向けは138%増と、さらに速いペースで伸びました。

これまでエヌビディアの成長は、マイクロソフトやアマゾン、アルファベット、メタなど巨大IT企業によるAI設備投資への依存度が高いことがリスクとして指摘されてきました。

しかし今回の数字を見る限り、AIインフラ需要はハイパースケーラーだけでなく、幅広い企業や組織へ広がっています。

顧客基盤が多角化すれば、特定企業の設備投資計画が減速した場合でも、その影響をある程度吸収できる可能性があります。AI投資が一部の巨大テクノロジー企業だけのテーマから、より幅広い産業へ拡大していることは、エヌビディアにとって重要な追い風です。

また、ゲーミングや車載などを含むエッジ部門の売上高も72億ドルとなり、市場予想の66億ドルを上回りました。

粗利益率低下は短期的な最大の懸念材料

一方、今後の決算で最も注意したいのが粗利益率です。

第2四半期には75%だった粗利益率は、第3四半期には74%へ低下する見通しです。さらに第4四半期には、メモリ価格上昇の影響によって71%〜72%程度まで低下し、いったん底を打つと会社側は予想しています。

AIアクセラレーターには大量の高性能メモリが必要となるため、メモリ価格上昇はエヌビディアの製造コストへ直接影響します。

ただし、同社は1月末から始まる次期第1四半期から製品価格を引き上げる方針を示しています。その結果、2028年度の粗利益率は72%〜73%程度へ回復する見通しです。

コスト上昇を販売価格へ転嫁できれば、エヌビディアが依然として強い価格決定力を持っていることになります。

競争が激しい市場では値上げによって需要が競合企業へ流れる可能性があります。しかしエヌビディアの場合、CUDAを中心とするソフトウェア環境を含めたAIプラットフォーム全体が競争力となっており、単純な半導体価格だけでは比較できない強みがあります。

2028年度「70%成長」という驚異的な長期見通し

今回の決算で特に注目されたのが、2028年度の売上高について約70%の成長率を見込んでいることです。

市場予想は約45%だったため、会社側の見通しはウォール街の想定を大きく上回ります。

しかもこの見通しは、供給制約を考慮したうえで示されています。つまりエヌビディア側は、「需要はさらに存在するものの、製品をどこまで供給できるかが成長率を制限している」という状況を想定していることになります。

AIデータセンターへの投資が一過性ではなく、数年間続く巨大な設備投資サイクルになっている可能性を示す数字ともいえます。

仮に70%成長が実現すれば、現在すでに巨大企業となったエヌビディアが、さらに極めて速いペースで事業規模を拡大することになります。

2,790億ドルの供給確約が示す成長への自信とリスク

一方、将来の成長を支えるための資金負担も急速に拡大しています。

主に高価なメモリを確保するための供給確約額は、前四半期の1,190億ドルから2,790億ドルへ急増しました。

さらにクラウドサービス契約や設備投資などを含む将来コミットメントが1,430億ドル、顧客債務に対する保証額が1,090億ドルあります。

これらはエヌビディアが将来の巨大なAI需要を見越し、サプライチェーンを先回りして確保している証拠でもあります。

しかし、見方を変えれば需要予測が外れた場合のリスクも大きくなっています。AI設備投資が想定以上に減速した場合、巨額の調達契約や保証が収益を圧迫する可能性があります。

今後は売上高成長率だけでなく、こうしたコミットメントがどの程度増えていくのかも重要な確認項目になります。

株主還元と巨額成長投資を同時に実行できる強さ

財務面では株主還元も積極的です。

第2四半期には配当と自社株買いを合わせて260億ドルを株主へ還元しました。上半期累計ではフリーキャッシュフローの60%を還元しており、会社目標の50%を上回っています。

通常、急成長企業は事業拡大のために大量の現金を必要とするため、株主還元との両立は難しくなります。

しかしエヌビディアは巨額の供給確約を行いながら、同時に大規模な自社株買いまで実施しています。

AI半導体市場における圧倒的な収益力とキャッシュ創出力があるからこそ可能な戦略といえます。

エヌビディアの将来性をどう見るか

今回の決算からは、エヌビディアの成長ストーリーがまだ終盤ではないことが読み取れます。

特に重要なのは、データセンター需要がハイパースケーラー以外にも広がっている点と、2028年度について市場予想を大きく上回る約70%の成長見通しを示した点です。

一方、短期的には粗利益率の低下が株価評価の重荷になる可能性があります。さらに2,790億ドルに達した供給確約や、顧客債務保証などの巨額コミットメントは、需要拡大が続くことを前提とした戦略です。

今後のエヌビディアを見る際には、「売上高がどれだけ増えるか」だけでは十分ではありません。

粗利益率が会社予想通り底打ちするのか、値上げによってコスト上昇を吸収できるのか、そして巨額の供給契約に見合うAI需要が継続するのかが重要になります。

今回の決算はエヌビディアの圧倒的な成長力を改めて確認する内容でした。同時に、企業規模と投資額が巨大化したことで、今後は成長率だけでなく「どの程度のリスクを取って成長を維持しているのか」にも注目する必要がありそうです。

情報ソース: Barron’s: “Nvidia Impresses Wall Street With Strong 2028 Outlook” (By Adam Levine)

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

🎧この記事は音声でもお楽しみいただけます。AIホストによる会話形式で、わかりやすく、さらに深く解説しています。ぜひご活用ください👇

最新情報をチェックしよう!
>

幸せな生活作りのための米国株投資。
老後資産形成のための試行錯誤の日々を報告していきます。
皆様の参考になれば幸いです。

CTR IMG