バロンズ誌は2025年10月8日付の記事「Dell Is Just Beginning to Tell Its AI Story. Buy the Stock.(デルは今まさにAI物語を語り始めた。株を買うべきだ)」で、デル・テクノロジーズ(DELL)を明確に「買い」と推奨しました。記事は、同社がAIサーバー需要の波に乗り、かつてのPCメーカーから成長企業へと変貌を遂げつつあると強調しています。
AIサーバーが牽引するデルの変革
デルのインフラソリューション部門は、第2四半期に前年同期比44%の売上増を達成しました。中でもAIサーバーを含むサーバー・ネットワーク部門は69%増と急成長しており、2025年にはAIサーバー売上が200億ドルを突破する見込みです。
これは、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)やスーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)、レノボと並ぶAIサーバー市場のトップグループ入りを意味します。バロンズは「AIインフラへの本格参入がデルを成長株に変える」とし、その潜在力を高く評価しています。
xAIとの大型契約で注目度が上昇
デルはイーロン・マスク氏率いるxAIから約50億ドルのサーバー受注を獲得したと報じられています。この取引は、デルのAIサーバー事業の信頼性を示す象徴的な事例です。
さらに、デルはAIサーバーの製造だけでなく、コンサルティングやファイナンス支援を組み合わせた包括的なサービスを提供しており、顧客のAI導入を支える「パートナー企業」としての地位を築きつつあります。
安定したキャッシュフローとM&A余地
デルは80億ドル超の現金と年間70億ドルのフリーキャッシュフローを有しており、今後のM&Aによる成長も視野に入れています。既存のPC事業もAI対応モデルの需要が拡大しており、全社的な安定基盤を維持しています。
2026年度には売上1166億ドル、営業利益94億ドルを見込んでおり、長期的に「高シングル成長率」を維持できる体制を整えています。
割安すぎる成長株
バロンズは特にバリュエーション面に注目しています。デル株の予想PERはわずか14.5倍で、S&P500平均(22倍)を大きく下回っています。アナリスト予想によると来期の1株利益(EPS)は18%増加が見込まれており、AIサーバーの高い利益率と年間40億ドル規模の自社株買いがEPSの押し上げ要因になるとしています。
「高成長と割安さのギャップこそが最大の投資チャンス」とバロンズは指摘しました。
バロンズの結論:「デル株は今が買い」
記事の締めくくりで、バロンズは明確に「Dell stock is a buy(デル株は買いだ)」と記しています。AIインフラ需要の拡大、xAIなど有力顧客との契約、そして割安な株価水準を総合的に考慮すれば、今後の上昇余地は十分にあると分析しています。
「かつてのPCメーカーではない。AIサーバー時代を牽引する新しいデルが始動した」との評価は、同社の次なるステージを象徴しています。
デル株はまさにAI時代の新しい主役の一角を担う存在になりつつあります。バロンズが「買い」を打ち出した今、投資家にとっても見逃せない局面といえそうです。
*過去記事はこちら デル・テクノロジーズ DELL
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