スーパーマイクロ、パランティア、AMD…世界最大のヘッジファンドが選んだ銘柄は?

世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツが、第3四半期にテクノロジー株への投資戦略を大きく変更しました。同ファンドは、エヌビディア(NVDA)の株式を削減する一方で、スーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の株式を新たに購入しました。この動きは、証券取引委員会(SEC)に提出された書類から明らかになっています。

エヌビディア株の売却と市場の反応

ブリッジウォーターは、エヌビディアの株式を180万株売却し、第3四半期末時点での保有数を480万株としました。今年の初めからエヌビディアの株価は約145%の上昇を見せており、S&P 500指数が21%の上昇であることと比較すると、その伸び率の高さが際立っています。さらに、第4四半期に入ってからもエヌビディアの株価は14%の上昇を記録しています。

ただし、エヌビディアは供給網に依存しており、次期大統領であるドナルド・トランプ氏が中国やカナダ、メキシコへの関税を引き上げる可能性が示唆されていることから、この影響がサプライチェーンに及ぶ可能性が懸念材料とされています。
*過去記事はこちら  エヌビディアNVDAz

スーパーマイクロへの投資

ブリッジウォーターは、第3四半期にスーパー・マイクロ・コンピュータの株式を145万3,270株購入し、同社の保有株数を161万1,040株に増加させました。この動きは、スーパーマイクロがAI関連需要を取り込もうとしている背景があると考えられます。

スーパーマイクロの株価は、年初来では一時46%上昇しましたが、第4四半期に入ってから22%下落しています。また、10月には1株につき10株の割合で株式分割が行われています。しかし、会計担当の辞任や売上報告書の提出遅れによるナスダック上場要件の未達成が影響し、市場の信頼回復が課題となっています。
*過去記事はこちら  スーパー・マイクロ・コンピュータ SMCI

パランティアの株価上昇

ブリッジウォーターは第3四半期にパランティア・テクノロジーズの株式を43万7,268株追加購入し、保有株数を52万3,548株に増やしました。同社は、AIに関連する「揺るぎない需要」が見込まれることから、2024年の最初の9か月間で株価が117%急騰しました。さらに、第4四半期には80%もの上昇を記録しています。

また、パランティアは9月にS&P 500に採用され、AI市場での成長が期待されています。最近では、ニューヨーク証券取引所からナスダックに上場を切り替え、ナスダック100指数への組み入れを目指しています。
*過去記事はこちら パランティア PLTR

AMDの挑戦

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は、第3四半期中に株価が11%上昇しましたが、第4四半期に入ると16%下落しました。ブリッジウォーターは第3四半期に36万4,292株を追加購入し、保有株数を150万株に増加させました。

AMDは10月末に発表した業績見通しが市場予測を下回ったことで株価が下落しましたが、第3四半期の売上は好調でした。同社は11月に従業員数を4%削減し、リソースを成長機会に集中させる取り組みを発表しています。
*過去記事はこちら  AMD

ブリッジウォーターの動向に注目

世界最大規模の資産を運用するブリッジウォーターがテクノロジー株への投資戦略を調整した背景には、AI市場の成長や地政学的リスクが影響していると考えられます。同ファンドの資産規模は約972億ドルと見積もられており、今回の動きが市場全体に与える影響は無視できません。

今後もブリッジウォーターの投資戦略と、それに伴う市場の反応に注目が集まりそうです。

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